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水曜日の俳句

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毎週水曜日は俳句を、というルールでやってみます。 日々の風景を詠んでいます。最近の句や、過去に投句したもので、あるていど自分のジャッジをくぐりぬけたものです。
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記事一覧

水曜日の俳句9

ひまわりを見上げ鼻血の落ちにけり 天井のポスター剥がし夏終る 絶望と孤独をしやぶり秋立ち…

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水曜日の俳句8

透き通る冷房白濁する世界 八月の銅像は逮捕されない 直立の子の屈辱を照らすナイター 味噌…

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水曜日の俳句7

真夜中のあやめはだらしなく開く 肥大する陽炎縮小する私 見上げることもなくなつた夏の空 …

水曜日の俳句6

ずぶ濡れの地球を抱きしめる炎天 ナンプラー嗅いで熱帯夜に乗車 メロン喰う君は最大公約数 …

水曜日の俳句5

母さんと離れて歩く夜店かな ギヤマンの切り目に残る執着心 不謹慎な横文字並ぶアロハシャツ…

水曜日の俳句4

桃腐りどこまでも指沈みけり 終戦日ゲーム離さぬギプスの子 週末は蝦蟇の呼吸をぢつと聴く …

水曜日の俳句3

アスファルトに戦争還りの穀象虫 雪国にをり代引で夏を買ふ 音楽はいらぬ水田の声を聴け 乳房の辺りで聴こゆ蚊の悲鳴 噴水はミクロな僕の宇宙都市 赤茄子の余力を含むクラッカー 夏の雨おいしくなあれアスファルト ヒトを許す時カブトムシは濡れている ここ最近の毎日俳句から。 みずみずしい気持ち、ではある。 が、こうして見ると、まだ完成していない気もする。 作句の瞬間は楽しくてウキウキなのさ。 それも大事だけど、何度も見返してこねくり回すのも大事。 反芻も楽しまないと

水曜日の俳句2

戦争もヒューマンエラー息白し 春めきて母の記憶は個包装 ビヤホール明日は無様に生きるなり…

水曜日の俳句1

この窓が父の国境鬼は外 パパと呼び愛した記憶春立てり 免れぬ愚父に情けを建国日 父を刺す…