東京に教えてもらったこと➀木久扇師匠「いい仕事してくださいね」
柳家小三治師匠の追悼番組をみながら、寄席での取材のことを思い出す。
三遊亭円丈師匠の密着(2015年放送/ザ・ノンフィクション 円丈VS老い)に、ピンチヒッターディレクターとして入った日。
国立演芸場の控室に入り、他の師匠にも取材のご挨拶をする。その日は林家木久扇師匠がいた。「笑点」では誰よりもピースフルなやりとりで一番好き。畳に手をつきご挨拶をした。「本日取材に入らせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします」。
そのときいただいたのが、今もときどきふっと思い出す好きな言葉。
「はい。良い仕事してくださいね」
テレビでよく見ていた「にかっ」が添えてあるわけではないけれど、言葉はやはりあたたかい。ああ、なんて素敵な言葉を使う方なんだろう。少しの時間を共にするだけでも、こんな風に関わってくださる方なんだ…!
どの仕事も「良い仕事」であろうと思い、映像から文字の仕事に移った今も、その言葉をよく思い出している。
・・・
東京余談(落語)
▶会社から末廣亭がすぐだったので、よく立ち寄っていた。最初はどう面白がるかわからなかったけど、「噺家を見る」段階から「登場人物を自然に脳内再生」の域まで没入できたときからわくわくしはじめた。
▶小三治師匠の落語も聞いた。好みというわけではないけれど、その迫力を感じた。
▶知人のおばさまとおしゃれなうどん屋さんでお昼を食べていたら、隣に小三治師匠が。そして知人のおばさまは小三治師匠のお友達だと知る。
▶「あなたが主役50ボイス」という番組に長年携わり、そのMCである春風亭昇太師匠と色々雑談をさせていただいたが、スタッフみんな「昇太さん」と呼ばせていただいたので、「師匠」付けでなくて良かったのか今でもソワソワ案件。
▶スタッフとの飲みの席で、昇太師匠にお酌しようとして、熱燗を手にこぼしてしまったことがある。ごめんなさい。
▶イヤホンで落語を聞きながら出勤するのが結構楽しかった。
▶浅草に住んでいたときはまだ落語にはまっていなかったので、浅草演芸ホールで見たことがない。今思えば残念。
▶寄席文字を本家本元の橘流で習ったことがある。けど、やはりディレクター職では週に1回定期的に通うことができないので、最初の数回で断念。筆で寄席文字書ける人になりたかったな~
thank you for your support !