2024年4月に摂取したおもしろのまとめ

こんにちは。

色々摂取したのでその様子を書きます。
とはいえ少な目。



冬期限定ボンボンショコラ事件 / 米澤穂信

いや本当にしみじみよかった……

小市民シリーズは本当に大好きで(ここからしばらく読まなくていい)、秋期限定~の後続刊がなかなか出ないことにやきもきしながら他の米澤穂信作品がバシバシ賞をとっていく様子にこりゃあもう当分続きは望めないかな……と諦観していたところ、まあやっぱり間は空きまくって2020年に短編集『巴里マカロンの謎』が出て、やはり小佐内ゆき、最高の女……でも早く「冬期~」が読みたい短編じゃ満足できないよぉ……と飢えに飢えていたところにようやく、ようやく来たんですよ、冬の甘味が。アニメ化を引っ提げて。小市民シリーズアニメ化!?!!?

タイトルがまんま小市民シリーズなのがちょっとおもろい。
小佐内さんの声がかなり脳内に響いてたそれに近くて狂いますね。
前置きが長い。

今回の冬期限定~は長編シリーズの完結巻ということでどんな内容になるのかと思えば、高校生活の終盤を迎えた小鳩くんと小佐内さんの関係性の一つの区切りと、二人が中学生時代に出会った頃にさかのぼるオリジンの話とを、非常にうまく組み合わせつつ、それでいてミステリーもめちゃめちゃちゃんとやってて、もうなんかすごかった。

米澤作品は読者が忘れてた頃に思いもよらないミステリーをぶつけてくるし、ミステリーに夢中になってると急にガツンとエモをぶつけてくる。

小鳩くんと小佐内さんの関係性に名前を付けるのは本当に野暮なことだと思うんだけれど、これを「野暮」と思わせてくれるような完結巻を描いてくれたことがとてもうれしい。

出たばっかりのミステリーの感想書くのむずすぎるな。本当はもっといろいろと書きたいことがあるんだけどネタバレが一切できない。

ともかくこれまでのシリーズを追い続けてきて本当に良かったと思える完結巻でした。
まだ短編は今後も書かれるとのことなのでアニメと共に楽しみにしてます。


あだち勉物語 / ありま猛

あだち充先生の兄で病で早逝されてしまったあだち勉先生の半生を、その弟子だったありま猛先生が描くマンガ。
物語終盤を迎えた38話だったんですが強烈にぶっ刺さってボロボロ泣いちゃいました。

作者のありま先生は連ちゃんパパの無料公開で数年前話題になった方ですが、まさにそのモデルの一人があだち勉先生だったという話も上記の38話で出てきました。

あだち勉物語って時代的に昭和ど真ん中のとにかく猛烈だったマンガ業界を描いていて、もうとにかく無茶苦茶な人しか出てこない、赤塚プロのわけわかんない社員旅行の様子みたいなギリギリ笑える話から少女マンガ家にとんでもない対応する編集の話など、良くも悪くもすごい時代だったんだなと苦笑いと大笑いを反復横跳びするような作品です。

でも決して露悪的ではない。なんというか視点がすごく冷静なんですよね。

これはおそらくありま先生の筆致のシンプルさだったり、ギャグテイストでありながら決して演出過剰ではないところが効いてるんだろうなと思います。
それでいて表情や間の取り方で感情を描くのが本当にうまい。
大ベテランの技。

で、先述の38話はもう物語も終盤で、あだち充一億五千万部パーティーという何とも中途半端な部数でのパーティーが開かれた話なんですが、それというのもすでに余命宣告をされていた兄・勉先生のことがあって……というような話。

もう激重なんですけど、それでもマンガは決して暗くはなく、でも明確に今までの話とは空気感が違っていて、読んでいて何とも言えない気持ちになっちゃうんですよね。泣。

この独特の雰囲気、ありま先生の技と書きましたけど勉先生のキャラクターあってのことなのはもちろんだと思います。

次回39話が最終話とのこと。どういう幕引きになるんでしょうか。


ゴジラxコング 新たなる帝国

なんだそのスターウォーズを二つ足して割ったみたいなサブタイトルは。

モンスター・ヴァースシリーズもかれこれ10周年らしく、一応全作追っているので今回も見に行きました。

前作のゴジラvsコングが映像的にはとても楽しかったけど、なんかこう、人間周りの話がおおざっぱすぎてもうちょっとどうにかできんのか…?と思う出来だったんですが、今回はさらにおおざっぱになった上で怪獣プロレスパートが盛り盛りになってました。長所が延ばせてえらい。

というか実際物語的にも主人公はほぼコング。

同族を失ったコングが前作で地球の地上深くに発見された地下空洞(なにそれ)で自分の居場所を探す話でした。

コングは当然言葉は発さないものの表情やしぐさが非常に豊かで、例えば物語の終盤とある事情で渋々ゴジラに協力を仰ぎに行くシーン(なんだそれ)では対面するや否や早速ゴジラに殴られるんですがそこでも「だからこいつと絡むの嫌なんだよな……ヤレヤレ」みたいな顔してて最高。

人間たちの冒険パートよりコングの仲間探し珍道中見てる方が断然面白い。

今回も相変わらずモナーク勢の謎理屈が根拠薄い割に当たりすぎてない?とかモスラ人間にとって便利すぎない…?とかなんか一人だけガーディアンズ・オブ・ギャラクシーやろうとしてるやついない?とかはあったんですけど、全然見たことない大怪獣プロレスっぷりがかなりの時間を占めていたので加点方式で大プラスです。

欲を言えばもうちょっとゴジラ寄りの話も見たくて、この世界のゴジラは最早ナマいってる怪獣やつを見つけ次第ぶちのめす遊侠みたいになってるのでその辺テコ入れがあると嬉しいですね。
監督が変わったとはいえあの神性はどこいっちゃったんだよ。


おしまい

おしまいです。

最近こういう感想をあんまり出力してなかったのでまた定期的にやりたいですね。

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