自由には、ホンモノとニセモノがあるのかな?って話。
お金は人を狂わす。
人を自由にさせる力がある。
ただの紙切れなのに。
お金で得た自由は、本当の自由なのか。
はたまた虚構でしかないのか。
いや、ちょっと待て。
本物の自由とは?
偽物の自由とは?
お金があっても、自由に生きれない人もいる。したいことや想像力、行動力、今の自分からはみ出す勇気がなければ、お金を自由に使いこなせない。
いや、そうでもないか。
その生き方を自ら選んでいる場合もある。
現状から無理にはみ出さなくとも、今の自分が好きなのであれば、その状態こそが自由なのかもしれない。
少なくとも他人に迷惑をかけて、好き勝手することは自由ではない。自由にもルールがある。型があってこその自由だ。
お金の使い方に、善悪はない。明確な正解はない。ただし、お金を手に入れる手段には、ルールがある。型がある。そこを見誤ってはいけない。
綺麗な金、汚いお金と分けられることもある。今使っているお金は、他人に堂々といえる手段で手に入れたお金かどうかが重要になる。
忘れてはいけない。
所詮、お金は紙切れ。
お金を手に入れて、自由を手に入れた気になっているかもしれない。しかし、そんな偽物の自由は、いつかなくなる。
地に足をつけて生きている人からみれば、虚構を彷徨っているみじめな人間にうつってみえることだろう。
***
宮沢りえ演じる主人公・梨花は、見る目がなさすぎる。自分自身が作った虚構を信じすぎる傾向がある。
思考の癖なのだと思う。自分のしていることが間違ってないと思ってしまう癖。自分の考えが正しいと思ってしまう癖。
仕事が出来ず、遊んでばかりいると思っていた若手社員は、ちゃっかり公務員と結婚して寿退社。エロジジイだと思っていた年配のお客さんは、全くそんなことなくて、ちゃんとした人だった。
その事実を知ったとき、梅澤は「え?まじ?そうだったの?」といった具合に困惑する。
表面だけの情報で自分勝手に他人のイメージ(虚構)をつくりあげてしまう。そして、それを信じすぎてしまう。自分の都合がいいように解釈しがちの主人公のみじめさたるや。
虚構の中でしか、自分のアイデンティティを保つことができない主人公。お金を浪費し、次第にエスカレートしていく姿は、分かっているけどやめられない怖さがあった。
彼女自身も自分が謳歌していた自由は、ニセモノであることは、頭では理解している。しかし、横領に手を染める前のホンモノの自分のみじめさから、目を背けるために必死だったのだろう。
・こぼれ話
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