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旅の記録、忘れたくないこと

久しぶりに友達とふたり旅に出た。神戸有馬温泉。

友達は遠くに住んでいるので現地で待ち合わせ。お腹がすいていたので着いて直ぐに新神戸でランチ。カレーを食べた。もっと辛くてもいいかな、と思う辛さだった。普通を選んだけど一段階上にすればよかったかな。

新神戸の駅は思ったより小さかった。もっと都会かと思っていたけど、週末でも比較的静かで混雑していなかった。コインロッカーもすぐに見つけられてよかった。混んでいる東京に慣れすぎちゃったのかな。

荷物を預けて、徒歩で北野へ向かった。異人館の「うろこの家」というのに行ってみたかったのだ。異人街は好き。開国して外国人が増えてくる頃の日本は面白かったんじゃないかな。その頃日本に駐在した外国人はたいへんだったかな。そういうことを想像するのが楽しい。

実際行ってみると異人街もこぢんまりとしていた。観光客はいたけど、それほど混んでいなかった。うろこの家は思ったより小さかった。それよりも、坂の途中にあった、廃墟が気になった。廃墟の洋館は、ほんものの「異人館」な気がした。ベタベタと張り紙をされたり調度品を並べて人を呼ぶ異人館よりも、リアルな異人館を見た気がする。ラッキーだった。たぶん時間が経って記憶に残るのは、廃墟の方。

歩き回って疲れたので、北野の喫茶店に飛び入りで入り紅茶を飲んだ。愛想の悪いお店だった。ティーカップはきれいだった。

旅をしていると、どうしてここにいるのだろう、と不思議な気分になる。おばさんがやたらと愛想の悪い喫茶店でそんな気分になった。家の近くにも喫茶店はある。なぜこんな離れたところでお茶をしているのだろう。

今回の旅の一番の目的は、一緒に行く友達とひさしぶりに会うことだった。場所はどこでもよかった。一時期は近くに住んでいて、毎日のように会っていた。でも、いつのまにか、住んでいるところも、生活環境もだいぶ離れてしまった。でも旅行というきっかけでまた一緒に行動できる。離れてしまったのにまた会えること、旅に出かけられることも奇跡だと思う。

宿泊は有馬温泉にした。新神戸からバスですぐに行けるので便利だと思った。大きな宿に泊まった。仲居さんが可愛くて親切でよかった。

有馬温泉のお湯は、しっとりすべすべでとてもよかった。

ビールを飲んで、温泉に入り、また飲んで、いろんな話をした。普段、仕事中あまり話さないので、喉を使いすぎて声が枯れそうになる程話した。よかった。

なんで旅をするんだろう。今回は友達に会うのがメインの目的だったけど、2019年の秋くらいからいろんなことが忙しくて、日常から離れたかったのもある。旅先は非日常。そこへ行くのも日常の良さを確認するためであったりもするのだけど。

旅先では、日常とは違う発見がある。そこから普段とは違う気持ちや、考えも生まれる。予想外のことが必ず起こる。そういうことが好きで、みんな旅をするのかな。

行きたかった場所や、したかったことより、意外だったことが思い出になる。愛想の悪い喫茶店のおばさんや、寒い中街角で歌っていた外国人男性、有馬温泉にあった大きな石、鉄分を含んだ茶色いお湯。友達がつけていたハンドクリームの香り。バスの運転手さんとのおしゃべり。ささやかだけど、楽しい旅だったね。

今回の旅行はとてもよかった。友達とも話したいことを話せたし、予想外の発見や出会いもあった。神戸の人たちは話し方がよい。優しい感じがしたし、みんな接客業の人だからかもしれないけど、親切だった。ただし北野の喫茶店のおばさんを除く。有馬温泉のお湯も良かった。エネルギーがチャージされた。

そして日常にいる。旅は終わって、戻ってきた。

旅に出られること、日常に戻ってこれること、どちらも幸せなことだと思う。

しばらくは日常をがんばろう。そして、またどこかへ行こう。



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