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高校生が自分の経験から語る:人種差別問題 〜何故我々は黙ってはいけないのか (オピニオン)

こんにちは、ナミです。最近ニュースではアメリカで黒人が警察官に殺された事件が発端となり、アメリカや世界各国で行われているデモが報道されています。海外では私の友達から有名人などあらゆる人が人種差別問題に対して情報を発信したり、デモに参加している中、日本で声をあげる人が少ない事にがっかりしました。人種差別は日本を含め、世界各国で起きています。自分の海外生活の経験を含めながら、高校生の私が人種差別問題に対して考える事を書いてみました。このオピニオンを一つの意見として読んでもらえば幸いです。

人種差別とは何か

人種差別について語る前にまず人種差別の定義を知る事が大切です。一般的には「人種的・民族的偏見による社会的・経済的・法的な差別」と定義づけられています。1969年の国連総会で「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約」が施行された事で、人種差別は撤廃されるはずでした(日本は1995年に加入)。ですが、いまだに世界各国で人種差別は続いています

自分の経験:アメリカ、ドイツ、イギリスに住んだ事がありますが、その全ての国で差別の経験はあります。サッカーの試合中に「ching chong」などと罵倒されたり、「生まれた国へ帰れ」と近所の男の子に言われたり、コロナが流行り始めた頃に地下鉄で嫌な目で見られるなど。自分が受けた差別は海外でアジア人が受ける差別に比べるといい方だと思いますが、だからといって差別が許されるものではありません。差別された時の私の気持ちは本当に言葉に表せない程、辛く、悔しいものです。

なぜ今デモが行われているのか?

デモの発端となったのは、5月25日にミネソタ州ミネアポリスでジョージ・フロイド氏が白人警官に首を圧迫されて死亡したことでした。その時撮られた動画を見た人達は分かると思いますが、見るのが本当に辛い動画です。フロイド氏は武器などを所持しておらず、"I can't breathe" (息が出来ない)と言ったのにも関わらず、8分46秒間の間、警官によって地面に押さえつけられました。警官として容赦できる行為では無いからこそ、人種に関係なく多くの人が批判し、デモに参加しました。しかし、黒人が警察によって殺されたのはこれで初めてではありません(他の例はBreonna Taylor, Eric Garner, Philando Castile, Tamir Rice など。本当の数は分かりませんが)

黒人に対する警察暴力の背景にあるのが黒人に対する偏見や差別です。「黒人は犯罪者」などの偏見が未だに存在しているからこそ、罪の無い黒人が殺されている事件はアメリカで今なお起きています。この社会を変える為に2013年に出来たのがアフリカ系アメリカ人のコミュニティによって黒人に対する暴力や構造的な人種差別の撤廃を訴える、#BlackLivesMatter です。

現在、#BlackLivesMatter などで声を挙げたり、デモに参加する人は多いです。ですが、考えてみてください。最初に黒人が奴隷としてアメリカに到着したのが1619年です。奴隷制度が廃止されたのが1865年。公民権法(Civil Rights Act)が制定されたのが1964年40年以上も前に法の上での人種差別は終わりましたが、実際には400年もたった今黒人に対する偏見や差別が根強く社会に残っています。また、コロナウイルスの流行で明らかになったのは、黒人やマイノリティーの感染確率や死亡確率が白人に比べると非常に高い事です。その理由は貧困に関連した基礎疾患からくる過度な影響、医療における差別、さらに黒人やマイノリティーの多くが自宅以外で仕事をせざるを得ない事など色々あります。どれもが長年の偏見・人種差別の結果引き起こされたものばかりです。このように長年の差別が未だに黒人やマイノリティーの人たちに悪影響を与えている事が再確認され、怒りや不満に思っている人達が世界各国いるからこそ、今デモに参加する人が多いと思います。

