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12歳で掛けられた呪いを引きずっていた27歳OLが前髪を分けた話
1度折れた紙が元に戻らないように、
いじめられた側はその記憶が心の傷となって一生残ってしまう。
なんて言葉を聞いたことがある。
つい最近、それを改めて意識することがあった。
私はどちらかというとおしゃれには無頓着な部類で、特にヘアアレンジなんて不器用すぎて上手くできた試しがない。
ここ数年はまともに髪を結んだことすらない状態だ。
それでも何故かずっと、前髪をぱっつんで下ろすという謎のこだわりがあった。
美容室に行っても、まず前髪を切って欲しいと伝え、量が減ってしまうのだと言って増やして貰おうとする。
「目にかかって鬱陶しいから」などと理由を並べ、いい年して眉ギリギリで揃えて切ってもらう。
朝のヘアセットでも、お昼休憩の身だしなみチェックでも、髪の毛なんて大してケアもしていないのに、前髪がないことだけは気になってしまう。
あれば安心で、うまく下されていないとすごく不安になる。
そもそも分けて流すというスタイルもあるのに、なんでこんなに気になるの?
答えはすぐ出てきた。
「だって。面長の人は前髪下さないと」
顔タイプは様々あるが、私は面長なタイプで。
それがめちゃくちゃコンプレックスだった。
それを少しでも隠すために前髪を下ろす。
これまでの私はそう結論付けていた。
いやいや、ちょっと待って。
そもそもなんでコンプレックスになったんだっけ。
この間、次の美容院の予約をした時、ふと思考が巡った。
丸顔の方が可愛いから?
確かに可愛いと思っていたし憧れもあったが・・・
いやいや、最近私が好きな女性アイドルはどちらかと言うと面長に近い。そして前髪も上げている。
なんでだっけ。なーんて考えてたら、あまり思い出したくない記憶が蘇った。
「凄い馬面だね。」
12歳の時に、級友にからかわれた時の記憶。なんだかそのワードがヒットしたらしく、暫くの間、よくノートに馬に扮した私のイラストが落書きされた。
(これを書いているだけでも正直気分が悪いが。)
いや〜あったな。そんなこと(遠い目)
とか感傷に浸っていたのもつかぬ間、衝撃的なことに気がついた。
「え。27歳にもなって小学生の頃のイジリを引きずって、前髪下ろし続けていたの私…?」
それが許される許されないはさておき、いい歳した大人が12歳のガキ達の言葉に縛られていたのか。この先も?
いやいや、そんな勿体無い。
ということで、その次の美容院では思い切って前髪を切らずに分けるスタイルにしてもらった。
不思議なもので、これを言い出すのがすごく勇気が必要だった。
頭ではこのコンプレックスは過去の呪いだと分かっているのに、「やっぱ似合わないですよね〜」なんてモジモジしてしまう。
「そんなことないですよ。見慣れないだけで似合ってますよ」
なんて美容師さんの言葉をもらってようやく安心する私(アラサー)
まだ今も鏡を見るたびにモジモジする気持ちと、過去の呪縛から少し解き放たれてスッキリした気持ちが混じり合っている。
きっと、言ったあの子はすっかり忘れているだろうけど
私は15年経ってようやくこの呪縛を解こうとしているよ。
まだ完全には解放されていないから、これから少しずつ溶かしていきたいね
ピヨピヨ🐥
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