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パン屋を開業したいと思った時にまず調べる事

おかげさまで12/12に旧店舗を閉店しまして、現在は新店舗への移転の準備をしております。久しぶりに時間に追われる仕事から解放されていて、だらだらしてしまうのが難点です。

パン屋さんを開業したい人から連絡をいただいてZOOMで相談を受ける機会が多いのですが、比較的地方の人が多く、業界経験があまり無い人が多いので、今日はそういう人に向けていつも話している話を書きます。

配送圏内の問屋さんを探す

まず1点目は開店予定地に配送に来れる問屋さんがあるかをまず調べるという事です。

問屋さんというのは、メーカーから材料を仕入れて保管して、各店舗に配送してくれる業者さんのことです。

うちに配送に来てくれている問屋さんを見学した時の動画も以前作りましたので、良かったらご覧ください。(わざわざ問屋さんに出向くパン屋さんも少ないので、パン屋さんからも面白かったと言われる動画です)

僕は都内でしか仕事をしたことがないので地方の状況はよく分からないのですが、基本的にパン屋さんがある場所でしたら問屋さんが配送圏内のどこかにあるはずなので、調べてみると見つかるケースがあります。

まずは調べて、良さそうなところがあったら連絡してみて、配送圏内かどうか、開業したいのだが相談に乗れないか、ということを聞いてみてください。

気をつけなければいけないのが、問屋さんも配送の手間や人件費、材料保管のための手間や家賃がありますので、配送量があまりにも少ないと契約に至りません。問屋さんと交渉する場合は、ちゃんと相手の利益も考えながら相談するようにしないと嫌われてしまいます。(問屋さんが少ない地域で嫌われると営業が難しくなります)

問屋さんが見つからない場合

残念ながら問屋さんが見つからなかったり、販売量が少なくて配送を断られてしまうケースもあります。

その場合に利用するのが、ママパン、cotta、Amazonなどのマーケットプレイスです。

自宅改装型のパン屋さんでcottaさんを利用している所もあります。(個人事業主でも法人契約みたいな、ちょっと安く仕入れる契約も利用出来るそうです)

これなら基本的には宅急便が配送可能な地域では営業が可能になりますが、どうしても問屋さんと比べると原価が高くなりがちなので、少し苦しい経営を強いられる事になります。(ただし自宅改装型の店舗の場合は住居と家賃が同じなので、トータルで考えるとケースバイケースです)

保健所に相談する

問屋さん探しと並行して、内外装の費用の見積もりを取るために保健所に行って、開店予定のテナントにどれだけ工事をすれば開業できるかを調べます。

今まではパン屋さんというのは基本的に「菓子製造業」と「飲食店」の二つの営業許可証を取る必要がありましたが、2021年の6月に改定されました。

僕はそこまで細かい所までは詳しくないですが、今までの飲食店の営業許可証のハードルとほとんど変わらないので、一般的なパン屋さんをやりたい人から見るとあまり影響が無いという認識です。(許可証が1個で良くなったので良い事だと捉えてます)

パン屋さん経験が無い人の場合、大体ではありますが以下の点を押さえておく必要があります。

  • 業務用オーブンの上部にはフードとダクトを設置しなければいけない

  • シンクにはグリストラップを設置する

  • 厨房の床は掃除がしやすい素材を使用する

  • トイレと厨房を直結させてはいけない(前室が必要)

  • トイレの前室、厨房に手洗い器を設置しなければいけない(洗い物のシンクとは別)

  • シンクは2層シンクが必要(食洗機は1層と数えることが可能)

大体これくらいでしょうか。ただ、細かいところは保健所や担当の職員さんによって変わってきます。色んな人に色んな話を聞きますがここは運の要素が大きく、稀ですが相談後に設計して、図面とスケジュールが上がった段階で後出しで厳しく言われるケースも聞きます。

工務店さんは2件以上探す

施工をお願いする工務店さんは、出来れば2件以上相談するのが良いと思います。相見積もりも取れますし、それぞれの過去の施工事例を聞いたりすることも出来ます。

それと工務店さんは、基本的にはなるべく自分達の仕事を増やして売上は上げたいと考えているので、可能な範囲をDIYなどでまかなう場合は、最終的にその辺もちゃんと相談できる工務店さんを選べると良いと思います。

移転の動向をYouTubeでも公開しています

かくいう僕も新しい店舗の準備をしております。YouTubeに進捗も載せて解説したりしてますので、興味のある方はご覧ください。旧店舗の厨房ツアーも参考になるかもしれません。

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