マネジメント基礎④

https://note.com/youcan08/n/nb5e1789ed782

の続きです。

肉体労働者の時代が終わり、知的労働者が台頭したこの時代(この著書が書かれた当時)のマネジメントは、いまだかつて議論されず、生産性を定義できないのみならず、定義することすら不可能。

被用者社会の拡大。

肉体労働者の心理的、社会的地位の変化。

脱工業化に伴う、経済的にも、社会的にも中心として据えられる知識労働。

に、対応する必要性が出てきた。

仕事と、労働は異なるものだ。

仕事とは、一般的で客観的。課題であり存在する。

つまり、「モノ」である。分析・総合・管理の対象となりうるものである。

分析によって、その仕事を構成する要素を明らかにし、論理的な順序に並べる。

総合によって、個々の仕事を一人一人の仕事に、一人一人の仕事を生産プロセスに組み込む。

管理によって、仕事が一連の流れであることから、フィードバックの仕組みを作り、維持し水準を保つ循環を作る必要性がある。

対して

労働は、人の行動、つまり力学である。

5つの次元から労働という人の動きに関して、関心を寄せる必要性がある。

生理的

心理的

社会的

経済的

政治的

① 生理的な人間の力学、例えば同じ行動をすると生産性が落ちたり、リズムやスピードが同じだと飽きなどの生理的な要因によって効率が下がる。つまり、仕事が均一であるように仕組みづくりしたとしても、そのアプローチ(取り組み方)は、多様性を尊重したものであるべきだ。

② 心理的な人間の力学、例えば働くことが苦痛であるのと同時に、やりがいとなり自己実現のツールとなる。つまり、もしAIによって、我々の仕事が全て失われれば、(推測とはいえ)自分たちの人格や心理的な満足度は危機的な状況を迎える。

③ 社会的な人間の力学、人と社会をつなぐ一役割を、働くことは担っている。働く立場によって、社会的立場の感じ方も変わるし、その社会性が試されるのも働くことである。つまり、自分が思っている以上に、働くことによって、我々は社会とのつながりを持っている。

④ 経済的な人間の力学、労働は、存在の経済的な基盤である。つまり労働のために賃金は必要であり、賃金によって生活が成り立つ。

⑤ 政治的な人間の力学、権力関係は常に存在するものである。そうすると、誰かが必要な要素となる働きをしていることは、必須なのである。それは、マネジメントかもしれないし、その指示を受けることかもしれない。

この5つの次元で、労働は考えられなければならない。今までは心理的な側面や、社会的な側面から語られることが多かった。

「仕事」と「労働」がここまで違う意味合いを持つとは、、仕事と労働の関係性こそ、昨今の「ワークライフバランス」が叫ばれる理由かもしれない。


エンジニアリングとコーヒーをこよなく愛する新米エンジニア 夢は、「世代を超えて、それぞれの幸せを追求できる社会を創造する」こと エンジニアだけどコーヒーを上手に淹れます。 頂いたサポートは、より良いnoteの記事を生み出すために使っていきます。