人種差別問題は日本人に関係ない話ではない

「人種差別問題はアメリカで起きている事だから、日本にいる自分には関係ない」や「日本に差別は無い」などと思うのは大きな間違えです。人種差別は日本でもアメリカでも世界各国で起こりますし、日本でも差別はあります。確かに、日本では外国人の数は非常に少なく、日本で人種差別を経験する人は少ないと思います。しかし、人口の大多数が人種差別を経験していないからといって、日本に偏見や人種差別がないということではありません。日本に住む外国人に聞けば、偏見を感じたり、差別を受けた事がある人はいるでしょう。人種差別問題は差別を受けた事がないから、「知らなかった」と言って済まされる問題ではありません。日本に住む外国人労働者も増え、少しずつ多様性のある社会になっていく中、どのように偏見や人種差別問題に取り組むのかが鍵となります。今から社会一丸となってこの問題に取り組めば、アメリカみたいに深刻になることはありません。ですが、「日本に差別は無い」と差別の存在を否定し続ける事は問題の解決になりません。偏見や人種差別の撲滅の第一歩は日本で偏見・差別があると認識するところから始まると思います

自分の考え:#BlackLivesMatter をみて違和感を感じる日本人は多少いると思います。黒人に対する差別の撲滅を訴えているのに、何故アジア人に対する差別の撲滅は訴えないのかと。ですが、両者とも根本的に訴えている事は同じなんです。それとは社会やシステムの改革です。アジア人に対してコロナウイルスを広めたという偏見を持ち、平気で嫌がらせや暴行をする社会は、黒人が正当な理由も無く警官によって殺される同じ社会です。黒人もアジア人も今の社会やシステムを変えたいという思いがあるからこそ、マイノリティーとしてお互いの活動を支持するのは非常に大切だと思います。

今私たちにできる事

どの問題においても、1番やってはいけない事は何にもやらない事です。これまで人々が人種差別問題に目を背けたり、沈黙した事によって人種差別がいまだに続いています。私達ができる最低限の事は人種差別問題について自分を教育する事です。人種差別問題は居心地の悪いトピックです。ですが、これほど深刻な問題を「知らなかった」と言って済まされる問題ではありません。残念ながら私達日本人は海外に出たら差別される側の人間です。ですから、何故差別は起こるのか、何を差別と捉えるのか、またどのように対応すればいいか、などの事に関して自分を教育することで損する事はありません。そして、自分の意見をもつことだったり、友達とこのトピックについて話したり、他の人に積極的に情報を発信するのも大切です。ですが、人種差別問題に対して無視や沈黙する事はそれを肯定や加担することと同じだと私は思います。

他にできる事は請願書の署名デモに参加したり(この御時世では少し難しいと思いますが)、人種差別の撤廃を訴える団体に寄付するなど。そして人種差別問題に関して周りの認識を高める為にこのトピックに関する情報をシェアし続けるのが大切です。将来、貴方や他の人が差別を受けない為にも、人種差別撲滅を訴え、声を挙げ続けないといけません。

私がやっている事:個人的には請願書の署名したり、人種差別問題(特に黒人への)について自分を教育したりしています。また、これからはツイッター(@Youth18Politics)で人種差別問題について周りの認識を高める為にもっと積極的に情報を発信していきたいと思います。

最後に:
色々長くなって誤字脱字が多いと思いますが、少しでも読んで頂けたのなら嬉しいです。質問などあればツイッターのDM(@Youth18Politics)で直接
お願いします。

このトピックについてもっと知りたい方へ

(Black Lives Matter の意味と何故黒人が警察によって殺害され、アメリカでは大抵の場合罪を問われないのか)

ビデオ:

(乙武洋匡さんによる、#BlackLivesMatter の解説)

(インフルエンサーによる人種差別問題について私達に出来る事とは)

(在米日本人が見るアメリカの差別と抗議デモ)

(再生回数でえた広告収入の100%は抗議者の保釈金を提供し、家族の葬式の支払いを支援し、動画の冒頭に掲げられている擁護団体に寄付されます )

ネット請願書:

(フリーマン氏とミネアポリスのジェイコブ・フレイ市長に告訴を求める)

(テイラーさんを射殺した警察の起訴の要求)

人種差別と抗議の歴史について自分自身を教育するために鑑賞する映画

・13th、American Son、See you Yesterday、 Dear White People (Netflix)
・If Beale Street Could Talk、The Hate U Give (Hulu)
・Just Mercy、Green Book、Clemency、Selma、I am not your negro

など

寄付:

(ジョージ・フロイド記念基金に寄付)

(Black Lives Matterに寄付)

(NAACP(人種的偏見と差別の撤廃、非白人の社会的・経済的地位向上のための活動を行う団体)に寄付)

(他に寄付できる団体のリスト)

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