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【寄稿】自立支援から生まれるありがとうの活動~sitteプロジェクトを通して~

この記事は、大学生ライターによる寄稿です。

■はじめに
 私たちは社会福祉法人京都福祉サービス協会の河本歩美さんにインタビューをさせていただきました。河本さんの仕事や福祉に対する思いなど、様々なお話を伺いました。
 今回は、特に素敵だなと思った「sitteプロジェクト」について取り上げました。河本さんは、高齢者福祉の現場で働く中で、利用者が支援者に「してもらう」という支援のあり方に疑問を持たれ、利用者が主体的に活動できる取り組みとして「sitteプロジェクト」を始められたそうです。

■sitteプロジェクトとは?
 高齢者福祉施設 西院のデイサービスで2018年から始まった取り組みです。「多様な人が携わることができる『仕事』を創出し、高齢者の生きがいと地域の活力づくりに貢献する」をコンセプトとしています。利用者がニーズを積極的に言える、能動的な環境のデイサービスを作りたいと思ったこと、そして社会参加の1つとして「働く」があるのではないかと考えたことがきっかけで始まりました。

「sitteプロジェクトの取り組み」から

 利用者は認知症や要介護の方など、何らかの支援を必要とする方です。しかし、環境を整えればできることは沢山あります。利用者の皆さんが制作したオリジナルブランド「sitte」のまな板は商店街の店舗やオンラインで販売されています。皆さん、まな板を大事に使ってほしいという思いで作業をされているそうです。

■sitteプロジェクトの取り組み

■「ありがとう」と言い合える関係
 一方的な支援になりがちなデイサービスですが、利用者が役割を持つことで、支援者からも「ありがとう」の言葉が生まれます。こんな双方向的な関係がとても素敵だと思いました!

■まとめ
 社会福祉士になるための実習で特別養護老人ホームや病院へ行かせていただきました。そこで、要介護や認知症の方と接する機会がありました。実習に行くまでは、要介護と聞くと、できないことが多いというイメージを持っていました。しかし、要介護の状態であっても環境を整えることで、できることがたくさんあると実習やインタビューから学びました。私たちができることは、幅広い年代の人とかかわることだと思います。自分の先入観でとらえるのではなく、実際に関わり、一人の人として接していくこと、その人自身を知ろうとすることが大切です。その人が、どのような個性や思いを持っているのか知りたいと思うことが、私たちにできることの第一歩であると思います。要介護や認知症だからと言って「できない」という考え方で接するのではなく、「できること」に着目して、本人の力を引き出す支援ができるようになりたいです。

ノートルダム清心女子大学 人間生活学科 社会福祉士課程
岡崎美波 佐藤由依 藤原千嘉

インタビュー日時:2021年11月16日


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