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卒業式で泣いてくれた先生

・ごあいさつ

こんにちは!よよと申します。
関西在住、30代共働きパパです。
暇つぶしにぜひ〜(´∀`*)


中学の話。

ひどい学年だった。
先生は生徒にナメられ放題。
統制のとれていないアナーキー状態。

3年の秋以降、毎日が授業参観日になった。

ついに授業解放宣言。
親御さん方、助けてください。
先生だけではもう無理です。
保護者が教室にいたら、生徒らも静かにするやろうという考え。

結果的にその政策が、荒れ放題に拍車をかけたのは言うまでもない。そのあたりから卒業にかけて、手に負えない状態になった。

一言で言うなら「異常」だった。

言っちゃ悪いが、先生がひどかった。
これは、大人になった今でも変わらない。
今でもあんな大人になりたくないって思う。

ほとんどの先生は不良に屈していた。
教えることを諦めていた。
ビビり倒しているのは、明らか。

自らの保身のため、不良やヒエラルキー上位の生徒にすり寄る先生。不良人気をとろうとして、媚を売る先生。そうでもしないと先生方もいつ何時、不良たちの矛先が自分に向くか分からない。

というわけで、基本的に陰キャは、ほったらかし。そんな先生に呆れて、不登校になる生徒も結構いた。

***

ただ、変わらない先生もいた。
飯田先生。
通称ダーちゃん。

ダーちゃんは、清潔感のあるハゲだった。
50代前くらいのおっさん。
とにかく優しい、たまにしっかり怒ってくれる。
不良も人気者も日陰キャラも分け隔てなく接してくれた。
質問にも丁寧に教えてくれた。

生徒からの評価は高かった。不良連中もダーちゃんの授業は真面目に聞いていた。今でも同級生で集まったとき「ダーちゃんはええ先生やったな〜」って話になる。

最後の半年くらい、日に日に毛量が減っても、誠実に仕事する大人な先生だった。

卒業式。
どこか緊張感漂う、薄暗い体育館。

明らかに保護者じゃない保護者が座っている。私服警官が来てるという噂は、どうやらマジっぽい。

不気味で異様な空間だった。

卒業証書授与。
校長が一人一人名前を呼ぶ。
ほとんどの卒業生が覇気のない返事をし、ダラダラと壇上にあがり、テキトーに頭を下げて、もらうものをもらい、元いた場所にグズグズと戻る。

ふと先生をみる。

皆、やつれている。
が、安堵が漏れている。
「こいつらやっと卒業や。。。」と思っているに違いない。

そんな中、ダーちゃんだけが泣いていた。
顔をくしゃくしゃにして号泣のダーちゃん。

隣にいた友達に「ダーちゃん、泣いてるで。」と話しかけた。友達は一言「ホッとしたんちゃう?あの人だけ3年間ずっと見てくれてたから」と返してくれた。

式の後、ダーちゃんは、生意気な不良もうるさい陽キャも、僕みたいな目立たないタイプの生徒にも「おめでとう!高校頑張れよ!」と声をかけていた。

異常な中学やったけど、いい先生もいてくれてよかった。

真心というか、愛ある先生やった。
てか、カッコいいハゲやった。
ええハゲに出会ったもんやで。

***

高校生になってから、一度だけサッカー部のOB戦で中学校にお邪魔した時、ダーちゃんに挨拶した。

ダ「よよ〜!元気してるか〜!頑張ってるか〜!」
ダーちゃんは数学の先生だよ

昔と変わらない、ニシャっとした笑顔。
変わったことといえば、僕らの時と比べて、明らかにダーちゃんの毛に生気が戻ったところか。心なしか毛量も復活しているような。。。

・・・

「その節はバカな学年ですみませんでした。」

僕は心の中でそう呟かざるを得なかった。


・こぼれ話 〜卒業式〜

昨日今日と学校や園の近所を通りかかると、卒業式帰りの子供達や親御さんをよく見かけた。卒業式のネタ書こうと思って、筆を取った次第です。いろいろと書きたいネタあるんですが、あえてダーちゃんの話にしました。少しずつ、ダーちゃんの年に近づきつつある。今の俺が、あの中学に赴任したとして、ダーちゃんのように振る舞えるかな。。。
そんなことをふと考える。


・最後に一曲

めぐるめぐる♪かぜ〜♪


・おわりのことば

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