雨を聴くフクロウ|シロクマ文芸部
雨を聴くフクロウは森の中
目を閉じて耳をすましている
雨音は連続した音楽のようだが
雨の雫 ひと雫の中に物語があり
フクロウはゆっくりと
ページをめくるように
途方もない時間をかけて聴いていた
そこにある 今 の連続
不連続な感情が降り注いだ
雫は音
雫は声
雫は叫び
雫は笑い
雫は遠吠え
雫は行くあてのない 独り言
遠くの誰かが心に閉じ込めた声を
深い森の奥のフクロウは聴く
共に笑い 微笑み 頷き
うつむき 宇宙(そら)を仰ぎ
時に泣き 時に叫ぶ
フクロウの心は君と共にある
大丈夫 君は大丈夫
フクロウは祈る
君の声を聴く
君の叫びを
フクロウは
森の奥で
ずっと待っている
(おわり)
♠️#シロクマ文芸部 に参加させていただきました!
「雨を聴く」楽しかったです!
ありがとうございました!
そろそろ梅雨ですね。
傘を開く音は鳥が翼を広げる音に似ているので、雨に立ち向かう時は、バサッと翼を広げて颯爽と飛ぶように、そんな気持ちで今年の梅雨を乗り切ろうと思います…!
ありがとうございました。
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