場所で感じる味みたいなものがありまして。
仕事で染め屋さんに訪れるとタバコの香りが漂っていた。職人さんは、ちょうど反物を染めあげたところで、休憩がてらプカプカと吸っていた。
「おーきに。まいどっ！」と声をかけて、自分の家くらいのテンションで中に入っていく。仕上がった反物を引き上げ、世間話を少しだけラリーする。
よ「新幹線も禁煙になるねんてなぁー」
職人「せやでー。エラい時代になったなー」
よ「新幹線くらい吸わせたったらええのになぁー」
職人「ほんまなー、都会では吸える場所を探すところから始まるしなー。時代やのぉ〜。。。」
＊＊＊
今回、喫煙ルームを廃止するのは、JR東海・JR西日本・JR九州のすべての新幹線で、車内は全面禁煙になります。
JR東海：「近年の健康増進志向の高まりや喫煙率の低下を踏まえ、2024年春をもって車内の喫煙ルームをすべて廃止します」
だってさ〜。
タバコ吸えるとこ、本当なくなってきてる。
タバコ吸わない民としては、他人事ではある。
けど、愛煙家たちがTwitterで”ご慈悲”を求めていたり、ラジオで意見を述べたりしているのを聞いていると可哀想な気がしないでもない。
喫煙ルームがあるのだから、別にいいのになぁと思う。が、もはやそういう話でもない。世界的な禁煙ブームというか健康志向ブームというかその波に乗ってのことだろう。
これからは、どんどん安くなる日本に海外の人がドシドシ押し寄せてくる。「日本にいる喫煙家＜日本に来る海外の人たち」って感じなのかな。
「新幹線で吸うタバコがうまいねん」
とあるラジオで芸人さんが嘆いていた。なるほど、おっしゃる通りだなと思った。”場所の味”ってあるよな。喫煙室から見える景色を楽しみながら、プカプカするのは確かに美味しそうだ。タバコ吸えないけどw。
＊
ちょっと待てよ、と気になってググったワードは「新幹線 ビール」だ。
検索結果を見て、一安心。
まだ、新幹線の中でビールは許されるっぽい。
よかったよかった。
美味しいんだよなぁ。
新幹線で飲むビールって。
東京から京都に帰る新幹線。
結構、好きな時間なんだよなぁ。
席について一息つく。
で、プシュ。
一口目がうんまいの。ほんと。
いうても東京での仕事終わり。
東京から京都の2時間。
なーんにも考えずに晩酌タイム。
最高なんだわ。
＊
なんにせよ、日々のちょっとした楽しみが時代の波にのまれてしまい、なくなっていくのは寂しい。
個人的に思うのは、整えられた場所でずっと小さい画面を見てさ、よう分からんゲームをコロコロしたりピコピコしてたりさ、休み時間まで常に繋がっている状態よりも、公序良俗の範囲内で摂取する有毒のほうが逆に健康なんじゃね？とか思ったり思わなかったり。
・こぼれ話
そのうち新幹線では、飲食禁止って感じになるのかなw。それは流石に行き過ぎか。1番先にアルコール禁止とかになりそうw。
アルコールよりも先に、ニオイきつい食べ物禁止とかにして欲しい。ハンバーガーとか、カレーパンとかそういうやつ。
・最後に一曲
プカプカを初めて知ったのは、ハナレグミのアルバム。いろんなシンガーがカバーしてるから、誰のやつ載せようか悩んだ結果、オリジナルの西岡恭蔵に落ち着くっていう。
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