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新護憲神奈川 主体的平和戦略⑦

<自衛隊の縮小と日米安保解消 — 自衛隊削減の具体的施策と防災省創設の構想>  ソ連が崩壊し、冷戦構造が終焉した直後、北海道・東北方面の自衛隊は削減あるいは撤退してもいいのではないか、という議論があった。元自衛隊員だった人からも、そういう意見が内部にあると聞いた。  現在軍事評論家の小西誠さんは、自衛隊内部に、兵力を南方へ移動させる動きが出始めたことを、私に直接教えてくれた。 あの時以降、彼が言ったように、厚木・岩国・佐世保・沖縄などへの兵力移動が始まり、今日の南西諸島

    • 新護憲神奈川 主体的平和戦略 ⑥

      〈日米安保条約10条を踏まえて、米軍の日本からの段階的撤退と中国・朝鮮民主主義人民共和国・ロシアそしてアジア諸国との外交関係改善を目指して!〉 日米安保条約の本質とその今日的状況 米軍基地が日本にあるのは、日本を守るためだ、と臆面もなく言う人がいる。 そういう建て前を多くの日本人に納得させるのも重要なプロパガンダであろう。それに加担してきた政治家・評論家・マスコミ関係者が如何に多かったことか! 端的に言って、アメリカは、その世界戦略のために、戦勝国として日本を十二分に活

      • 新護憲神奈川 主体的平和戦略 ⑤   

        日米関係の改善・日本の専守防衛の徹底と主体的主張の重要性                            松原 博 日本とアメリカ  かつて、九条の会の講演会で、小森陽一氏は「戦後、米国に収奪された量は日本が今抱える赤字国債の1000兆円に匹敵する」と語った。 算出方法は皆目見当がつかないが、「金額」の問題だけでなく、従属させられてきた分野の広さ、その内容の深さは、日本の主権国家としての立場を落とし込めてきたことは事実である。  また、「思いやり予算」が問題になって

        • 新護憲神奈川 主体的平和戦略 ④ 

          –世界的平和構築のための基本理念–『輝け!九条』新護憲神奈川・市民の会 代表  松原 博 1. 軍事力対軍事力のエスカレートを止める日本の役割 人類の滅亡すら危惧される数千発の原水爆を保有する国が、それでも自国の軍事力に満足せず更なる強化を目指している。当然、想定される敵国の軍事力を上回るための努力である。 例えば、ミサイル。この間の飛躍的な発展の前は、「核弾頭が装着されていない、楕円軌道を飛ぶ弾道ミサイル」が暗然の前提とされていたが、中国・ロシア・朝鮮民主主義人民共

        新護憲神奈川 主体的平和戦略⑦

          新護憲神奈川 主体的平和戦略③

             80代・今の想い―問題意識 はじめに  前回で、厳しい病の状況におかれた草野さんが、それこそ命をかけて訴えた文章を目の当たりにして、私もそれなりの覚悟を持つべきだと思い、「9条護憲運動の再構築を!」を問題提起した。  同世代の親友、同人誌の仲間を失い、かけがえのない連れ合いをも失って、一人暮らしを始めた80代の私も彼の心境に近いものを感じ取っている。 書庫に置いてあった膨大な書籍(ダンボール108箱分)を処理し、自分なりに区切りをつけ、あとは、自分史なり、「輝け!9

          新護憲神奈川 主体的平和戦略③

          新護憲神奈川 主体的平和戦略②  「9条護憲の再検討・再構築と国連軍・多国籍軍」

          前回①の続き 6. (日米安保体制を改編する)そのためにこそ9条護憲運動は力を注ぐべきである。その主張を市民団体、労働組合、政党に浸透させる努力をすべきである。                                         この間、防災省(あるいは災害対策省)の創設については、同意見・賛同意見はいくつかあったが、自衛隊解体、日米安保条約廃棄については従来の主張を超える目新しい主張を目にすることができなかった。                    このような

          新護憲神奈川 主体的平和戦略②  「9条護憲の再検討・再構築と国連軍・多国籍軍」

          新護憲神奈川 主体的平和戦略

          主体的平和戦略 自衛隊の縮小(解体)と日米安保解消① 9条護憲運動の再構築のための創造的構想をめぐって                                  『輝け!9条』 新護憲市民の会・神奈川 代表 松原 博 私が、ここ1年間、考えてきたのは、次の事である。 1.軍事力の強大化に軍事力を増強して対抗していくという発想を転換すべ  き時期である。原水爆の脅威が拡大し、宇宙空間での争いまで軍事科学が進展している。人類破滅までも想定できる事態になっている。   

          新護憲神奈川 主体的平和戦略

          精神科 強制入院の罪

             『輝け!九条』新護憲市民の会・神奈川 会員 伊那太郎 「今、何が見えていますか?」「ホールの壁を大きなカマキリが二匹歩いています」「気分はどうですか?」「普通です、特に変わりないです」。25年前、北海道浦河町にある精神障害者のための社会福祉法人「ベテルの家」の理事、向谷地生良(むいやち いくよし)氏が利用者10人ほどと共に全国を講演し、途中八王子での講演会に来た時の冒頭部分だ。壇上に並んだ利用者に向谷地氏がマイクを向ける。しゃべらない人もいるし、ごく普通に話す利用者

          精神科 強制入院の罪