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地方出身の僕、上京したいともがく女子高生に共感 ー 映画『溶ける』

田舎の生活が嫌すぎて、このまま大人になっていいのか、ここじゃないどこに行きたいともがく女子高生の映画『溶ける』を見ました。

僕も地方出身で上京したので気持ちはすごくわかります。このまま田舎にいたら、平凡な大人になって、仕事して、ごはん食べて、風呂入って寝るだけの生活で人生が終わっちゃう!と悲観してしまう。

毎日ちゃんとごはんが食べられて、お風呂に入って、眠れる幸せの尊さをなめんじゃねぇ!と今の僕なら言えますけど、当時は「こんなにつまらないのは、ぜんぶ田舎のせいだ」と決めつけてましたから。

学校が面白くないのも田舎だから。友人がダサいのは田舎だから。家族がウザいのは田舎だからと。面白くないのも、ダサいのも、ウザいのもぜんぶ自分なのに、それは見て見ぬふりをして。

高校生ってもうすぐ大人なんだけど、その世界はめちゃくちゃ狭いんですよね。お金もないし、信用もないし。それでも学校生活、友人関係、家族問題、いろんなストレスがあって、なおかつ思春期なこともあって、「とにかく嫌すぎる」が勝ってしまう。

だから対処よりも排除、消えてくれって思考になって、消えてくれないなら捨てる、自分がどこかに行くって思想になるしかない。

そこにあるのは「逃げ」の要素が強めで、逃げても解決しない可能性が高いことも頭の中ではわかっている。だから「いつかやる」と言いながら毎日キレ散らかす。

キレればキレるほど「この世界をぶっ壊したい」って気持ちが増していくし、どん詰まりになっちゃう。盗んだバイクで走り出して、夜の校舎の窓ガラス壊してまわりたくもなりますよね。

こんなとき大人は「子どもの考え」だと本気で相手にしてくれないですし、実際のところ子どもの考えの場合が多いのも事実です。大人の階段を上ることでしか解決しないこともあるわけで。

もし僕が高校生のときに、本作『溶ける』があって、それを運良く見ることができていたら、きっと救われただろうし、もし上京せずに田舎に残っていたとしても楽しく暮らせていたかも…と考えさせられました。

田舎暮らしが嫌で都会に行きたい人。都会の喧騒が嫌で田舎に行きたい人。どちらにもオススメの作品です。

変えたい、変えるべきのは場所ではなくて、自分だと気づかせてくれます。


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