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精神と時の部屋@箱根 で修行してきました (宿泊型認定スクラムマスター研修参加レポ)

9/21(水)〜23(金)、Attractor主催の認定スクラムマスター(CSM)研修を受けてきました。

帰宅後の土日でこの記事が書けるだろうと思っていたのですが、予想以上に体力の消耗が激しくて少し時間が空いてしまいました。むしろ土日がなかったら翌週仕事にならなかったかもしれない……
試験そのものは受験済みで、無事合格しています。心なしか周りからの扱いも「スクラムチョット詳しい人」から「スクラムマスター」に変わったようで、身が引き締まる思いです。

参加した背景

Scrum Fest Osaka 2020 でアジャイルとスクラムの魅力に目覚めた私は、自社内でも関連書籍の輪読会に参加したり、自ら勉強会を開催しました。今ではすっかり社内のスクラムマスターコミュニティの古株です。

このコミュニティで他部署からスクラム導入の相談を受ける機会も増えました。私も時々アドバイスをしているのですが、本業がスクラムマスターではない自分があれこれ教えていいものか……と少しモヤモヤしていました。
CSMをいずれ取得したいと思っていたのは、自分がスクラムマスターの役割を担えるほどの理解を得ているかを明確にして自信をつけたかったからというのが理由のひとつです。

いずれ取得したい、でも今ではないかもしれない、とぐずぐずしていた自分の背中を押したのがこの宿泊型研修の募集でした。
昨今の情勢的にオンライン研修が大多数となった今、オフラインで3日間スクラム漬けになれる機会というのは貴重です。本気度の高い参加者が多く集まって、充実した研修になりそうな予感がしました。また Scrum Fest Niigata に現地参加したとき の、Face to Face でスクラムについて語り合えた楽しさも忘れられません。

これは何かの巡り合わせかもしれない。こうして自分は参加の申し込みをしたのでした。

非日常的な空間で

新宿から特急バスで約2時間、正午より少し前にライムリゾート箱根に到着。

中庭に明るい日差しが差し込む、おしゃれで静かな合宿所です。
非日常的な箱根の、さらに非日常的な空間での3日間が始まりました。

Kiroさんのお話は面白い!

1日目は座学がメインです。
なぜアジャイルで開発するのか、スクラムでは何が行われるのか、何が作成されるのか。これまで複数の書籍で学んできたことが頭の中で整理されていきました。
既に業務でスクラムを実践している参加者は全体の半数ほど。そのため、質問もかなり込み入った内容のものが次々と出てきました。
そしてそのいくつかは私の中では既に答えが見えているものもあり、改めて今所属しているチームの練度の高さを感じました。私たちはやっぱりうまくやれているかもしれない。

個室の露天風呂があるお部屋でした。すごい。

2日目は各チームに分かれての演習です。短時間で2Sprint分のスクラムイベントを行いました。
プロダクトビジョンやプロダクトゴールから考えるのは初めてだったので、最初は少し戸惑いました。そして1Sprint目のスプリントレビューでビジョンやターゲット設定の曖昧さが浮き彫りになり、かなり苦い思いをしました。

ひと通りスクラムイベントを体験してみるだけというものではなく、ビジネスとして成立するのか、生き残れるプロダクトになるのかを真剣に考えるワークショップでした。2Sprint目の終わりはもうみんなヘロヘロです。

チームワークばっちり!な チーム「肉寿し」でした

休憩時間も食事中も、ずっと参加者のみなさんとスクラムについて語りました。職場で抱えている課題、参加したことのあるカンファレンスの思い出、スクラムマスターって結局どうあればいいんだろう?などなど。
講師のKiroさんとも深夜0時までお話することができて、本当に貴重な時間を過ごすことができました。

印象的な言葉たち

ここで、3日間の中で印象に残った話をいくつかピックアップします。

フロー状態になりすぎないように気をつけよう。
集中はできているけど、向こうみずになってしまうから。
適切に休息をとれるように配慮するのもスクラムマスターの役目だ。

予定より早く終わったっていい。開発者がヒマになったっていい。
ヒマになった開発者は、自らプロセス改善に取り組み始めたり、他の開発者の作業を見て学び始めるから。
時間を余らせないようにバックログを詰め込みすぎるのはやめよう。

もっと時間があればいいものが作れるのに、と思うかもしれない。でも時間を伸ばしたところで大抵はうまくいかないものだ。
POや開発者の「もっと時間がほしい」という要求をなだめて、早くデモを披露できる場に持っていくのがスクラムマスターの役目。
早く見せることで、自分たちが作ったものの当たり外れに早く気付けるのだから。

仕事が楽しいというのは大事なことだ。
楽しいと、怖いことにも立ち向かえるから。

「成熟」って何だろう?
それは「安定して、死に近づいている」ということではないだろうか?
それだったら、暴れん坊のままでいい。ずっと young organization のままでいい。

スクラムマスターにとって、大事なことは3つ。
1. ちゃんと寝ろ。壊れたスクラムマスターは役に立たない。
2. 助けを呼ぶプロになろう。何でも自分でやろうとしない。
3. 明るい人でいよう。困ったときに話しかけやすい人になろう。

そして日常へ

3日目、前日のふりかえりを含めたワークとクロージングを経て、私たちは帰路につきました。

君たちはすごく集中しているからすごく疲れているはずだ、と前日から言われていたのですが、それを自覚したのは帰宅途中のことでした。
もしオンラインでの受講だったらこれほどまでに集中できたかわかりません。研修時間外は業務の連絡に気を取られて、日常から完全には抜け出せなかったかもしれません。

この研修が人生のターニングポイントになったと、後からふりかえって感じられるような活躍がこれからできたらと思っています。
ちなみに現在、「ちゃんと寝ろ」だけ まだうまく実践できていません(苦笑)。

最後に、このような素晴らしい研修を開催してくださった Attractor の講師の皆さま、気さくに話しかけてくださった参加者の皆さま、本当にありがとうございました。
またどこかで再開できますように!

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