二眼レフカメラ Rollie Flex T
ローライフレックスの廉価モデル
高級カメラブラントといえば、Leica、HASSEL BLAD、Rollie、Contax、Zeiss。中でも、二眼レフカメラを作り出した、ドイツの老舗カメラブランドのローライの二眼レフカメラが「ローライコード」や「ローライフレックス」のシリーズです。
ローライフレックスの代表的モデルは、「ローライフレックス2.8」シリーズでしょう。しかし、なかなか高嶺の花です。そんな「ローライフレックス」シリーズにも廉価版がありまして、それが今回紹介する「ローライフレックスT」です。
これを見て買う人もいないでしょうけど、以下のような価格です。
「Rollie Flex T」は、
「Rollie Flex T」は、1958年から1976年まで販売されました。
機種名の「T」は、搭載レンズのカールツァイス・テッサー75mmF3.5にちなんだものです。後期にはテッサーレンズが入手困難になり、シュナイダー製のクセナー75mmF3.5付きに変更されます。
発売当初はグレーの革に包まれたモデルでしたが、その後ブラックモデルも登場しました。
わたしの「Rollie Flex T」は、後期モデルの黒革で「カールツァイス・テッサー」付のモデルのようです。グレー革はデザイン的にはかわいいのですが、中古カメラとの出会いは縁なので仕方ないですね。
廉価版といっても、流石は天下の「ローライフレックス」です。写りも使用感もすばらしいです。中判写真ならではの立体感モリモリの描写やコントラストやシャープネスの高さは本当にすばらしいです。
では、何が廉価版なのか、、、。
ローライといえば、「オートマット式」フィルム装填です。
中判カメラで使う120サイズのブローニーフィルムは、35mmフィルムのようにケース(パトローネ)に入っていない、裏紙(遮光紙)と一緒に裸のフィルムが巻いてあるだけです。なので、カメラへのフィルム装填は少々面倒です。
しかし、この「ローライフレックス」の「オートマット式」は、ブローニーフィルムのはじまりの端っこを巻き取り側のスプールの溝に差し込んで、しっかり引っかけて、フィルム室の蓋を閉めて、巻き上げる。それだけで撮影が開始できるんです。
それまでの中判カメラのフィルム装填・フィルム送り方式は、「赤窓式」、「赤窓スタート式」、「スタートマーク式」など、撮影開始もフィルム送りも1枚ごと確認する方式や撮影開始は確認が必要で、フィルム送りは自動など、いろいろな方式がありましたが、「オートマット式」はすべて自動です。
と、前置きが長くなりましたが、「Rollie Flex T」は、「スタートマーク式」です。フィルムのはじまりの端っこを巻き取り側のスプールの溝に差し込んで、しっかり引っかけたら、少しずつ巻き取り、フィルムの裏紙に印刷されている「スタートマーク」とカメラのフィルム室の「印」を合わせて、フィルム室の蓋を閉めます。あとは、クランクをくるくる巻き取ると、1枚目のと頃で自動で止まり、撮影が開始されます。これが、1つめの廉価版ポイントです。
次は、レンズです。「ローライフレックス」と言えば「カールツァイス プラナー 80mm f2,8」というあまりにも有名な銘レンズがそのトレイードマークです。「Rollie Flex T」は、前述の説明にあるとおり、「カールツァイス・テッサー75mm f3.5」やや簡素なレンズが付いています。テイクレンズだけでなく、ビューレンズもやや簡素なレンズになっているらしいです。
他にも、シャッタースピードや絞り値を変更する機構が「ライトバリュー方式」(長くなるので、ここでは解説は避けます。)になっていて、各操作ノブも金属ではなく、樹脂製になっています。
詳しく見ていくともっとあるのでしょうが、いろいろ節約してお求めやすくなるように、企業努力がなされています。廉価版の恩恵は、実は価格だけではなくて、いろいろ節約されて、2つのレンズも一回り小さくなっているせいで、大分軽量化されているんです。中判カメラ、特に二眼レフカメラは大きく重たくなりがちなので、この点は「Rollie Flex T」の美点といえるでしょう!
とはいえ、わたしは「ローライフレックス 2.8」の方には、まだ触ったことがないので、使用感や質感などを含めた違いは、よく分かりません。きっと、すばらしいんでしょうねぇ、、、。
二眼レフカメラは上から覗いて、ピントと構図を決めて撮影をします。
縦に2個並んだレンズは、上が「ビューレンズ」構図・ピント用(ファイナー用)、下が「テイクレンズ」(撮影用)です。
作例写真
コダック ポートラ 400
フィルム面積が大きいのとカラーネガフィルムの特性でラチチュード(明暗許容範囲)が、とっても広いです。
KodakPortra160
FUJIFILM PRO160NS
わたしは、この本を読んで「ローライフレックス」にとても心を引かれました。