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仕事とは父を超えること

わたしにとって仕事とは、父を超えること。
それこそが父への、親子孝行。

父から学んだ仕事のスタイルを、3つ紹介させてください。

① 休みの日という概念がなかった

私の父は幼少期から目が見えない。

父は70歳過ぎなので、昭和時代全盛期の目が不自由な人がする仕事は必然的に限られていた。

父の仕事は鍼灸師である。

鍼灸師とは極細の医療用針を使用し、人の体にあるツボを刺激する。人間本来持っている自然治癒力を向上させ、病気を治していく立派な仕事だ。

鍼灸師としての父の姿を、わたしは物心ついた時から身近で見ていた。

東京都心の13坪狭小住宅で自宅兼治療室。

1階が仕事場、2階が住居。当然、治療に来院されたお客様とも会う。
子供ながらになかなか気まづい。こんな生活が中学2年の冬まで続いた。

父の仕事は日曜定休。開院時間は週6日(月〜土)朝9時から夜7時頃まで。空き時間は書籍やテープレコーダーで勉強していた記憶がある。

日曜定休であったが、日曜日に自宅にいることは滅多にない。

鍼灸の治験を深めるため、医師会や母校で講師活動をしていた。

今でも思うが、いつ休んでいたのか疑問である。

幼少期から目が不自由で、好きな仕事につくことも出来ずいたが、私を何不自由なく育ててくれた。金銭面も含めて、なぜそんなことが可能だったのか今でも不思議でしかない。


一旦、父の話とそれます

空き時間や休みの日の過ごし方こそ、その人の人間性を決めると気づけたのは2•3年前。

わたし自身、本当に多くの時間を無駄にしたと反省。

そりゃ父には追いつけない。

言い訳であるが…
完全に世の中に流されていた。

父から学んだこと「休みの日に休まない」

これは30歳過ぎて深く共感できた言葉である。

わたしは1年半前まで会社員として勤務してた。

今は地方移住し、起業するために日々チャレンジ中。

父を超える為に。

② 常に学びの姿勢を貫く

休まないと似ているが、父は常に仕事(鍼灸師)の勉強を欠かさない。

  • ゲーム

  • ギャンブル

  • 飲酒

  • 無駄にテレビを見る

  • 昼過ぎまで寝る

こんな場面は見た記憶がない。

さすがに演歌と時代劇は、多少趣味として嗜んではいたが、、、

父の学びのスタイルは以下のとおり

  • 本(点字)や音声で学ぶ

  • 人に教えアウトプット

  • 文書に残す

この学び・知識定着の鉄則を父は独立してからずっと続けていた。

わたしは社会人として知ったが、気づけば父が身近で実行していた。

一つの道を究める為に、1000時間とも言われている。

パイロットなど特殊な仕事でもフライト時間は極めて重要な評価軸。

父の仕事は人間の体に触れ、これまで発見できなかった治療法が見つかる。

これは、時間だけで解決できないこともある。

多くの治験者から得た治療法をまとめ、共有し教えあうことで技術が向上する。

つまり、自分だけの知識だけでは限界がある。


日本人は特に大人になってから勉強しない。

わたしも人のことを言える立場ではないが、学び時間が少ないせいで人生を損をした経験がある。

もっと早く気付ければと嘆いても仕方ないが、今では父を超えるため学びを欠かさない。

学ぶことは楽しい、人生を豊かにできる、人に喜ばれる。

父から学んだこと。いつもまでも大切にしたい体験である。


③ 人に感謝される

父はどちらかと言えば儲け上手ではなかったかもしれない。

びっくりしたことに治療費を30年も据え置きし、ようやく昨年に500円ほど値上げした。

近隣の鍼灸院と比較しても、父の実力を加味したら安すぎだと思う。

だからこそ、人には物凄く感謝されている。

父の治療を受けて、どこへ行っても治らなかった持病がよくなったという話は子供の時から聞いていた。

本当に東洋医学とは不思議なものである。人間の治癒力を引き出しているだけだそうだが、一般的な西洋医学とは対照である。

私も専門家ではないが東洋医学と西洋医学の違いは、

西洋医学は投薬や手術といった方法で、体の悪い部分に直接アプローチして治療していく。 これに対して東洋医学というのは体の不調を内側から根本的に治す治療法。

東洋医学の領域では、具体的には父の仕事である鍼灸やあん摩の他に、漢方といった方法で治療を進めていくそうだ。

開業医として40年近く商売ができることは常連様に愛され、長く来院して頂く大切さも父から学んだこと。

人に感謝され長きに渡り、商売を続けることは本当に難しい。

人に感謝されることが、商売の秘訣ということは父から学んでいた。

わたしは40代で経営者として独立し商売をする。

商売で世の中の役に立ちたい。

目先の利益だけでなく、どんな人に向けて、どんなサービスを行い、どのように喜んでもらうかを決して忘れない。


まとめ

ここまで読んでいただき、本当に感謝いたします。

働くことは楽しい、苦しい時もあるけど、多くの人に喜んでもらえ感謝される。

このことを幼少期から学ぶことができた父に「ありがとう」と言いたい。

まだまだ父も成長中。わたしも負けないよう努力します。


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