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教師に必要な力の1つは予測力。

 今回のテーマは「教師の予測する力」についてです。もちろん、普段の生活において物事を予測する力は必要です。ほとんどが予測の中で行動していると言っても過言ではありません。そんな「予測」という1つの思考過程ですが、教師の世界でも欠かせないものであると考えました。そのような力を「予測力」と名付けて、教師の世界での予測力を鍛えていくことが成長していく過程の中でとても大きな意味があると感じています。この予測力について私の考えを述べていこうと思います。

①若手とベテランのちがいは?

 この予測力をもとに若手とベテランの違いを考えていきたいと思います。まずベテランの先生は様々な経験をもとにしており、予測力が非常に高いです。物事の先行きまで鮮明に見えています。予測の解像度が高く、いろいろなケースを想定して対応することができます。しかし、若手の先生は今までの経験が浅く、先にどんな事態が想定されるのかイメージが湧きません。言わば予測力が低い状況なわけです。これでは目の前の出来事に右往左往してしまい、慌てて焦りながら対応していくことになります。ここに大きな差が生まれているわけです。

②予測力の高まりがもたらすもの

 予測力を向上させると良いことだらけです。もちろん行事などの先々まで見通して仕事を効率化することもそうですが、学級経営や子どもとの関係でこれほど大きく役立つことはありません。よくベテランの先生が「今はこうだけど、○○の時期がきたらこれをしようかな」「今は関係をつくっておき、〇月くらいに一度大きく伝えたいことの指導を入れようかな」などと話しておられるのをよく聞きます。これこそ予測から起こる現象でないかと思います。「今ではない」「今すぐに」の判断は予測をもとに行われるのです。今後の未来を見据えてどこで指導するのかを考える。それが適切な時期は「今」でないかもしれない。この感覚的な判断にも予測力は含まれるわけです。結果として長いスパンで見ると学級経営としてうまくいっているといったような感じでしょうか。予測をもとに学級経営が行われています。

③どうやって身に付けるのか

 「年数=予測力」というわけではありません。予測力は努力次第で伸ばすことができません。では、どうすればいいのか。私が考える方法を紹介していきたいと思います。

〇1つの行動から起こることを複数個予想する
 例えば○○さんが宿題を忘れたとします。次に「明日もってこよう」と約束したとします。ここからどんなことが予想されるでしょうか。しっかりやって持ってくることもあれば、また忘れる。学校を休む。保護者に叱られる。などなど、これだけでも様々なケースが予想されませす。そのケースがどれだけあるか想像することが大切です。1つの行いには1つの結果と想像するのではなく、他にもいろいろなケースを想像しましょう。

〇いろいろな環境を知る
 環境を変えることで、実態は大きく変わります。今までの当たり前が当たり前でなくなることも多いです。教師としては大変なことも多いかもしれませんが、これは成長のチャンスです。ある1つの環境にずっといるだけでは予測力は育ちません。敢えて環境を変える努力をしてみましょう。その経験が予測力になり「以前はこんなこともあったから、こうした方がいいかもな」という合理的な判断に近づけることができるのです。同じ学年ばかりを担任するのではなく、居心地が良いからと勤務先に留まることばかりをしないで、外の世界を知る。この経験が予測力を育むことは間違いありません。

④心の余裕が生まれる

 結果として予測力が高まると心の余裕が生まれます。子どもの対応に一喜一憂するのではなく、「こんなこともあるよな」と感じることができます。良い行いは心から喜び、思わしくないことも良い意味で過度に期待をしていない分、心の安定を保つことができます。それが強いては教師生活を充実させていくことにつながるのです。

⑤終わりに

 予測力はすぐに身に付くものではありません。できることとできないこともあります。予測力はすぐに身に付くものではないという予測を大切に、少しずつ向上させていきましょう。


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