陽明学入門編
こんにちは、そうじろうです
今回は「陽明学入門編」ということで陽明学の入り口ついて語っていきます
「陽明学って何だ?」という人はまずこの記事を見て陽明学の全体像を把握していってください
陽明学を学ぶメリット
まず最初に、、、
「陽明学を学ぶ事でどんなメリットが自分達にあるのか?」ここをお伝えしていきます
ザックリにはなりますが…
陽明学は「心の学問」「行動哲学」と呼ばれており、お世辞抜きに上記のような未来を獲得できる可能性があります
個人的な話ですが自分の場合は…
こんな自分を手にすることができました
つまり、、、
陽明学を学ぶ事で「生涯の友」と呼べる精神性を手にすることができる、ということです
陽明学とは
中国の思想家(政治家、教育者)の王陽明によって唱えられた学問です
王陽明
・1472年〜1529年
・中国の浙江省余姚(せっこうしょうよよう)生まれ
陽明学のベースは「儒教」となっており「儒教の教えをより実践形式にしたもの」と解釈すると分かりやすいかと思います(儒教についてはこちらで解説しています。儒教入門編)
陽明学とは何か?
この問いに一言で応えるなら「心を育てる学問」と言えます
また、陽明学がブームになった理由ですが、それは1800年代後半。幕末の時代
西郷隆盛、近藤勇、河井継之助、などの武士たちが好んで学んだことにより、日本に多く広まるようになりました
なぜ陽明学が必要なのか?
なぜ陽明学を学ぶ必要があるのか?
その点について解説させていただきます
1.攻撃的な社会から身を守るため
現代社会の攻撃性は異常です。SNSを開けば「〇〇の不倫」「〇〇が過去やっていた事を暴露」「〇〇やられたので訴えます」こんな話題ばかり
「はぁ〜。もう疲れたわ〜」
あなたもきっとこんな感情を抱いたことがあるかと思います。そして、この攻撃性はより強くなっていきます。
なぜか?
その理由は景気が悪化の一途を辿る一方だから、です
不景気になればなるほど人々のストレスは溜まります。そして、そのストレスを発散するために人の攻撃は高まります
もはや時代は暗黒時代です
だからこそ、その攻撃から身を守る「心の強さ」を自分達は手にしなければいけないんです
2.自分が失われているカオス社会
「自分軸が見つからない」
↑
それ俺のこと!、と感じる人も多いと思います
で、なんですが、その最たる理由は現代社会が「見えすぎるから」なんですよね
人間は選択肢が多ければ多いほど迷いが生まれ、正しい判断ができなくなります
あなたも一度は、
「う〜ん。この洋服着てこうかな?でもでも、こっちの靴には合わないか?でもなぁ、今日デートだしラフすぎるのもなぁ〜」
こんな経験をしたことがあるかと思います
そして、
現代は、SNSやスマホを通して色々な人の生活が見えてしまう。だからこそ迷う。「俺ってこれで良いのかな?あの人は違うことやってるしな」なんて具合に。
だからこそ、「俺はこれをやる!」という強い意志を育てる必要があるんです。でないと、周りの情報に踊らされ続けるマリオネットのような人生を過ごすことになってしまいます
3.装備品ばかり求める情報化社会
情報を制すものが現代を制す
↑
正論に聞こえそうですが、実はこれは間違い
なぜなら、情報というのはその情報を扱える強い心がなければ生ゴミ同然だから、です
例えば、「ブルーベリーはアンチエイジング効果がある」という知識があったとします
けど、この知識を知っていても何の意味もありません。大切なのは毎日ブルーベリーを食べること。そして、それを毎日継続することです
ですが、どうでしょう?
忙しい生活の中で、毎日欠かさずブルーベリーを食べることはできるのか?
