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抹茶と粉末茶の飲み比べ。お茶の楽しみが広がります。

ごきげんよろしゅうございます。
自宅でのお点前の練習に使っている抹茶が湿気ってしまったのか、お茶の風味がない苦い粉になってしまいました。
30gでもなかなか使い切らないですよね…。
せっかく奮発して、ちょっとだけ贅沢な京都の老舗の抹茶を買ったのに。

これは人に言うと嫌がられそうなのですが、風味の落ちた抹茶は新しい抹茶に混ぜてリサイクル。
個人的には満足できる味に復活していると思います。

新しくお点前用に購入したお茶です。

茶葉を強風に当てて乾燥させるので、葉っぱの成分が壊れずパウダーになる、というセールスに惹かれました。
体にもよさそうですし。

さっそくこれでお茶を立ててみたところ、茶葉を噛んでいるような野性味あふれる味わい。
抹茶というよりは、緑茶を濃縮した感じで、すっごく緑茶。
よく見ると、これは
「粉末茶」
で、お湯で溶いて楽しむお茶だそうで、立ててから頂く抹茶とは違う、のかしら。

加工の仕方が違うと、風味もがらっと変わるのかな?と思って調べてみたら、抹茶と粉末茶ではそもそも使用する茶葉の育て方が違いました笑

道理で稽古場でいただくお茶と、自分で立てるお茶では風味が違う、
「やっぱり、お稽古だと高級なお茶を使っているのね」
と喜んでいたのに…。

きちんとお茶のDisciprineに集中して、丁寧にお点前をすればお茶は美味しくなると思っていましたが、それはただの

抹茶と粉末茶の違い


で、私のやる気は関係ありませんでした。

抹茶は茶葉に覆いをかけて、直射日光を避けて育てた茶の葉を使いますので、旨味があって柔らかい甘みがあります。
見た目も松葉のような濃い緑色で、いわゆる抹茶色とは異なっていて、立てたばかりの抹茶は茶碗の中でつやつやと緑に輝いて、見た目が美しく飲んで美味しい!

抹茶は苦くて、と嫌がる人もいるのですが、おそらくそれは粉末茶を飲んだのでは…。
そしておそらくなのですが、海外で
「Matcha powder」
として販売されているのは、粉末茶のことだと思います。

茶葉の旨味成分のテアニンは、日差しを浴びるとカテキンに変化するため、それが抹茶と粉末茶の風味の違いになっているのですね。

そして、もう少しお茶の成分について調べてみたら、興味深いことがわかりました。
抹茶の旨味成分のテアニンは、血管を経由して直接脳に作用し、リラックス効果をもたらすのだそうです。
ストレスで気持ちが張り詰めがちだったり、寝つきの悪い人もテアニンを摂取すると症状が改善するそうです。

一方、緑茶の成分として有名なカテキンは、
「体脂肪が気になる方に」
のコピーで知られる特定保健用食品で、腸からの糖分の吸収を抑える効果があります。


だからダイエットや糖尿病の予防に効果があるのですね!
あと、カテキンは消臭効果があり、歯周病予防にもなりますので、食後は緑茶を一杯飲む習慣を持つことをおすすめします。

ちょっと話が抹茶からはズレますが、お茶の消臭効果を体感したできごとがありました。
中国の南部、ちょうど台湾と海をはさんで向かい合わせの場所にあるアモイという街はお茶の発祥の地で、地域には朝昼晩の食後の一杯はもちろん、ちょっと手を止めてお茶を飲む喫茶の習慣が根付いています。
街のオフィス街の軒先にも茶器とヤカン、水を入れたボトルを乗せたテーブルが並んでいて、仕事の合間に自分の茶器でお茶を飲むので、のんびりした景色で絵になります。

アモイでの商談はまずお茶のふるまいがあり、お茶談義をしながら相手の人柄や趣味のよさを推し量るので、本題に入る前に1時間ほどかかるらしい笑
よその土地の人は迷惑がって、早く商談に入りたがるけれど、

「共にお茶を飲まなければ、腹を割った話はできない」

ゆっくりやるのがアモイ人、上海の人はなんでも急ぐけれど、ここはアモイだから。
でも、ビジネスは上海の人が上手。我々はかなわないね、と現地の人は笑っていました。
国が広いと言葉も人の気質も地域でまったく異なっていて、どうも反りが合わないということがあるようです。

アモイの人は一日中お茶を飲んでいるからなのか、ニンニクが入った料理を食べているのに口臭や体臭を感じることはありませんでした。
私も現地では服にあまりニンニクやスパイスの臭いが残らず、カテキンの消臭効果を感じたものです。

抹茶のテアニンと緑茶のカテキン、どちらも健康によいなら一緒に飲んでしまえばよくて、横着してブレンドしていたのは怪我の功名、大正解だったと言えなくもない気がします。
でもやっぱり、茶室でいただくならテアニンの旨味がたっぷりな抹茶が似合いますね。

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