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強くて優しい

優しいだけじゃ、だめ。
社会人になってすぐにそう思った。

社会で生きていくには、図太く、鈍感で、鋭く、強くならないといけない。
優しいだけじゃ、自分で自分を追い詰めて、潰れてしまう。

そう思うと、これまでの自分を否定するような思いがした。
やわらかく、穏やかで、細やかに、もっと自分の感覚に頼って生きられたらよかったのに。

仕事をしていると、なぜか自分の良さみたいなものが失われていくような気がしたのだ。
仕事で求められる強さと、自分が大事にしたい優しさが、相反するものに感じた。
日々働いていると、大切なものをいつも蔑ろにしているような気分になった。

そういう悩みがあるときは、どうしてこんな思いまでして仕事をしないといけないのか、
一体誰の、何のために働いているのかと思う。
仕事って、こういうものなんだろうか?と
私はずっとずっと疑問だった。

それから転職を機会に、すこし考え方が変わってきた。
立ち止まって、改めて大切なものを考える機会を得られたからだと思う。
たった一つの居場所かもしれないと思い込んでいた職場から抜け出して、違う価値観の人と会い話す中で、別の視点から、物事を見られる様になったのかもしれない。

前は、図太く鈍感で鋭く強い人になんかなりたくない!と思っていたけれど、
今は、私は私自身を守るため、私が大事だと思うものや人のため、強くなりたいと思うのだ。

優しさと強さは両立する。
大事だと思うものを大事にするため、強くなる。
自分にとってかけがえのない、誰にも奪わせてはいけないものを守るために、
自分なりの、生きる術を身につけていくのだ。

私はふわふわしたまま、強かに、賢く、もっと優しく。

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