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「ビジネス会食完全攻略マニュアル」サラリーマンの接待の心得に、茶道のルーツを感じます。

ごきげんよろしゅうございます。
先日のぞきに行った呉服屋から、展示会の案内が来ていたので、日程を手帳に書き込みました。
店主氏がお茶人なので、せっかくなのでお茶をいただいてきます。
上手な方のお点前は滑らかに手が動いて美しいですよね。勉強になります。
私は関節に油が回っていない感じで動いて、ギクシャクとお茶を立てております…。

茶道をかじり始めて実感するのですが、お茶は入室の際のふすまの開け方や礼の仕方、扇子の構え方、足の運びまで細かく決められています。
でも、お茶のDisciprineの通りに動くと所作が美しく見えるだけでなく、茶席がスムーズに進行して快適なのです。
茶道はおしとやか、というよりも、ロジカルに組み立てられていて、エンターテイメント性もあり且つ配慮に満ちているのが面白いところだなあと思っています。

どうして細々としたルールを決めるに至ったのか。
おそらく、そうしておかないと

人の茶碗をむやみに品定めして、自分もほしいと騒ぐ
お茶を勧められたのに、話に夢中
何杯も飲む
途中でいなくなる

グダグダになってしまらないことがあったので、べからずを決めたのかもしれません笑
あと、そもそも日本人は「道」にするのが大好き。

鎌倉武士が和歌を嗜んだように、戦国武将はお茶を稽古して茶席を設けていますし、現代のビジネスで成功した人はゴルフとワインに打ち込むのは、
「社交」
の必要があるから、ですね。

エスタブリッシュメントだと自負する人は、よいマナーと教養、そして威張りの効く茶道具を秘蔵して、出し惜しみつつ見せびらかすのが心憎い振る舞い。
それはいつの時代も変わらないようです。
だから織田信長は武力に物を言わせて、堺の商人や弱小武将から茶道具をカツアゲして、いくらお茶好きだからって本当にひどいですよね…。
余談ですが、信長は子供の名前に

茶筅丸
五徳
ふり

と、茶の湯に ちなんだ名前をつけているので、お茶好きだったのだろうなあと親近感と、もう少し考えて付ければいいのに、と残念な気持ちが入り混じります。

話が大幅にずれてしまいましたが、面白い記事を読みました。
ビールの注ぎ方には茶道の流派に通じるものがある、というお話。

確かに、ビールもお茶の立て方も、泡の出し方にはこだわりますよね。
注ぐ角度や泡の量と乗せ方まで、こまごまと指導を入れるのはまさにビール道!

そういえば、学生の頃にレストランでアルバイトをしていたのですが、企業の接待やパーティーの席ではかならず
「ビールの銘柄」
にチェックが入りまして、関連会社のビールを使うよう指定がある場合は、前日に冷蔵庫の瓶ビールを入れ替える作業を
していました。
「今日はキ○ン限定!絶対に他のは出さないで!」
※台東区なので普段は某飲料メーカーのビールを仕入れていた。

無地のグラス冷やしとけって言っただろ!
Asahiのロゴのヤツ出したら会社の問題になるだろ!

と殺気立つので、ビールで死人が出る大人の世界怖い。。。と思いました。

でも、このアルバイトの経験は学ぶところが多かった!
仕事を進める上で会食は不可欠なものですし、接待をする側のビジネスマン は徹底的に下調べをして、円満に会食を進める心尽くしをしています。
それを内側から見ることができたのは良い勉強になりました。

あまり大きな声では言えませんが、名前のある企業の社員ほど接待が上手で、主賓が入る前に部屋の空気を入れ替え、空調やテーブルの位置をチェック。
会計やタクシーの手配、手土産を渡すタイミングまで抜かりがないです。
主賓が会場を出て、エレベーターでフロントまで降りて、そのまま足を止めずにタクシーに乗り込むように計算して手配してますよ。。。
大人の世界、凄い!
もはや接待というより
「接待道」
を見ている気すらします。

大企業のビジネスマンほど接待が上手なのは、回数をこなしているのもありますが、上司から部下へノウハウを伝えているから。
慣れている人を真似るのが間違いない。

「ビジネス会食 完全攻略マニュアル すべての食事会を成功に導く最強の実務メソッド」

この本はAmazonビジネス本ランキングで1位をキープしていることからもわかるように、ビジネスマンの
「こんな本がほしかった!」
のツボに入る本です。
読んでいると、レストランでのアルバイトで見た、接待の席でのベテラン営業マンの振る舞いを思い出します。

大変お世話になった人が、近くに来たからと声をかけてくれたので、オフィスの隣のチムニーにお連れしたら、
「君はここによく来るのか」
と遠回しに注意された、この辺で接待に使える店を知ってる?と聞かれると、なんだかもう、どうしたらいいんだろうと困ってしまいます笑
こういう失敗は、ただ知らなかったのが原因なのですが、ビジネスの信用に関わることです。
接待が上手くいかなくて、どうにも座が盛り上がらず主賓をエレベーターホールで見送った後の寒風が吹く感じは、脇で見ていても辛いものです…。

本著は、
「会食の核心は、他者への想像力と確固たる意志」
というメッセージで締めくくられて、まさにそれは茶道の
「一座建立」
亭主が心をこめてもてなし、客が感動で満たされた時に生まれる一体感を尊ぶ精神と一致するのが面白いところ。



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