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白庭ヨウと

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今の私を作った素敵な人々事々について書きました。かなり私的な記事なので気になった方のみご覧ください。
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2020年4月の記事一覧

そのレスキューは再出動が織り込み済み

そのレスキューは再出動が織り込み済み

前置き 山や海で遭難した人々は一度救出されれば二度と同じ失敗は繰り返さない。死にかける経験なんてほとんどの人はまっぴらごめんだ。
 だが、心は違うらしい。そのレスキューは一度の救出で出番を終えることがほとんどない。再出動、再々出動、それ以上だって当然のように必要だ。破片まで拾えないからなのか、レスキュー隊に恋をしてしまうからなのか、落ちた瞬間に閃く快感のせいなのか、それともそれ以外か。
 私が落ち

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井の中の蛙大海へ

井の中の蛙大海へ

前置き どう生きていくのか、それは数え切れぬほどたくさんあるけれど、私はそのほとんどを知らなかった。今もその無知から完全に抜け出しきれていないが、無知だと知れたことは私の人生の大きな転換点だと言って間違いない。ソクラテスの問答は今なお有効に外、そして内への扉を開いてくれる。

天才 彼のことは蔵氏と呼ぼう。彼は自らを「天才」と呼んではばからない。そしてそれは嘘ではなくましてや強がりでもない。一種お

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愛はそこにあるのかもしれない

愛はそこにあるのかもしれない

前置き 生きていくうえで大切な繋がりというものがあると思う。家族、恋人、親友、同僚、同じ趣味を持つ仲間……。私にとってその繋がりの一つに家族以外の人間がいることはかけがえのないことである。その一人を紹介したい。

R・H 彼はたぶん頭があまり良くない。しばしば彼とメッセージアプリで言葉をやり取りするのだが誤字脱字は当たり前、たまには何を書いているのかこちらから質問しなくてはならない。非常に手間がか

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嘘から出た真

嘘から出た真

前置き つい数日前の3月31日、私の恩師の一人であるT先生が定年退職した。教員として働いた年月は30年を超えるという。私が生まれる前から一つの仕事に取り組んできたということに驚き感心してしまう。しかも教育という最も変化と多彩な世界の中で、である。その月日と関わってきた数多くの生徒のうちほんの一人に過ぎない私、僭越ながら感謝しお疲れさまでしたと申し上げたい。

T先生 女性としては高身長で、大きな目

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