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表参道スパイラルのアンリアレイジ

 前回、表参道に来た時にはスパイラルに展示されていた小倉織が印象的で note でも紹介しました。それ以来、約2か月半ぶりの表参道です。そして、今回もスパイラルで足を止めてしまいました。

 前回は日本のファッションブランド「アンリアレイジ」(ANREALAGE)の名前を見て小倉織の「小倉縞縞(KOKURA SHIMA SHIMA)」コーナーに惹かれました。そして、今回はそのアンリアレイジのブランド20周年を記念する展覧会でした。

 1階奥のスパイラルガーデンは入り口全体が暗幕で遮られていました。入り口の係の人にまず、手前階段側の展示を見るよう促されます。


 中央にはパッチワークによる作品が展示されていました。2023年春夏の「A&Z」のコレクションのようです。このコーナーの壁側にはこれまでの作品の写真一覧も貼り付けられていました。

 入り口に戻って暗幕の中にはいるとガラスの向こう側に作品が展示され、そのガラスに投影されるイメージ映像で奥の作品を紹介するようにリンクする仕掛けになっていました。ガラスの前に一直線に椅子が置かれています。そこに座ると招待されてファッションショーを見ているような感覚になります。イメージ映像の中にモデルが左から右にキャットウォークするようなアニメーションも含まれているからです。2021年春夏から2022ー23年秋冬までデジタルで行われた4シーズンの作品ということです。

 そして、その暗幕を抜け出ますと

 約20着の作品が円形に並べられ、反時計回りに1着ずつ動いていきます。

 そして、目の前に止った作品に2台のロボットアームがドレスを上から下へなぞるように動きます。
 ロボットアームと言えば、アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)が白いドレスのモデルを登場させ、産業用のロボットアーム2台でその白いドレスに向けてインクを吹き付ける奇抜な演出をしたことを思い出します。確か1999年春夏シーズンのことではなかったかと思います(違っていたら、すいません)。ここではロボットアームはドレスに向けてインクではなく紫外線を投射しています。

 紫外線を投射した跡にはドレスに色が浮かび上がり模様が現れます。

 ドレスは1着ずつ動いていきます。半周もしないうちに色は消えていきます。そして、再びロボットアームの前で紫外線を投射されると また模様が現れます。アンリアレイジのウェブサイトによると「フォトクロミック技術を活用した大胆な色相変化で表層の奥を露わにする”=(イコール)”」というコレクションということです。
 係の人は「光の強さによっても色が残る時間が変わります。室内で着た時には無地でも、屋外に出ると模様が現れ、それも太陽の方向にしか色が出てこないので、動くと模様の位置が変わってきます」とこの作品の面白さを説明してくれました。そして、「例えば展示販売しているTシャツの胸のところに同じ素材でマークを縫い込んでおり、屋外にでると色が現れますよ」とも話してくれました。
 ちなみにここに飾ってあったのは今年2023年2月にリアルで実施された2023秋冬パリコレクションで紹介された作品とのことでした。


 残念ながら、この展覧会は今日7月2日が最終日でした。本当にこの2か月半、表参道へ来る機会がありませんでした。もっと早く気がついていれば、こういったものは何度見ても面白いので、あと何回かはスパイラルに来ていたのに……。 (紹介が遅くなって申し訳ありません)

(2023年7月2日日曜日、展覧会に気がついた当日に)



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