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読書ができなかったのに、”読ませてくれた”本

ちょっと前まで、全然本が読めない時期が続いていた。

ふわふわして、全然集中できなくて、
それより他やることがあるような気がして、気持ちが落ち着かない。
実際に、なにかやるべきことがあった気もしなくもないが、とにかく自己肯定感が低くなっていて、しょんぼりしていたのが大きい気がする。

しんとした気持ちで自分と向き合いたいのに、自分の心の声がよく聞こえなくなって、楽しいことも特にないし、生きるのが面倒なだけ、みたいな。

夏は暑すぎて、外に行くのがいやなので、やっぱり本を読みたい。
でも、なんかこの気だるいときに読める本ってなんだろう。

と、思っていた時に出会ったのがこの本。
たまたま聴いていたポッドキャストで紹介されていた。

本屋さんの店主と、その周りの人たちが織りなす群像劇、というのかしら。小説なんだけれど、とにかく、刺さる文章の多いこと。
こういう言葉たちを、私は読みたかったのだ、と思えて、久しぶりに集中して本を読めた。

その刺さった文章の一部をご紹介したい。

独りだから自由だったり、孤独だから深みが増したりすることもある

自分がこうやって生きているのはどうしようもないこと。だから受け入れること。自分を責めないこと。悲しまないこと。堂々とすること。わたしはもう何年も、自分にそう言い聞かせながら自己正当化しているところなの

ただ生きていくんじゃないですか。生まれたから

あー、ほんとによかった。自分は風が好きで、ほんとによかった。夜風を浴びるとすっきり気が晴れるから、ほんとによかった

「こうこう、こうすれば生きやすくなる」と言う人は、そういうことを言わない人よりも、生きるのがつらいと感じている人だった。

人生は、仕事だけをもって評価することはできない、複雑で相対的な『何か』だ。

これまでとは違う人生を。殻に閉じ込められていない人生、考えに閉じ込められていない人生、そして過去に閉じ込められていない人生。

わたしは、誰かのために働いているときでも、自分のために働かなければならない。自分のために働くのだから、適当にやってはいけない。でももっと大事なことがある。働いているときも、働いていないときも、自分自身を失わないようにしなければならない。忘れてはならないこともある。仕事をしている生活に満足感も幸せも見いだせないなら、毎日毎日が無意味で苦痛だと感じるなら、ほかの仕事を探すべきだ。なぜなら、わたしは自分に与えられた一度きりの人生を生きているのだから

じんわり響く文章の多さに、ページごとに癒される感覚だった。
この本をきっかけに、他にもどんどん本が読めるようになった。
しかも、自己啓発本だけじゃなくて、心を豊かにしてくれるような本。
「軽いノリノリのイルカ」も読んだ。満島ひかりさんも又吉さんもすきだから。すきな人の本を読もうという気持ちにさせてくれたので、ヒュナム堂書店の効果は絶大だった。

きっと、この本で癒される人は、たくさんいるはず。
生き急いでいる状態から、ちょっと立ち止まって自分と向き合えた感覚を得たので、
ご興味があれば、ぜひあなたも。

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