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オープニングで絶対に傑作だと確信した映画『ドラゴン・タトゥーの女』

出張で地方に行き、早めに仕事が終わったので映画でも見るかと、なにひとつ事前情報を仕入れずに見た『ドラゴン・タトゥーの女』は、オープニングで傑作だと確信できるものでした。

レッド・ツェッペリンの「Immigrant Song」のカバー曲が流れたオープニングは映像と完璧にシンクロ。ただ「刮目せよ」と言われた気がした僕は、この先できるだけ瞬きしないようにしようと思ったものです。

確信するあまり興奮を抑えきれず、真っ暗な映画館の中でめちゃくちゃにいやらしい顔になっていることは自覚していましたが、となりに座っている人も、いや、全員が同じ顔になっていたことでしょう。

物語は、大富豪から一族の失踪者を探してほしいと頼まれた記者が、警察もあきらめた事件をひとつひとつ洗い直していく。そして、じわじわと真相に迫っていくサスペンスもの。幽霊もゾンビもでてこない。悪い人間と、その悪事を解き明かそうとする人間の物語。

あらすじだけ読むと単なるサスペンスっぽいけれど、記者とドラゴン・タトゥーの女が直面する「絶対に抗えない状況」は強烈で、目を背け、耳を塞ぎたくなるほど。

できればこの世界とは一切関わりたくはないけれど、本作を見てしまった以上は向き合うしかなく、そして万が一、自分の身に火の粉が降りかかってしまったときは、ここで見たことを活かして突破するしかない。

売店で買ったコーラの存在を忘れて、一口も飲まずにそんなことを考えて、「ゾンビの方がまだマシや」と思うほどに、この世の中で一番怖いのは人間だと気付かされた作品でした。

実は3部作で2作目も公開された(リメイク前の本国バージョンでは3部作すべてが公開済み)のですが、それはまた別の話。


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