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〜難病とはりきゅう〜その30「8/26第26診 調子が良くなった日」

相棒


前日に和らいだ暑さが戻った今日、再び往診の為に車に乗って高速道路を走った。


そういえば、今乗っている車は実家の物で乗り始めてもう10年以上経つ。


高校生の時にバイトして貯めた18万円で、ダイハツミラを買った。当時は嬉しくてあちこち行ったな〜。高校生活で普通に車に乗ってる感じが何とも面白かった。

3年くらい乗って、今の車に乗り換えた記憶があるので、もう15年近く経ってるかも。


物欲の無さが生み出す代物なのかもしれないけれど、あの車を替えようってあまり思わなくて。本当にあちこち行ったし、もうすっかりあの車の癖などは体に染み付いているし、乗っていて体も全然疲れない。長年連れ添った相棒みたいな存在だったりする。ドライブしながら歌うのが癖なので、一番歌を聞いてくれた相棒です。

そんなベテラン中古車は今日も唸り声をあげながらキタムラさんの元へ連れて行ってくれた。



先週からグッと体調がいいんです!!

キタムラさんは、そんな言葉で迎えてくれた。

先週、心配な状況だったので本当にホッとした。


今日は、何だか勢いが収まってしまって、少しダルさがあるのだけれど気持ちは本当に元気で、病気さえなければ!!と思うのだそう。


先週の治療後は、旦那さんも見ていてわかるほどに体調がよかったという。自身でも、ここ最近で最高の状態なんじゃ無いかとおっしゃっていた。



そんな変化が出たのは、どんな理由からだろうかをお話を聴きながら考えていた。キタムラさんの症状には明らかに波が有る。

・点滴の2週目は必ず体は冷える、が、程度には波がある

・体の動きには波がある、が、治療後には動作が改善する傾向がある

診ていて不思議に感じるが、そんな波がある。



前回の治療では、背骨の際に対してお灸をしているのだけれど初めて行なった刺激で、これが功を奏した可能性は高いなぁと思っていて

今回、背中を診た際には背骨の脇の緊張が出ていた(前回は緩みすぎて力が無いほどだった)今回もまた、自分の力で横向きになる事が出来た。これは大きな事だと思う。

もちろん、鍼灸だけの力ではないと思う。


この治療は、チームで行なっているものでたくさんの歯車で回っている。

どこかで歯車が止まっていたり稼働しすぎたりしていると、その循環はうまくは行かず、歯車といえどお互いの動きはしっかりと把握しながらよい影響を出さなければいけないと思う。



一つの歯車たる自分が今回、どんな事ができるのかをよくよく考えた。

・古傷の処置をする事

・前回に引き続き、背中の力を出していくお灸をすること。

そんな選択肢だった。



今回は、背中のお灸を選んだ。

一つは、前回の状態の変化がよかった点。これはないがしろに出来ない。こここは、しっかりとみていくべきで継続をすることに大きな意味があると思った。

ここ半年かけてお身体を診てきた経験上、キタムラさんの症状は一朝一夕の刺激で変わるものではないとわかっている。だとすればここまで変化の大きかった刺激の影響を最後まで見届けるべきだとも思っている。


今日はキタムラさんの足は、冷えが強かった。一番きつい頃の冷えと比べれば半分以下だが、むくみと冷えが出ていた事が気になった。

右肩の張りがあり、ここは旦那さんが日頃マッサージをしてあげている際にも気になったのだそう。


お腹の状態を確認すると、おへそのあたりが痛んだ。

ここ最近、日頃の臨床現場でもおへそのあたりが痛む事が多いので、時期的な刺激(暑さや、湿度、クーラーや冷たい飲食など)で起こっているのかと思った。


キタムラさんが、自ら横向きになれたのを嬉しく見届けたのち

背中の張りを確認すると前回よりも張りが出ていて凹みがなくなっていた。

今回も背中に鍼をしたのちに、背骨の脇にお灸をした。



再び、仰向けになるとおへその痛みが消えていて、今度は恥骨の左のあたりに痛みが出ていた。

これは、意味が掴みきれなかったのだが、冷えの具合で出ているのかもしれない。不思議に思った。



左足の指の股に鍼を当てていると、じんわりふくらはぎが温まってきて恥骨の痛みもなくなった。

キタムラさんは、痛くない!と笑っていた。



来週はまた2週間の点滴が始まる。

今後も、油断はせずにしっかりと治療をしていきたい。


治療の時には、判断が多くある。今回の判断がどうだったのか。

これをしっかり見極めたいと思う。





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本プロジェクトではALSという難病の治療を行なっています。
徐々に身体の動きができなくなるという難病で、いまだに治療法が確立されていません。
今回、その症状に対して「東洋医学」とくに鍼灸治療で治癒を狙っていきます。

積聚(シャクジュ)治療という治療法を行なっていますが、東洋的な発想に基づいて体系化された治療で、「古傷」も含めて治療をします。過去、この治療法でALSと向き合った症例は無いのでは無いかと思います。前例が無い挑戦です。
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