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落選詩「エイリアン」

2022年4月に現代詩手帖に投稿し落選した詩です。
言い訳はやめましょう、とりあえずこんな詩です。



【エイリアン】



追いかけっこのようなものから始まって
いろいろと勝てる気がしてない
追い越してはいけない人なのに
先に眠りに落ちてしまった
小説なら書かれないような日々
あの日から私は
主人公になったことがない

真夜中に起きる何気ないことのかたまり
気持ちを過去形ばかりにする歌詞
曲をくり返し聴いては物音が震え
微かな音量はラジオみたく
ひとつひとつの段落のように
気持ちもまとまっていればいいのに

車のライトの光が届きそうな空
白んでくる朝日のなかで
灰になることも無く
何食わぬ顔で246に合流
悪態をつく理由はない
迷い猫の張り紙と選挙のポスター
どちらも迷っているのは
私たちの方だ

肺呼吸をするように
あの人のことを考えているとき
大きなトラックが魚のような顔つきで
すり抜けていって
誰の目にも触れられないように
平仮名として記憶する




反省点

  • 伝える内容がなかった

  • 単に良いなと思ったフレーズを繋いだだけ

  • 四連に分けている意味がない

  • 直喩の連発、効果がない

とにかくダメなのは意図がないこと。意図がないから言葉選びはバラバラ、イメージもバラバラ、全体の構成も練られていない。バラバラにするなら、「バラバラにする」という意図が必要。

ただ個人的には光るフレーズはあると思う。

「追い越してはいけない人」「気持ちを過去形ばかりにする歌詞」「車のライトの光が届きそうな空」「迷い猫の張り紙と選挙のポスター/どちらも迷っているのは/私たちの方だ」「平仮名として記憶する」

そんなに悪くないと思う←
各連を軸にして詩を書いてもいいかな。

ちなみにタイトルはキリンジの有名な曲に由来します。この頃、繰り返し聞いていたのでそのまま使用しました。もう少し捻りましょうね、わたし。

お粗末さまでした。

今日のメモ↓

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