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陽明学の真髄 第二巻

こんにちは、そうじろうです

今回は「陽明学の真髄 第二巻」ということで『格物致知』『省察克治』『事上磨練』を紹介していきます

※「陽明学の真髄 第一巻」はこちらから

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学びて思わざれば則ち罔し(くらし)、思いて学ばざれば則ち殆し(あやうし)
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という孔子の教えがあるように、自分事として考えながら学ぶことで知識は知恵として昇華されていきます


ですので、

知識をただ丸暗記するだけでなく、「これってどういうことかなぁ?」と自分で考えながら学んでみてください

では、本編をどうぞ



格物致知


陽明学の中でも重要なファクターである「格物致知(かくぶつちち)」について今回は解説していきます


格物致知を一言で表すと

『自分の道を真っ直ぐに格(ただ)すことで知恵が澄み渡ってくる』

現代の社会は情報に溢れています。幸せの定義も沢山存在します。だからこそ、迷ってしまうんです

「日々生活してるけど「生きている」のではなく「生かされている感」しか感じないなぁ」

こんな悩みを解決できる教えが「格物致知」となります


格物致知を身につけると得られる変化

✅「自分が何をすれば良いのか分からない」とうい虚無感から開放される
✅何にも動じない不動心を手にするキーポイントを掴める
人生の充実度が2倍3倍5倍と急激に上がる
くだらない不幸ばかり流すネットニュースに心が動じなくなる


格物致知を詳しく解説

では、格物致知について詳しく解説していきます

まず「格物致知」をどのようにして読むのかをお伝えします

『物(もの)を格(ただ)して知(ち)に到(いた)る』

つまり、自分の道(物)を正しく真っ直ぐにする(格)にすることで、知恵(知)が澄みわたって(到)くる、ということです


実のところ、朱子学と陽明学ではこの「格物致知」の解釈が異なっています(※朱子学と陽明学の違いについてはこちらで解説。「朱子学って何?」という方は必ずチェックしてください)

「読み方の違い」
朱子学→物(もの)に格(いた)りて知(ち)に致(いた)る
陽明学→物(もの)を格(ただ)して知(ち)を致(いた)す

「解釈の違い」
朱子学→知恵というものは物事を追求することである
陽明学→物事の道を真っ直ぐにすることこそが知恵そのものである


分かりやすく言うと、「勉強しまくって知識深めようぜ!(朱子学)」と「自分の道を真っ直ぐ素直に生きれば知恵は勝手に入ってくるよね!(陽明学」」の違いということ


そして陽明はこの朱子の考えを批判しています。また、朱子自身も晩年は「自分の考えは間違っていたんじゃないか」と悩んでいたそうです

ですので、「格物致知」の意味としては「自分の道を真っ直ぐ素直に生きれば知恵は勝手に入ってくるよね!」を参考にしていってください


では、ここからは、この「格物致知」をどのように自分たちの生活に落とし込んでいくのかを解説していきます

まず、ですが、現代社会は「物を格す」という概念が完全に失われてしまっています。「人間として正しいこと」とか「自分はこう生きたい」とか


そんなことよりも「儲かるもの」「数字稼げるもの」「いいねが増える必殺技」に目がいきがいちです。で、そんなことばっかりしていると、「自分のやりたいこと<数字」という考え方になり身を滅ぼすことになります

ですので、行動の原理原則に「格物致知」を当てはめてみてください。それこそ、潜在意識に貫通するくらい強く「格物致知」をイメージしてください



この考えを持つことで、自分の行動が正しくなり、必要な知恵や知識が勝手に入ってくるようになります


それこそ、

現代社会は情報が多すぎます。「情報が多すぎて結局何をやれば良いか分からん…」とうい悩みを抱えている人も多いかと思います

そんな悩みも「格物致知」で解決することができるようになります


なぜなら

「俺はAという道を進むと決めた。だからBを進むための知識は必要ない!」という強い不動心が芽生えるからです


自分自身、この格物致知を意識しながら毎日生活しているんですが、勝手に心が磨かれていく感じや、自分のやるべきことがスッと入ってくる感覚を覚えるようになりました

「頑張ろう」とか「やらなくちゃ」ではなく、

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「あ~、俺はこれやった方がいいなぁ。じゃぁ、陽明学に関する記事作った方が良いよなぁ~」
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こんな感じです


自分の心に素直になる人間として正しい判断をする。そうすることで道が勝手に拓けるようになっていきます

「俺って結局何がしたいんだ、、、」と悩んでいるなら、是非「格物致知」を意識してみてください。乾燥しきった湿った心にボッと炎が灯るはずです



省察克治


欲望発生装置がいたるところに仕掛けられている現代社会。その救世主となるものが『省察克治(せいさつこくち)』です

省察克治を一言で表すと

「自らを反省することで自分の欲望をコントロールしていくこと」という意味があります

「あれも食べたい!」「これもやりたい!」「もっと金が欲しい!」という欲の悪魔に取り憑かれないために必要なものが『省察告知』です


省察克治を身につけると得られる変化

脳を刺激するような欲望発生装置から身を守ることができるようになる
✅自分が本当にやりたい「自分軸」が見つかるようになる
欲の暴走が招く大失敗を未然に防ぐことができる
✅「反省癖」が付くので物事の成功確率がグッと上がる
✅無駄な情報を遮断できるようになり自分らしい人生を歩めるようになる


