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攻撃的な焙煎は、なくなっていく

デビューするロースターの醍醐味は、店主のやりたいローストをすること。時にそれがかなり攻めたものだと、買う側としてはワクワクする。しかし、オープンから半年後、そのエッジは鳴りを潜め、焦げ臭立ち上るつまんない焙煎に落ち着いていくことばかり。

どうしてか、というと、長らくコーヒーの支配的嗜好である深炒りニーズによるもの。客の好みが少しずつ、少しずつ、ロースターたちの浅炒りエッジを削ってしまっている。

深炒りのエッジも、どういうわけかなくなっていく。客の嗜好がそのエッジに気づかないからだ。

沢山のロースターたちと会を通じて話を聞いてきて、そういう傾向を知った。罪なのは客のレベルなのか、それを通さずに商売に走ったロースターの経済事情なのか。どちらにしてもいまのままではこの国でエッジの効いた焙煎はやりにくい。

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