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日記#2 また78点。これで良かったのか、自分

暑い。今日は6月上旬。今年は、温暖化のせいなのか例年よりも早く梅雨入りをした。しかし、お昼時の気温は30度を超えて夏のようだった。梅雨の中休みと言われる状態らしく、ほとんど雨が降らず気温も高い。ただの夏だ。まだ夏に対する気持ちの準備が出来ていないので参ってしまう。

今日も修士論文の進捗を作るべく自室で研究活動に励んでいた。しかしこの暑さだ。暑さにやられて集中力がすぐ切れてしまう。蒸し暑い部屋の中、熱を持ったパソコンのディスプレイを見ながらボーっとしていた。最近は、ボーっとしていると頭の中は、あることでいっぱいになる。これで良かったのか、自分 と。

1か月ほど前に就活を終えた。本格的に始めたのが1月だった。なので就職活動の期間は3か月ほどだ。一般的な相場が分からないが、就職活動期間が3か月というのは長い方ではないだろう。

就職活動はあまり苦労はしなかった。初めに受けた大手SIerの企業に落ち、就活におけるセルフプロデュースとは何か考え、その後に臨んだ企業選考の勝率はかなり高かった。大学院まで進んでいるというバックボーンもあるが、工夫した結果が高い勝率に結びついたと思っている。少し自信がついた。

ではなぜ、"これで良かったのか、自分"と悩んでいるのか。最終的に選んだ会社は大手商社の子会社のSIer企業だ。自分の性格や将来、待遇など考慮して選んだつもりだ。給料も同職種と比べると高い、転勤もなし、見た感じ最も苦手とする体育会系の雰囲気も少ない。しかし、大手SIer企業ではない。78点なのだ。

78点。僕にとってはとても意味のある数字だ。この数字を意識するようになったのは、中学生のときだ。

僕の行っていた中学校は、3か月に1回くらいのペースで合唱をする機会があった。合唱コンクール、文化発表会や修学旅行などイベントがある度に合唱をしていた。合唱をするとなると必要なのは指揮者と伴奏者だ。指揮者は人前に立つので僕の学校でも花形だ。当然、やりたい人も多い。合唱コンクールはクラス単位で指揮、伴奏を決めるが、他のイベントは学年単位で行われるのでオーディションや先生の推薦で決まる。僕はその指揮者で3番手ポジションの男だった。1番手は、元々音楽に精通しているしっかりしている女の子だった。2番手は、学年委員などもやっている元気の良い野球部のキャプテン。3番手が僕だ。僕も部長などはやっていたが、当時は自我は弱くリーダーには向かないタイプだったと思う。それに目立つのも嫌いだった。1回他薦で選ばれて、そこからあれよあれよと担がれてやり続けていた。ただ3番手だな、漠然と78点ぽいなという感覚は持っていた。

高校受験は第一志望には落ちた。併願で普通科を受けていたのだが点数が良かったらしく特進に繰り上げ合格になり、奨学金も大幅免除になった。78点ぽい。大学受験は、一応有名校に合格したがそのランク帯で言えば一番下だ。78点ぽい。そして、就職活動。給料は良い、親会社がビックだから安定もしているし自身の成長も見込める、企業の成長性もある。しかし、やはり大手ではない。78点ぽい。

今までの人生の節目節目、特に競争する場において78点を取り続けているのだ。

大事なのは自分の中でいかに頑張って、自分の中にある目標を達成できるかどうかだ。それは十分に理解している。しかし、今回は特別だ。なぜなら、同世代というスタートラインが同じ人たちと競争する機会は今後あまりないと思われるからだ。他との相対的かつ社会的評価を分かりやすい目安で見れる最後の機会だったかもしれない。

なぜ問題視しているのか。それは、若いうちの不完全燃焼感というのは大人になっても尾を引く可能性が高いからだ。一般論ではなく、個人的な想像なのだが、たった十数年の学生時代というものはそれくらい重要だと思う。

100%頑張った結果が78点なら、それはやり切ったことになる。しかし、そうではない。今までの78点の地点を見返すと、頑張り切れなかった理由がすべてにある。今回の就活であれば、大手の選考結果が出る前にすでに内定をもらった企業の返事をしなければならなかった。大手の選考は順調に進んでいたが、保持している内定を全て蹴って大手に絞った結果1つも受からない可能性があった。リスクと可能性を天秤にかけた結果、僕は今の企業を選んだのだ。

努力をしていないわけではないと思う。悔しいからだ。それゆえに78点の結果に落ち着く中途半端さが心底嫌になるときがある。

これは僕だけの特別な悩みではないはずだ。満足している顔をしているあの人もどこかで妥協して生きているはずだ。

折り合いをつけて、自分の精一杯をそのフィールドでマークする、それが何より大事なことだ。

分かっている。分かっているが考えずにはいられない。可能性を。自分はこんなものなのでは無いという可能性を。誰しも特別になりたくて、普通は嫌なはずだ。こんな悩みもありふれている、知っている。

文字にして書き出したらなんだか、心のモヤモヤが少し晴れた気がする。こんな風に書いたが、僕は自分が好きだ。色々なことに興味を持って探求できる自分が好きだ。考えを巡らせて生きやすい方向を模索していく自分が好きだ。適度な努力、器用さで78点以上を取り続けることができる自分が好きだ。色々、ダサいことを書いてしまった気がするが、やはり大事なのは自分の中身。自分が何を大事にしているか、それに基づいて生きていることが出来ているか、不純物は取り除き大事なものを見続けよう。

また明日から頑張れそう。


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