省察克治を詳しく解説

陽明学や儒教の教えの中でも、最も重要視される項目が「反省」です。
そして、その中でも「欲望をコントロールする役割」を担うものが省察克治となります

『要約』
省察→自らを省みること
克治→己の欲望を治める(コントロール)すること


自分の行いを反省し、自らの欲望に気がつく

そして、それを反省し改善する

そうすることで心をコントロールすることができるようになっていきます


「あ、俺は仕事帰りにコンビニの前を通るからお菓子を買っちゃうんだな」とか「電車内で見るSNSがもしかしたら仕事の集中力に影響してるのかな」とか

こういった自分の欲は自分で自分自身を反省しない限り、改善することはできません

ただ、逆に言うと、反省さえしてしまえば、自分の欲望をコントロールすることができるようになり、無駄な行動や浪費癖を治せるということでもあります


また、儒教の教えを問いた孔子の言葉に、このようなものがあります

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我(われ)日(ひ)に我が身を三省(さんせい)す
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『三省』
1.人のために心を尽くしたか?
2.信義にかけるようなことをしなかったか?
3.物事をよく身に付けたか?


世界三大聖人と呼ばれる孔子は、常にこの「三省」を意識していました。それこそ、この「三省」を「三回」と解釈して、「一日に三回反省する」と捉えてもらっても構いません

「暇があったらとにかく反省する」

この”反省癖”を付けることが、自分の未来を切り開くキッカケにもなります


「自分自身の欲望をコントロールできない」

「食欲の暴走が止まらない」

「分かっているのにすぐ怒る癖が治らない」

なんて時は是非『省察克治』を意識してみてください



事上磨練

陽明学は「実践の学問」です。そして、その「実践」という意味でも「事上磨練(じじょうまれん)」は非常に大きな役割を担っています

陽明学の中でも”主の教え”になるので何度も繰り返し学んでいってください


事上磨練を一言で表すと

「生活の行動一つ一つが自己を修養するための修行である」という意味があります


事上磨練を身につけると得られる変化

✅「時間がない」という言い訳癖がなくなり自己肯定感が上がる
✅毎日の行動一つ一つが綺羅星の如く輝くようになり1日1日が充実する
「思ったら即動く」という瞬発力を身に付けることができるようになり周りに尊敬の眼差しで見られるようになる


事上磨練を詳しく解説

では、「事上磨練」を詳しく解説していきます

陽明学は「行動哲学」と呼ばれているくらい「実践」を重要視します


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瞑想をしたり勉強をする「静」に答えを求めるのだけではなく、毎日の生活や仕事の「動」の中でも、自己の修養は可能である
===

このように陽明は語っています


それこそ自分たちは「知」から「行」に向かう癖があります。「まずしっかり吟味してから動く」というと、当たり前のことに思われるかもしれませんが、実際は何事もやってみないと分かりません

「どんなに準備をしたって失敗するか成功するかなんて誰にも分からない。なら、まずやってみりゃ良いじゃん。で、失敗したらそれが学びになるし、成功してもそれが学びになるんだよ」

これが陽明の考え方であり、事上磨練の真髄でもあります


それこそ、「知ってから動く」という流れだと、どうしても「やらない」という選択肢が出てきてしまいます

「ちょっと怖いからやらない」「明日やろう」とか


ただ、この考え方が浮かんでしまった時点でアウトです。現場での学び、つまり、事の上(事情)での磨練(学び・成長)が出来ないということになってしまいます

自分自身この言葉を学んだ時に、

「確かにそうだよなぁ。ホームランの理論を勉強したって練習でホームランが打てたった、試合の時の緊迫感の中でホームランを打てるかどうかは別物だもんな。実際の試合(事上)で経験を積まないと意味ないよな~」

という考えが浮かんできました


また、事上磨練を意識することで「やってみなきゃ分からない。とりあえずやってみようっかな」という楽観的な考え方で行動できるようにもなります

実際に自分は事上磨練という考え方のお陰で、「やりてぇ!」と思ったら即動けるような体になりましたしね


※「そういえば俺山登ったことないな。山登るか!」ってことで高尾山に登ってきた時の写真⇓⇓

「毎日がなんかつまんねぇな」なんて人は「今の仕事や生活の中で学べることは必ずある」という気持ちをもってみてください

そうすることで自分の意識や行動が北極星のように輝いていきます


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以上が、【陽明学の真髄 第二巻】となります

自分は今回の教えを日々の生活で素直に実践しているのですが、1年前の自分が嘘のように自分が変わりましたね

行動はもちろんのこと、考え方が変わったし、何よりも素直になることができたかなって思ってます


歳取ってくると「俺は俺のやりかたでやるんだ!」という謎の頑固思考がでしゃばってきますしね。ここが取れたことは本当に良かったなって思ってます

あ、あと、「陽明学を学んでこんな変化がありました」とか「この知識は本当に良いなって思いました」とかあれば、是非コメントしてくださいね

アウトプットすることで知識が長期記憶として保存されやすくなりますし、コメントいただければ自分も嬉しいので。では


P.s

「まだまだ学びたい!」って人は続けて陽明学の真髄を学んでいってください。ドンドン自己を成長させていきましょう

【陽明学の真髄 第一巻】

【陽明学の真髄 第三巻】

【陽明学の真髄 第四巻】

【陽明学の真髄 番外編 啾啾吟】


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