百ます計算は急がば回れ
小中高生に教える塾講師×勉強苦手な小学生の母×ちょっと教材マニアなyousouです。実際に使ってみた教材について、塾講師の目、母親の目、2つの視点からご紹介します。
テーマは「百ます計算」。基礎計算は本当に本当に大事です。もしも勉強に不安をかかえていらっしゃるなら、ここは焦らずに、ゆっくりと基礎計算を反復しましょう。急がば回れ!
百ます計算って何?
百マス計算とは、縦10×横10のますの左と上にそれぞれ0から9の数字をランダムに並べそれぞれ交差するところに指定された計算方法の答えを記入する計算トレーニングである。
wikipediaより
塾の目 応用問題の前に、百ます計算をやるべき!
なぜ百ます計算がいいの?
人間の脳には、一時的に記憶をとどめておく作動記憶(=ワーキングメモリ)という能力があります。たとえば、先生の指示を聞いてから行動するときなどに使う記憶力のことです。この作動記憶は、読み書き計算による訓練で鍛えることができます。
東北大学の川島隆太先生は、実験によって、作動記憶の訓練によって、作動記憶を使っている様々な能力が一度に伸びることを発見しました。それは知能だけでなく、クリエイティビティ、想像力、運動能力も伸びる結果になったそうです。
ポイントは、自分ができるギリギリの難しさで続ける事。実験によると、複雑な計算をしているときよりも、簡単な計算をしている時の方が、脳は活性化していたそうです。
計算はだいたいできるけど、それでも百ます計算は必要なの?
塾では、中学生で数学が苦手…と困っている子がたくさんいます。その子たちが計算しているときの鉛筆の動きを観察していると、意外な事を発見しました。それは、中学校でならった公式や解き方はすらすらできるのに、式を作った後の計算、分数や小数、割り算やかけ算で手が止まっているのです。
数学が苦手な子でも、たし算ひき算かけ算わり算はできます。ただ、できるだけじゃなく、瞬間的にできることが必要。中学数学では基礎計算を組み合わせて答えをだします。ひとつひとつの計算に時間がかかっていると、答えを出すのにものすごく時間がかかります。そうなると、「難しい、分からない」と感じてしまいます。
母の目 半年後にいきなりグンと伸びた
どうやって使えばいいの?
我が家の使い方
・毎朝、1枚
・タイムをはかる
・記録をとる
・1秒でも速くなったらほめる
そしてどうなったの?
百ます計算(たしざん)の記録
小2の四月 5分16秒(初日)
小2の八月 2分9秒(4か月後)
この間、百ます計算のたし算だけでなく、ひき算やかけ算なども取り組みました。ただ、学校の授業では筆算を勉強していましたが、これは全くできませんでした。宿題もかなりてこずりました。そのまま何も復習はせずにいました。
半年後の九月。いきなり出された筆算の宿題がスラスラ解けた!!!これには本当にびっくりしました。百ます計算を続けたことで、計算力が身についたと思います。筆算は一桁+一桁の計算の組み合わせなので、あとは解き方さえ分かればできるもの。つまり、一桁の計算が全ての基礎!
基礎の反復学習は急がばまわれ!
百ます計算という基礎学習が、長い目で見ると本当に本当に大事です。もしも勉強に不安をかかえていらっしゃるなら、ここは焦らずに、ゆっくりと基礎計算を反復しましょう。急がば回れ!