代々木 巡

創作用アカウント。 週刊少年マガジン原作大賞奨励賞。お読みいただきありがとうございます。

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「亡失のイグニスタ」あらすじ

第1話:https://note.com/yoyogiaccount/n/n8261c5e23504 第2話:https://note.com/yoyogiaccount/n/n52982886f56e 第3話:https://note.com/yoyogiaccount/n/n36d9e64648b2

    • 「亡失のイグニスタ」第3話

      その少年を、ミスティは「ギース……」と呼んだ。 鋭い雰囲気を漂わせた少年。 切れ長の瞳は威圧的で、強い精神力が漲っている。 ギースは、ぎらついた目で千里を見た。 「何だこいつは」 「ついさっきイグニスになった子。成体ウィスプを吸収したの」 ミスティの言葉に、ギースは「成体ウィスプだと?」と目を見張った。 千里は、ギースの眼前に迫り、こう言った。 「明美ちゃんに謝ってほしい」 見ると、明美は呆然と自動車の下を見つめていた。 飼い犬の生まれ変わり(と信じていたウィス

      • 「亡失のイグニスタ」第2話

        イヨを吸収した千里。 覚束なく拳を握って構えるが、ミスティは「待って!」と静止した。 「私はウィスプを倒すために戦ってるの。ウィスプがいなくなった今、あなたと戦う理由はない」 「どういうことだ? そのウィスプというのは一体何なんだ?」 「本当に何も知らずにあのウィスプと一緒にいたのね」 ミスティは、自分の持つ情報を千里に開示することにした。 「私はミスティ。アンダーカバーに所属するイグニスの討伐員よ」 「イグニス? アンダーカバー?」 千里には聞き慣れない言葉だった。

        • 「亡失のイグニスタ」第1話

          7年前、とある山奥のひっそりとした集落が、一夜にして壊滅した。 住民が一人残らず、何者かによって殺害されたのだ。 事件はすっかり日の沈んだ時刻に起こった。 道端で男が突如、まるで誰かに刺されたかのように、腹から血を流して倒れたのだ。 周囲には刃物を持った人などいなかった。 通行人が男の傍に集まってくる。 そのとき、別の女が呻き声を上げて倒れた。 背中に大きな切り傷が生まれていた。 集落は阿鼻叫喚の嵐だった。 姿の見えない何者かが住民を殺して回っている。 住民は口々に叫ん

        「亡失のイグニスタ」あらすじ