おすすめnote詩「祖層」

今回はこちらの詩の感想を勝手に書かせて頂きました。ありがとうございます。

どことなく詩に不穏な空気感がありました。配置されている言葉のイメージから、もしかするとお葬式に関するものなのかと推測しましたが、そこは分かりません。


①句読点
②詩的な表現
③詩と文法と現実


①句読点
おそらく今回は散文詩というものでしょう。そのなかで特徴的なのは、ここに句読点が置かれるだろうな、という所に全然それらが置かれていないところだと思いました。「~る」が連発しているので、おそらく「用言止め」が多用されているとも言えるかもしれません。

では、考えられるその効果は何かと言うと、時系列が把握しづらいことかなと思いました。つまりイメージが錯綜しているとも言えるかもしれません。あるいは、映像を喚起させるものかもしれません。切れ切れの映像を繋ぎ合わせたような印象です。それとリズムの効果もありそうです。


②詩的な表現
「あなたの足を分解して細かい写真の集まりにしてテープで貼り合わせて少し折る」なんとも不穏な感じですが印象的です。写真を撮って切れ切れにするのなら分かりますが、貼り合わせるために足を分解する、というところが通常の思考とは逆転していて不気味さを感じます。

「焦げる匂いがする花の中に火が灯ってきれいだと思う」ここも印象的でした。あえて「花火」という言葉を疑わずに、「花」の中に焦げた匂いのするものだと言い切るところが、しかし、また不穏な空気を作りだしています。


③詩と文法と現実
私の感覚で言えば、この詩は文法を崩していると思います。「~る」を連発して、どの言葉、どの句が、どの語、あるいは句に掛かっていくのか意図的にずらされているのではないでしょうか。構成上、行分け詩になっていないのはその事が理由かと推測されます。(どこで区切りがあるか示したら意味がない)

詩を書いていて、たまに居心地の悪さを感じます。それは「現実ってこんな風に順番通りに物事が進んでいるわけじゃない」というものです。現実というのは、もっと積み重なったり、重複したり、連続したり、もっと混沌としているものだったりするのに、と。

もしそうだとすると、次に私がするべきことは、今回の詩のように文法を崩してみる、過剰に繰り返してみる、文法には則らない、新たな試みをしてみることなのかもしれません。今回の詩は、そういう新たな表現を求めている、あるいは、より現実の精緻な描写を求める試みなのでは、と読みました。


今日のメモ ↓

夢は詩のコンテストを主催することです。サポート頂けましたら運営資金に使用させて頂きます。優勝者の詩は例えば新聞広告の全面で発表する、などを夢見てます。ですが当面はインタビュー時のコーヒー代。謝礼等に使用させて頂きます。