朝から泣きじゃくる子供がいるかもしれません
会社に着いた早々ブチ切れるヤバい上司がいるかもしれません
投資詐欺で30万を失うこともあるかもしれません
こんな不安定な毎日の中で「ブルーベリーを毎朝90g食べる」ことができるのか?これってかなり難しいと思うんですよね
「知識を知っていること」と「知識を使えること」は別問題
ここを明確にせず、情報だけを切り売りしているのが現代社会なんです
だからこそ、情報を扱える強い心を育てる必要がある。そのためにも陽明学を学び、強い心を育てる必要があるんです
王陽明の生涯
ここまでの記事を読んで「確かになぁ。心を強くしないとこれからの時代は生き抜けないなぁ」と強く感じていただけたかと思います
それと同時に「陽明学って面白そうだな。自分も学んでみたいな」と感じたかと思います
ですので、この章では陽明学を提唱した王陽明の生涯を伝えていきます
1.幼少時代
王陽明は1472年9月30日。中国の浙江省餘姚(せっこうしょうよよう)県生まれ
王家は代々士大夫(したいふ)の家系で貧しい暮らしを強いられる家庭ではありませんでした
(※士大夫とは「科挙によって官の資格を得た人」。役人のこと)
子供の頃の陽明はガキ大将的な風格を持ち、
仲間と戦争ごっこをよくしていたそうです
その一方で、おじが音読していた本の内容を暗記し、一語一句間違えず暗唱していたという逸話も残っています
つまり、、、
「頭のキレるガキ大将」。これが陽明の幼少時代です
2.青年時代
1488年。17歳の時に結婚。これをきっかけに父に続くべく、陽明自身も本気で科挙試験の勉強を開始します。
何度か試験に挑戦しますが中々試験を突破できず
ですが、諦めずに挑戦し続けた結果1499年、28歳の時に試験に合格。晴れて官僚への道が拓けるようになりました。
ちなみに、この時に陽明が落第した友人に「世の中は落第を恥とするが、私は落第したことに心が乱れることを恥とする」という立派な言葉を残しています
3.官僚時代
陽明は試験合格後、建設省の見習いとして墳墓築造の監督に就きます。その際に5人または10人を1組として連帯責任を取らせる「什伍の法」という兵法を用いて工期を早々に終了させるなどして才能を発揮していました
ですが優秀なことが災いし仕事がひっきりなしに舞い込みます。激務に耐えかねた陽明は30歳の時に肺病を患います
そして、
これをキッカケに2年間の療養生活を送ることになります
また、この休養期間で陽明は「神仙(しんせん)」と「仏教」に傾倒したと言われています
※陽明には五溺(ごてき)と呼ばれる精神遍歴がある「神仙(しんせん)」「仏教」「任侠」「騎射」「詩文」
4.左遷。暗黒時代。陽明学の確立
33歳になった陽明は体も回復し郷試の主考官(試験を司る官)に就きます
これと同時に儒教を講義する学者・教育者の道も歩むことになります
体力も気力も回復した陽明。ですが、35歳の時に大きな転機が訪れます
宦官(かんがん)(王の宮廷に仕える者)である劉瑾(りゅうきん)を批判した友人を弁護したことで、投獄され、四十杖叩きの刑にあいます
この「四十杖叩きの刑」は死亡率が50%と言われ、陽明の尻の骨を砕き、ももの骨を粉砕したそうです
ですが、
陽明はなんとか九死に一生を得ました。ただ苦境は連続するもので、龍場という山奥の宿場町に左遷されてしまいます
龍場という土地は未開の地。言葉も全く通じない土地でした
ですが陽明はこの境遇にもめげず、土地を開拓し、住民とも打ち解け、住民に教育すらしていったとも言われいます
そしてこの時の経験が「格物致知」や「致良知」などの悟りに関連していきます
5.晩年
この土地での陽明の行動は人々の評判を呼び、39歳で官吏(かんり)(国家機関に勤務する者)へ復活することになりました
そして41歳になった時に始めて「陽明学」を講義することになります
そして、陽明が45歳になった時、官僚から軍人へと転換していきます
この時に反乱軍の鎮圧や、敗者への対応などをしており、軍人としての評判もすこぶる良かったようです
また、軍事の職を全うすると同時に陽明学の講義も行っていました。評判も非常に良く講義は大人気だったようです
しかし1529年、元々病弱だった陽明の体に限界が。58歳でこの世を去ることになります
以上が王陽明の生涯となります。波瀾万丈の生涯ではありますが、だからこそ陽明学という素晴らしい教えを残せたとも言えます
陽明の体験の中で血肉となり体系化されたもの、それが陽明学です
陽明学を学んだ人々
・渋沢栄一
500社の企業に関わったと呼ばれる起業家。「資本主義の父」と呼ばれる
・近藤勇
言わずと知れた新撰組局長。武士たちが憧れるカリスマ
・西郷隆盛
貧乏武士から天下一へ。下剋上を果たした真剣熱烈の志士
・山田方谷
備中松山藩が抱える200億の借金を返済し200億を貯金した至誠の男
・佐藤一斎
佐久間象山、吉田松陰など、名だたる人物を生み出した圧倒的リーダー
・安岡正篤
内閣総理大臣の指南番
・大塩平八郎
飢餓に苦しむ市民を救うために自分の蔵書を売り払い10.000人に食料を配布した君子
・河井継之助
日本にガトリング砲を初めて輸入した施策家
この他にも多くの人が陽明学を支持していました。「志高くその時代を生き抜きたカリスマ達」が学んでいた学問。それが陽明学です
陽明学の真髄
ここまで記事を読んだあなたはきっと…
「陽明学。めちゃくちゃ面白そうだな。早く内容を学んでみたい!」
という期待で胸が一杯かと思います
そんなあなたのために陽明学の真髄を学べる記事をいくつか作成しました
※この記事で陽明学の教えを紹介してしまうと、余りにもボリュームが大きくなり過ぎてしまうので、小分けにしてお伝えしていきます
「巻一」から順々に読んでいただくと、腹に落ちるかと思いますので、ぜひ学んでいってください
【陽明学の真髄 第一巻】
【陽明学の真髄 第二巻】
【陽明学の真髄 第三巻】
【陽明学の真髄 第四巻】
【陽明学の真髄 番外編 啾啾吟】
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?