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〜難病とはりきゅう〜 その3「手紙」

手紙が届いた。

患者さんからのお手紙だ。


ところで私は「患者さん」と呼ぶのが嫌いなので

「キタムラさん」と書かせてもらう。もちろん仮名だ。



1度目の治療の話を、振り返りながら書いてみるけれど


筋萎縮性側索硬化症には病気の進行具合で3つのパターンがある

麻痺が足から起こる「下肢型」、手から始まる「上肢型」

話したり、飲み込んだりができなくなる「球麻痺型」



私が診ているキタムラさんは「下肢型」

足から症状が出てくる

つまづきやすくなったり、フラフラした歩き方から疑いが出て病院に行き始めたのがきっかけなのだそう。



今は起居動作(起きたり寝たりする動作)や、立ち歩きが難しいとのこと

出かけるときは車椅子で、家の中では歩行器を使っている

「トイレで座ったり、立ったりするやりやすさで体調が分かるんですよ」

と話していた。



手の動きは体調の良し悪しによって、握力が変わるのだけれど

物をつまんだり、握ったり

ご飯を食べたり、物を書いたり。

キタムラさんは、色々としていることを話してくれた。




キタムラさんは、とにかく達筆。

「これ、まとめておいたんです」って渡してくださった

過去のお怪我や掛かった病気のメモ。あまりに綺麗で

つい、「達筆ですねっ!」って言ってしまった。



よくわからないけれど、ただの字だと思っちゃいけないほどすごかった

「一生懸命やろう!」という思いが伝わってジーンとしたし、うまく言えないのが悔しいけれど、こういうのを「達筆」って言うんだなって思った。




また、手触りフェチの私としては達筆の他に

「この紙、とっても良い手触りだな。」って触れた瞬間に思った。

こんな気遣いくれるだなんてとってもやさしくて、繊細な方なんだろうな




色々と感じた1回目の施術を終えてしばらくして

娘さんからLINEで

「お母さんが感謝を伝えたいから、手紙を書きたいそうです」ときた

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素直に嬉しかった。心待ちにしている所があった。

ポストのチェックを2日に1回は忘れる不精な私だけど

LINEがきてからは1日に2回も見ていた。

それ位なんだか心待ちにしていた。

あの字と手触りから伝わった「なにか」の影響だとおもう。



ある雨の朝、心待ちにしていた手紙が届いた。



いつも、仕事に来てから治療までの間に


まず手を洗って、着替えて、

Spotifyの「Lo-Fi Beats」(集中出来るんです)を聞いて

掃除機かけながら、お湯を沸かして

トイレ掃除して

治療ワゴン準備して

メールチェックをして

毎日送るLINEの文章と

ブログの文章作って、FacebookとTwitterにシェアして

一旦集中力高めて、オンラインサロン の文章つくる。

そんなルーティンになっているのだけれど




手紙が来たこの日は、すぐに読んだ。

座り込んで読んだ。

便箋が4枚綴りになっていて、タテ書きの綺麗な字が並んでいた。



一気に読んだあと、しばらく座り込んでいた。



とっても嬉しかった反面

深く反省したから。




手紙の中に感謝が綴られていたのだけれど

他にも

・このnoteの内容に個人が特定できない範囲で協力してくださること

・私の研究や学びに役立てば嬉しいという思い

・症状に関しての苦悩や葛藤

も綴られていました。



その中でも

この病気になり私もかなりナーバスに。看護師の「まだ〇〇できますか」の質問や、「右足が弱ってきましたネ」等の言葉はとても落ち込みます。又、先生のブログにあった「家族の大変だったろうに」もこたえました。涙が。

と書かれていました。


この一文見たときに、血が引いたのを感じました。



なぜ、気持ちがそこまで至らなかったのか

自分を攻めました。

元気にしたい、そんな気持ちを全てにまとえていなかった。


どれだけ辛い思いをさせてしまったのだろうか。



本当に、深く深く反省しました。

私はなんどもこうやって転んだことがあります。今回もそう本当に申し訳ないことをしてしまった。

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治療を終えた昼休みに

娘さんにLINEをしました。

お母さんに辛い思いをさせてしまったことをお伝えしました。


筋は違うのは分かっていても、いてもたってもいられなかったのです。



返信をいただきました。

そこには本当に優しい言葉で、励ましをくれました。

ご家族の方も、辛い思いをさせたことがあるのだと。

まだ寄り添うことに伸び代があると思っていて、成長中なのだと。



そして

母も、今後もお世話なりたいからこそ、自分の思いを知ってほしかったんだと思います。

と言ってくれました。




私は、明日2度目の治療に向かいます。

反省や学びの全てを「元気になる」ことに気持ちを込めて全力で。


治療はもちろん、姿勢に、表情に、言葉に、空気感に。

その全てに「元気にする」という気持ちをまといます。


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このお手紙は、宝物にします。

綴られた「想い」胸にしまって一歩ずつ踏んでみます。


本当にごめんなさい。

そして、ありがとうございます。

いっしょに、がんばりましょうね。



ー支援についてー

閲覧ありがとうございます。
この活動は「治療をギフトに」というプロジェクトです。

安心して治癒に向けて専念していただくために
治療者は一切の費用をいただかず「サポーター」の方からの寄付のみで活動を継続しております。

治療者とその施術が「ギフト」になる。
そんなプロジェクトです。

本プロジェクトではALSという難病の治療を行なっています。
徐々に身体の動きができなくなるという難病で、いまだに治療法が確立されていません。
今回、その症状に対して「東洋医学」とくに鍼灸治療で治癒を狙っていきます。

積聚(シャクジュ)治療という治療法を行なっていますが、東洋的な発想に基づいて体系化された治療で、「古傷」も含めて治療をします。過去、この治療法でALSと向き合った症例は無いのでは無いかと思います。前例が無い挑戦です。
原因不明、治療不可となっている現代医学とは違ったアプローチで、何かしらの糸口を見つけるためにも「継続的な施術」が必要になります。ご本人やご家族にしか分からない負担も多いものです。

その為ご支援くださるサポーターの皆さんから私の治療を「ギフト」として送ってください。

ご本人:受取人
施術者:ギフト
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としてそれぞれの役割の中で、全員が笑顔になっていければ嬉しいです。
ただ、読み物として共感した。という思いもとても嬉しく思っています。

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(note内でのサポート機能では手数料などで引かれてしまう為、継続性が減ってしまうと判断しました)

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三菱UFJ銀行 鶴見支店 (普通) 口座番号0184252】
太鼎堂鍼灸院 髙橋洋輔(タイテイドウシンキュウイン タカハシヨウスケ)


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どうぞよろしくお願いいたします

【全て治療費に充てます】 ここで書かれる「難病患者」さんからは治療費をいただきません。皆さんのサポートは全て治療費に充てます。全て「ギフト」になります。 この記事では治療のドラマをリアルタイムでお伝えします。 サポーターとして継続的な難病への治療の為、応援してくだされば嬉しいです