昨日の記憶
見上げると夕焼けだった
見上げながら歩いた
晩ごはんは
まだ決めていないと言っていた妻が
ハンバーグを作り始めていた
ハンバーグはよく作ってくれるけど
いつもソースが少ない
子供たちはハンバーグは
そういうものだと刷り込まれている
屋上に出ると
まだ夕焼けが残っていた
そのときの僕は
惰性になってしまいそうな
無理を続けることが
自分に嘘をつくことだと
もう分かっていた
皿いっぱいの和風ソースの上に
ハンバーグが乗っていた
初めて見る光景だった
ある料理研究家のレシピ通りに
作ってみたと妻は胸を張った
僕は夕焼けを思い出して
すべてが上手くいくような気がした
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