やうやう 創刊号 vol.1 マンガレコメンド

ザ・ファブル
南 勝久「ザ・ファブル」講談社
存在するのかしないのか?伝説と呼ばれる殺し屋が一年間普通の人間の暮らしをしろと命令されるが、裏の社会がそれを許さない。 人を殺すためだけに育てられた殺し屋界の「最高傑作」。どんな相手でも6秒以内に殺すと恐れられるが、普段は天然とも言える世間知らずでお笑い好き。ギャップ萌えがたまらない、その名も誰が呼んだか「ファブル」(寓話)。息を飲む圧巻の殺人のシーン以外も個性溢れるキャラクター満載で楽しめる。ちなみに作中で志布志の焼酎「若潮」が愛飲されてるのも見どころのひとつ!

Sunny
漫画のアカデミー賞といわれる「アイズナー賞」を『ルーヴルの猫』で受賞した松本大洋。同賞は、2008年『鉄コン筋クリート』につづき二度目。過去に同賞を複数回受賞した日本人作家は、手塚治虫、水木しげる、浦沢直樹、小池一夫、大友克洋という錚々たる作家で、松本大洋は6人目となる快挙。その松本大洋の代表作の一つ「SUNNY」 ファンタジーやスポーツ、歴史ものにギャングものまでさまざまな作風がある作者だが、この作品はその中でも独特の作品になっている。それは作者の少年時代の児童養護施設での体験から描かれている自伝的物語であることからくる。もちろん話すべてが実話ではないだろう。例えば、第一話での児童養護施設の三人の子供が、車の中で話すシーンは、ひとりが家までの帰る道順を話していたら、松本いわく、現実では三人とも泣いたらしい。≪マンガ家再入門(中川いさみ)より≫(これを書きながら、今そのシーンを読み直していても私も涙が出てきました。) このように(ただ、現実を描いているのではなく)ドラマの演出と構成がすばらしく、マンガとかは関係なく、物語として読むにあたいする作品。この物語のなかに生きる、ハルオやせいにじゅんすけのことを想うためにもぜひ読んでほしい作品。

ハンターハンター
冨樫義博 「HUNTER×HUNTER』(ハンター×ハンター)
現在も少年ジャンプで連載中?の超人気作品。(?)と書いたのは、作者がゲームばかりやって全然描いてないというネットの噂もあるが、同期のマンガ家の山田玲司いわく「腰痛で椅子に座れずに、ひどいときは寝ながら描いてるくらい、つくるのに苦しんでる」作品。読んだ人ならわかると思うが、登場する多くの魅力的すぎるキャラ!複雑で重厚なストーリー!!緻密かつ大胆な展開!!!とりあえず、神っっ!!!!神っっ!!!!神っっ!!!! あ、すみません。好きすぎて冷静になれませんでした。 例えるなら、マンガ界の「カラマーゾフの兄弟」と私は思っている。まんざら冗談でもなくて、作者は父と子の話を随所に出してくるし、(暗黒大陸ではその先の祖父まで言及)そういう視点から見ると、ヒソカはスメルジャコフ的私生児という展開もあると密かに思っている。(ヒソカだけに) あと、何と言っても「カラマーゾフの兄弟」と同じように、作者が生きている間に完結しないというのも十分にありえる・・・。冨樫先生!がんばってください!!!


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