おすすめnote詩「祈るものたちに残された氷の幻想」


構成は二連。神秘的な何処でもない場所の物語に心地よく心酔。とても不思議な詩でした。でも不思議に感じたのは何故だろう。

まず、例えば昨日起きたような日常のことを書いているわけではなさそうだし、何かの比喩として書いているわけでもなさそう。たぶん物語なのだろう。SFのように読めるし、近未来のようにも感じる。あるいは、何処か中世の雰囲気もある。

「その他に何も与えられなかった国で」という文章がとても素敵。

「彼ら」と作者が、あるいは作中の書き手が呼んでいる人々がいるらしい。その設定が物語性を感じる。また「祈るものたち」などの言葉から、どこか宗教的な神秘な雰囲気も感じる。

「春になれば溶けて」
「夏になれば跡形もなく消えてしまう」

この文章が印象深く残った。まず、どこか異世界の雰囲気でありながらここには四季があるのか、と言うことに意外性があった。

次に、これは自分が「異世界」という設定にしてしまっているからだけど、そういう世界観の中で使われる「春」「夏」には、まったく別の意味が帯びてくるから不思議だと感じた。

「日本の夏」の「夏」には麦茶だとか花火だとか蚊取り線香とかプールとか海とか風鈴だとか、そういう意味がついてまわるけど、この詩での「夏」は全然ちがう雰囲気を纏っている。

言葉と言うものは、その使われる世界観のなかでまったく別の意味を持たせることができるのだということを強く感じました。

今日のメモ書き↓


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