〜難病とはりきゅう〜その36「10/7 第32診　絶対に決めにいく。」

調子の悪さが続いていた。

今日も、キタムラさんは調子が悪く

ずっとムセが続いているようだった。

しかしながら前回の治療後に受けたインフルエンザの注射は影響もなく問題は起きなかったという。

昼寝すると、むせて起きたりもするそう。

キタムラさんは、横になる事が大半なのでムセてしまってしんどくなるため、ムセのあるなしは生活の水準に非常に大きく影響がある

今回は、きっちりとムセを止めていきたいなと思った。

しっかりとムセを止めていくためには背骨の異常を止めていかないといけない。

今日の状態は胸の骨の痛みが強く、頭の熱さも強かった。

のぼせが強かったという状況をあらわしているので、そののぼせとムセがどうやら関わっているようだと思う。

背骨をしっかりと見ていくと

肩甲骨の高さあたりに強い痛みが出てきていた。

過去の経験から言っていくと、ムセが強くなっていくと背骨の反応が強く出ている。

今回は、痛みが強くひずみが強いためにムセが出ているんだと思う

この状態をしっかりと抑えにいかないと、今回は関わるものとして失格だとも思った。

今日、このムセを取れなければ自分は関わる価値が無い。

絶対に決めに行く。

背中には、複数の痛みが有って

どこに関係があるのかは、全く読めない。

治療の中でしっかりと回復させて

状態を絞る事が必要になってくる。

一つ一つの刺激をいつも以上に集中して、祈る気持ちで針を当てる。

段々と絞れてきた背中の痛みが3箇所まで減った。

その3箇所のうち、一番関係のあるところに打てばムセは改善すると仮定して細かく観察をした。

そのうち、肩甲骨の下角の高さの所に一番痛みが強く出ていた。

「今日は、ここだ」と決めた。

こういった時の集中力は、治療家をしていて自分でも驚くような物が出る。

自分がこの人と関わっていていいのか、自分が治療家として立っていて良いのか。

この集中力に差が出ると思った。

鍼を取り出し、慎重に確認し

ツッ、、と処置をした。

古傷の影響が体から抜けていくごとに、体が温まって行く。

そんな感覚があった

こういった感覚が出た時は、体の力は増して行く

自分の経験からしてそう思えた。

仰向けになってお腹を見ると、症状はグッと減っていた。

ほとんど無いに等しかった。

状態をどう感じるか、という話をしていた時

旦那さんが

「まったくムセがなくなりましたね」

と言ってくれた。

身近に観察していた旦那さんが、こう評価してくれたのが嬉しく思った。

キタムラさんも

本当だ。全然ムセずに話せてる。

と嬉しそうに話していた。

まだまだ、自分自身が出来ることはあると思うけれど

こうやって一つ一つ進めれば良いのかなと思っている。

少しでもキタムラさんが回復する方向に向かえれば嬉しい。

がんばります。

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本プロジェクトではALSという難病の治療を行なっています。
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今回、その症状に対して「東洋医学」とくに鍼灸治療で治癒を狙っていきます。

積聚（シャクジュ）治療という治療法を行なっていますが、東洋的な発想に基づいて体系化された治療で、「古傷」も含めて治療をします。過去、この治療法でALSと向き合った症例は無いのでは無いかと思います。前例が無い挑戦です。
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