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〜難病とはりきゅう〜その10「3/25 第4診 カラダを読む」

ご挨拶


今日も良い天気の中、改札を出た。


キタムラさんの旦那さんは、今日も約束の時間に迎えに来てくれた。

いつも紳士的で、自動でドアを開けてくれる。障がい者シールが車に貼られている。



「こんにちは〜、お邪魔します〜」と

だんだんと慣れた玄関の風景に声をかけると、

中から少し力のない声で

「こんにちは、ようこそ〜。よろしくお願いします〜」

と帰ってきた



キタムラさんは今日は

右手が動きづらかったようだ

朝、お魚を食べた時に少し違和感が有って

両手でお箸を使ったのがショックだったのだと言う。



お昼には力や感覚が戻って来たそうだが

なんだか体のだるさが出て来たように感じるとのこと。



眠りはしっかり取れているけれど、夜中にトイレに行きたくもなるそうだ。

夜にしっかり立てないと怖いから、寝たままパッドにすると言っていた。



「先週と同じように滑舌キープしてますね。」

「そうなんですよ先生、一時期よりずっと良いんです。」


「それはそれは、咳き込むのはどうですか?ムセます?」

「それもね、一時期より良いんです。でもね、ゴホッ。時折ムセるんです」



そんな会話からスタートした。


キタムラさんの症状は、全身症状なので意識しやすいが

筋肉の働きだけではなく、全身のあらゆる動きを知っておいて

「指標」としておくことに意味がある。

 


治療の目的はいつでも

「生命力を回復させること」だからだ。


生命力は

人間の体の全ての働きの基本で

聴力、視力、筋力、回復力、免疫力、集中力、記憶力、消化力、吸収力などなどあらゆる「力」の根元だからで


キタムラさんであれば

運動する力であったり、体を回復させる力が弱っていると見れるので

手足の力だけではなく

咳き込み、睡眠、気分の浮き沈み、手足の冷え具合など

関係なく思えるようなことを一元的(一つの原因と考えて)に捉えていくことがとても大切。



だからこそ

治療の中では、体のあらゆるサインを見逃さない。

それだけ集中して全身から情報を得る。



カラダから得られる情報


表情、顔の色や血色、目の力の具合、笑顔の強さ、声色、声の力の具合、会話のレスポンス、言葉のポジティブ具合(単語を選択する精神状態)、反応する単語の数、笑いまでのスピード、反応の大きさ

などが会話の中から読み取れるし


髪の毛の具合、爪や指先の状態、触れる前の冷え具合、触れた後の冷え具合、関節の動き、関節の腫れ具合、浮腫み具合、皮膚の状態(乾燥、キメなど)、頭部の熱感、左右差、上下差などなど

単純に会話をしているようで、ただ触れているようで

このくらいの情報は得ているし、全ての動きに情報を得るための意味を持たせている。


これを、治療の合間にちょこちょこ診ながら変化を追っていく。

キタムラさんは、変化が早い素直なお体だから、かなり集中力が必要。



肌を露出するから、時間をかけてもいけないし

ただ時間を掛けなければ変化も起きないので、そのあたりで繊細な見極めが必要。



大好きな漫画ONE PIECEの一シーンで

ナミという仲間が倒れ

とにかく何でも食えば治るのでは?という1人の発言に

「それができないのが病人なんだ」

といった流れがありますが



まさしくそれで

鍼灸の刺激を含めた医療の刺激は全て

「その方にとって最適でなければならない」

という前提があります。



刺激が多すぎることをオーバードーゼと言いますが

何でもかんでも刺激をして、その刺激が逆に体を弱めてしまう場合があるのです。


高熱を出して倒れている人が、焼肉行って食べたら元気になる訳ではないですよね。


なので、全ての刺激は

その方を読み切った上で刺激しなければなりません。



体は、瞬間瞬間で状況が変わるので

その変化を読んで読んで読んでおきながら

適した刺激を与えていくしかありません。




今日のキタムラさんは

かなり冷えていて、反応はゆっくりながらも着実に変化をしていきました。



今日は初めてのお灸。

「背中から体が温まって気持ちいい、さっきよりも左肩が温まりました」と



次回はまた来週。

キタムラさんがお引越しする家は完成間近で

一月後に移動するのだそう。



これから、治療の合間にできることを増やして

もっと情報を得るようにしたいと思ってるので

「良かったら、毎日ノートをつけてみましょうか。もちろん負担のない日で構わないですからね」と提案。



足が強く冷えているのが気になったので

旦那さんに、注意事項を伝えて家を後にしました。


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キタムラさん。

また、サポーターの方からサポートをいただきました。

今回は、オフラインも有ったんですよ、直接いただきました。



【サポーターのみなさま】

コゲップさん、Mizukiさん、さくさん、ツナグさん、ヒデさん、shimahhaさん、acu_mox_nakajimaさん、ピーコさん、ゆうちゃん先生さん、Biscoさん

ありがとうございます。

macsonさん、マイクロさん、nob_yanagi122さん、muwaさん、もふもふさん

継続的なご支援ありがとうございます


毎回だと、プレッシャーになってしまうかなと思って

キタムラさんには折を見て伝えるのですが

「いつもありがとうございます。感謝しています」って。


私からも本当にありがとうございます。

1人の元気が皆の元気に繋がるように。


みなさんが治療をギフトしてくれるおかげで

私も頑張れています。

また、来週も頑張ってきます。

【全て治療費に充てます】 ここで書かれる「難病患者」さんからは治療費をいただきません。皆さんのサポートは全て治療費に充てます。全て「ギフト」になります。 この記事では治療のドラマをリアルタイムでお伝えします。 サポーターとして継続的な難病への治療の為、応援してくだされば嬉しいです