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Paranoid (Black Sabbath) #私を構成する42枚 より

#私を構成する42枚
より3枚目の紹介はBlack Sabbathの2nd『Paranoid』です。

私の洋楽入門にして最も影響力のある作品であり、バンドでもあるのがこの『Paranoid』であり、Black Sabbathです。

私が洋楽沼に足を踏み入れたのは高校3年です。
ギターを始めたのは中学3年ですので、意外と遅かったかもしれません。
高校3年のときのクラスメイトに教えてもらったのがきっかけです。

その時に借りたアルバムの1枚がこの『Paranoid』で、当然ながらリアタイの作品ではありません。1970年の作品ですからね。
このクラスメイトとはのちに一度だけライブをすることになります。
メインはBlack Sabbathのコピーで、『Paranoid』からは「War Pigs」「Paranoid」を演奏しました。
ちなみにそれ以外の曲はBlack Sabbathからは「Children of the grave」「Black Sabbath」、NIRVANAの「Smells Like Teen Spirit」、Scorpionsの「Virgin killer」でした。

この Black Sabbathというバンドはフロントマンであるオジー・オズボーンの脱退後、様式美ヘヴィメタル路線へ変更し、Rainbowで世に出たロニー・ジェイムズ・ディオをボーカルに迎えて第2期も成功を収め、ロニー脱退後もトニー・マーティンという器用なボーカリストを迎え、オジーとロニーのどちらの曲も卒なくこなして存続します。

私はトニーのライブを一度、ロニー復活の際に一度ライブを観ています。
オジーはソロで一度です。

話が逸れましたが、『Paranoid』は1stの路線をよりキャッチーにコンパクトにしたことでまとまりが良くなっていると思います。

タイトルトラックの「Paranoid」は3分弱で、とても単純な作りであるにもかかわらず、自然と頭を振りたくなる衝動に駆られる、ある意味でクラブ系音楽ではないかと思わせるノリで、彼らの記念碑的作品です。
Megadethがカバーしていますが、彼らのスタイルとマッチしていて秀逸です。

そして後半の大合唱はオジーのソロでも引き継がれる「War Pigs」は逆に8分もありますが、強烈なリフと曲展開でまったく長さを感じさせません。
先のクラスメイトはこの「War Pigs」を一番やりたかったみたいです。

有名な曲以外もすべて秀逸な作品です。
それはおそらくグルーブ感かと思います。
ギーザーとビルのリズム体はかなり重要です。
リフが生きるか死ぬかはリズム体に掛かっています。
その辺りが見事にマッチしているので、このアルバムは今聴いても生き生きとしています。

捨て曲無しの名盤なのは言うまでもありませんが、オジー時代の一つの完成形がここにあります。
これ以降の

『マスター・オブ・リアリティ』 - Master of Reality(1971年)
『ブラック・サバス4』 - Black Sabbath Vol.4(1972年)
『血まみれの安息日』 - Sabbath Bloody Sabbath(1973年)
『サボタージュ』 - Sabotage(1975年)

はどれも良い作品ですが、『Paranoid』を超えるグルーブは感じられません。
それは『Paranoid』の成功により、Black SabbathがBlack Sabbathを演じる必要が出てきてしまったからだと思います。
どのバンドでもあることですが、成功作品によってそれに縛られてしまう現象です。

それゆえに、ロニーを入れた2期はまた素晴らしいものが作れたと思います。
その作品『Heaven and Hell』は42枚の中に入れていますのでそれについてはまた。


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