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東映「ひばり・チエミの弥次喜多道中」を鑑賞。ミュージカル時代劇だ。

チャキチャキの下町娘、お君(美空ひばり)とおとし(江利チエミ)は芝居小屋の下足番だが、ひょんなことから、奈落に地獄の熊吉、三太、法界坊などの麻薬密売団が、巣喰っていると知った。折も折、南町奉行所与力片山軍次兵衛配下の手入れがあり、一網打尽となった一味の中に、まきぞえを喰ったお君とおとしがいた。法界坊こそは、密売団根絶を狙う南町奉行が放ったオトリで、実は筆頭与力秋月七之丞なのだ。法界坊は更に捜査をつづけるため熊吉を欺いて破牢を図った。お君とおとしは民間協力の表彰状を貰ったが、密売団と関係のある者は雇っておけないと、小屋をクビになった。世の中の矛盾に愛想をつかした二人は奮起一番、名も弥次郎兵衛、喜多八と変えて、東海道を西へ、西へ・・・。

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歌手ふたりがW主演だから、当然だが、歌が楽しい。オープニングを飾る「箱根八里~歩いて行こう~」。なんと。モダンジャズである!

ミュージカルコメディ時代劇の大傑作。
ひばりとチエミのパワーに圧倒されながらも縦横無尽に動き回るカメラに釘付けに。
序盤、薄暗い舞台裏を歩く二人(すごい奥行きのあるショット)が湿っぽい会話をしていたかと思うと、即座に舞台に躍り込んでミュージカルが始まるシークエンスには仰天いたしました…。

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堺駿二、田中春夫、千秋実、夢路いとし&喜味こいし…らがコメディリリーフを務めています。
時代劇なのに、黙秘権、潜入捜査といった現代用語が乱舞し、モダンジャズ調の楽曲がミスマッチ感覚を愉しませてくれる作品で、コマ送り&連鎖コマ割を使ったスラップスティック効果もテンポ良いノリノリ喜劇を演出しています。
20代前半の元気いっぱいの、ひばり&ちえみの生きの良さが爽快な作品で、東映時代劇全盛期のパロディとしても面白いですよ!

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監督は東映の俊英・沢島忠。

当時は「大映の増村保造、東映の沢島忠」と、東西で、競い合っていたのです。

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♪汽車がないから 歩いていこう!

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