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いいGWでしたよ

  今日はいい天気だった。2022年5月6日金曜日晴れ最高気温26℃。サービス業をしている僕にとってゴールデンウイークは繫忙期だ。そのゴールデンウイーク中の数少ないお休み。きっといい1日になる。朝起きて今日やることを確認する。まず、朝のうちに混み合う前の病院で事務手続きを終える。ロードバイクで片道10キロほど先にある二郎へ行く。帰ってきたら14時くらい、そのあとは転職したい企業の詳細の調査をする。そういう予定だった。でもうまくいかなかった。

病院での事務手続きはスムーズだった。診断書を書いてもらう申請をしに行ったのだが、すべてスムーズだった。人は少なく、窓口の女性も丁寧に対応してくれた。
 さぁ、次は二郎を食べに行くぞとロードバイクを漕ぎ出す。ロンTを着て行ったが少し暑かった。しかしそれくらいのことは気にならない。しばらく行くと後輪がガタガタ音を立てた。大体何が起きたか想像がついた。確認するとやはりパンクだった。しかも今日に限ってパンク修理の道具を忘れてきた。近くの自転車屋を探すしかない。3km先にある。本来のルートからは外れるけれど、そこに行くしか道はない。30分ほど歩いてやっと着いた。タイヤレバーと小型空気入れを買う。チューブは持っていた。約3500円の不必要な出費をしてしまった。お金ないのに。
 タイヤ交換を終え、再び二郎を目指す。しかしルートを変えたせいで道が分からない。遠回りをした上に細い路地を行かないといけないようだ。そして案の定道に迷った。気持ちよく坂を下った後、間違いに気づきその坂を上る。川を渡ることができずに川に沿って目的地から離れる。散々だった。
 その後二郎に着いて美味しくラーメンを頂き、帰路についた。家に着くと16時だった。もう家事をしなければならない時間だとおもうと気が滅入った。ソファに座ると寝てしまい、気づけば20時だった。

 散々な1日だったように思えた。そんな1日だったけれどなんだかうれしい気持ちになることもあった。帰り道、やっとのことで着いたお店でカロリー爆弾を食らった僕の頭はボーっとしていてどこか空しい気持ちだった。これが俺のゴールデンウイークでいいのかと考えながらロードバイクを漕いだ。ロードバイクのスピードコンピューターの上に小さな虫がとまった。手で払うのも億劫でそのまま走り続けた。結局4㎞ほど、時間にして15分ぐらい、その虫は僕と走った。ずっとひとりで走っていたけれどその小さな虫がいてくれたことで、少なくともその時間はひとりじゃなかった。植物が鳥に種子を運んでもらうように、僕はその小さな虫を運んだ。社会に忙殺されていた僕の生活が少しだけ自然の中に組み込まれた気がしてうれしかった。

 20時、何もする気が起きなかった。クロックスを履いて近くのスーパーマーケットへ行った。切らしていたゴミ袋と58円のガリガリ君を買った。ガリガリ君は2本買ってやった。ソーダ味と九州みかん味。どうだこれが大人だぞ、おりゃあ。といっても116円なんだけれどね。
 幸せはいつも小さなことでできているとはこういうことなのかもしれない。ありきたりな感想だけれどもきっとこれは悪くないゴールデンウイークの過ごし方だったと思う。


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