見出し画像

ご自愛ばなし

健康管理が重要な今日この頃。身体の健康はともかく、外に出ることができない状況からメンタル面の健康状態を保つのも簡単ではないですね。


メールの末尾によく書く「ご自愛ください」も、これまでは結語代わりだったかもしれませんが、今年には結構大事な挨拶文です。

人にご自愛してねとは言えるものの、自分をご自愛できている人は果たしていかほどなのか。




私は自分のご機嫌取るのはすごく上手です。

ベッドの上でココアを飲む。カロリー高そうなピザを頼む。ちょっといいボディクリームを使う。成城石井でちょっと高めのチョコとか甘いものを買う。好きな海外ドラマを一気見する。(外出できれば)エステとかラクーアに行く。

物理的にできることはたくさんあって、どれもこれも気分転換できるしハッピーになれますが、ご自愛できているのかしら?



私の一番のご自愛の仕方は、自分の感情に率直でいること、一番に大切にすることです。
小さい頃から感受性豊かというか、感情に敏感というか、感情表現が多いというか、感情の起伏が激しいのです。
し、感情が顔に出やすいのもあって、わかりやすい人間です。

だからこそ感情は生ものなんじゃないかと思っています。

なぜなら同じ感情ってあんまりないから。なんというか、小さいころに「美女と野獣」見て感じることと、こないだ「美女と野獣」見て感じることって全然違うように、たとえ同じようなことが起こったとしても、いつどんな状況でどこで起こったかによって全く同じ感情を持つってないんじゃないかな。その時の周りの景色とか、においとかも記憶に残るだろうし。

なので、感情を大切にしています。楽しいとき、嬉しいとき、よろこぶとき、笑いたいときは誰かいることが多いから大丈夫だけど、

どうしようもないとき、どうでもよくなるとき、何が何だかわからなくなるとき、私が悪いの?ってとき、誰の顔も見たくなくなるとき、誰にも話せないとき、思っていることを吐き出しながら歩くか、泣きながら歩くかします。

ベッドで泣いてふて寝もいいけど、個人的にはどこかに感情を置いてきちゃった方がすっきりします。




おとといの夜、ピクサーの映画 "Inside Out (インサイドヘッド)" を見ました。

(ちょっとネタバレ部分があってごめんなさいですが)

5つの感情、リーダーの「Joy ヨロコビ」・「Sadness カナシミ」・「Anger イカリ」・「Fear ビビリ」・「Disgust ムカムカ」が女の子の頭の中の司令塔に居て、感情を司っています。

日々の小さな思い出や記憶が輝く丸い球になり、5つの感情ごとにカラーリングされていて、ストックされていきます。

そのなかでも、”コアメモリー” と呼ばれる、5つの大切な思い出や記憶は、その女の子の人格、パーソナリティを作るものとなります。例えば、おもしろおかしくふざけるのが好きな性格、スポーツが好き、家族・友達を大切にしている、など。

物語は、ヨロコビとカナシミがアクシデントで司令塔から出てしまうことで、女の子は徐々に感情を失っていき、次第にパーソナリティも崩れていくのですが、ヨロコビとカナシミは女の子の感情を取り戻してハッピーに過ごさせるべく、彼女のむかしの記憶や、小さい頃の想像の世界、忘れ去られた記憶の中などを旅して頑張る、というものです。

余談ですがヨロコビ、カナシミ、ムカムカのしゃべり方が海外ドラマっぽくて好きでした笑。

女の子の行動や感情を動かすために、ヨロコビが楽しい思い出や、パーソナリティを形成する元になっているコアメモリーを思い出させたりする(彼女の脳内に投影する)のですが、

思い出させているときに、その思い出にカナシミが触れてしまうと、一気に悲しい思い出に変わり、女の子も楽しい行動をやめてしまったり、途端に悲しくなったりします。

これ、よくあるなあと、腑に落ちました(笑)

楽しいときでもふと、悲しくなるときもあるし、疲れて大泣きしているときも、突然くっだらないことに大笑いした思い出が脳内再生されることってよくあります。なんだか私の頭の中で起きていることが分かったようで少し嬉しかったです。

そして、私の大切な感情を司っている5つはなんなんだろうなとか、5つの中でもリーダーは”喜び”なのかなとか、小さいころから思ってた喜怒哀楽の”喜び”と”楽しみ・楽しさ”の違いってなんだろうな、とか気になり始めました。



そんなこんなでInside Outを見て感情のことを考えていたら、

バレエの「眠れる森の美女」を思い出しました。「眠れる森の美女」のオーロラは、言うまでもなく「真実の愛のキス」で目覚めるプリンセスストーリーですが(うらやましい)、彼女は生まれてすぐに6人の妖精たちから様々な力を授けられます。バレエでは6人の妖精が出てくるのですが、とっっっても素敵なのです。

「やさしさの精」・「元気の精」・「鷹揚の精」・「のんきの精(カナリア)」・「勇気の精」・「リラの精(知恵の精)」

いろいろな妖精の呼び名(日本語)があるかもしれませんが、上記は、私が小学校6年生最後のバレエの発表会で6人の妖精をやったときの先生からのネーミングです。”鷹揚”とか日常生活で使わない日本語、響きからして上品すぎだし、”のんき”っていうのものんびりしているだけではなくてマイペースなかわいらしさに愛らしさも重なってよりチャーミングに聞こえます。

余談ですが、私は「勇気の精(・時には「激しさの精」とも書かれるようです)」でした。まあそうよね。「勇気の精」のバリエーションは出だしから壮大で大きく動くので、今でも最高に気に入っています。

(美しすぎるし、6人の個性がぎゅっと詰まっていてあっという間なのでぜひご覧ください。)

んー、私には何の妖精が来てくれたんだろう。「勇気の精」、「活発の精」、「おしゃべりの精」、「勝気の精(母曰く)」、「素直の精」、「感情豊かの精」、、、などなど考えちゃいました。



自粛生活で外に出ていなくとも、感情をたっぷり感じられる映画やドラマのおかげでとても楽しく過ごしていて、というかいくらでもおこもりできる性格だったってことを思い出して、外出自粛が解禁されても家の楽しさをしめてしまった私はたぶんもうそんなに外出なくなるのでは、、、という感じですが、

外に出て、いろんな人と接しないと感じられない感情や、感情をシェアすることが恋しくなったりもしています。

必要ではない感情なんてひとつもなくて、私は感情に率直でいることを一番大事に思っているので、ネガティブな感情だってウェルカムです。




もし、本当に妖精がいたとしたら、どんな力を授けられたのかな。

気になると同時に、今度は誰かの妖精にもなれたらいいなと、ちょっと思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?