40歳からのずぼら妊活ガイド〜IVF編②

One Perfect Egg

41歳の一年間に行った採卵は全部で3回。いずれのサイクルも、生理3日目の初回内診では卵胞が5-6つ程度でのスタートでしたが、最終的に1回目は4つ、2回目は2つ、そして3回目は6つの卵子を採卵するに至りました。採卵でお世話になったHanabusa IVFについては、前回の記事をご参照ください。

3サイクルとも、採卵後すぐにふりかけ式で体外受精させて、5日目胚盤胞(採卵後5日まで培養した着床前の胚)が各サイクルとも1つずつ育ちました。(内心、これって、自然サイクルでも元々排卵されることが決まってた卵子なんじゃないの?ってちょっと思いましたが…) こうして、5日目胚盤胞計3個だけが、私の不妊治療の収穫のすべてとなったわけです。

5日目胚盤胞を凍結する前に、胎盤にあたる細胞を少しだけ採取して行う着床前遺伝子検査(PGT-A)を行った結果、以下の通りとなりました。

1回目の5日目胚盤胞1号(グレード5CB)→ 正常胚。
2回目の5日目胚盤胞2号(グレード5BB)→ 異常胚。
3回目の5日目胚盤胞3号(グレード3BA)→ 低モザイク胚。

ちなみに、現在育児中の娘はこの胚盤胞3号ちゃんにあたります。胚のグレードと着床前遺伝子検査の話はまた別に書くとして、今回は、5日目胚盤胞となった3つの卵子を採卵した時のことを振り返りたいと思います。

サイクル開始時のホルモン値はそれぞれ、以下の通りでした。

1回目 FSH 8.4 E2 12.9 LH 6.2 P4 0.5
2回目 FSH 10.58 E2 39 LH 6.97 P4 0.53
3回目 FSH 14.7 E2 26.5 LH 6.9 P4 0.3

ご覧の通り、回を重ねるごとにFSHがうなぎ登りに上昇しています。E2の低さも顕著です。卵子を育てる力がすでにバテていて、体が必死にFSHを分泌しようと頑張っているのがわかります。

不妊治療では、FSHを含む薬剤を注射して人工的に数値を上げることにより卵子を育てるE2の値を上げていくわけですが、いくらでもFSHを注入すれば良いというわけでもなく、FSH数値が上がりすぎると逆にE2が上がらなくなってしまうという微妙なバランスがあるようで。FSHが低すぎても、高すぎても、卵子は育ちにくくなるんですね。だからこそ、サイクルスタート時のFSHは低い方が伸び幅がある(注射を打てる余地がある)ので望ましいということなわけです。

私の場合、1回目は、ハネムーンのハワイでゆったりリラックスしてきた直後だったせいか、FSHの値も理想的なスタート。卵胞5つでのスタートだったので、当然低刺激でのIVFとなり、ミニマル量の薬剤を処方されました。とにかく卵胞が少ないので、私の治療ゴールは、たくさん卵子を採取することよりも、One Perfect Eggを育てること、と決めていました。

私がお世話になったHanabusaクリニックのDr.Changからは、月経期から排卵期までの間、FSHが常に13から20くらいの間に収まるように、3日-4日おきの血液検査でモニタリングしながら注射する量を調整して行きます、と伝えられていました。そのため、私は生理2日目からサンディエゴのAirBnBに滞在して、3日ごとに通院。朝イチの血液検査の結果によって、その後3日間に注射する薬剤の種類や量を、同日午後に指示されるというスケジュールで過ごしました。

ちなみに、1回目の採卵までに服用した薬剤は以下の通りです。

生理3日目 (モニタリング①結果:FSH 8.4 E2 12.9 LH 6.2 P4 0.5)
      →クロミッド50mg のみ
生理4日目 クロミッド50mg + Gonal-f 150IU (3.75mcg)
生理5日目 クロミッド50mg + Gonal-f 150IU (3.75mcg)
生理6日目 (モニタリング②結果:FSH 15 E2 122.8)
      →クロミッド50mg + Gonal-f 150IU (3.75mcg)
生理7日目 クロミッド50mg のみ
生理8日目 (モニタリング③結果:FSH 10.4 E2 387.3 LH 7.4 P4 0.6)
      →クロミッド50mg + Gonal-f 225IU (5.625mcg)
生理9日目  クロミッド50mg + Gonal-f 225IU (5.625mcg) 
生理10日目 (モニタリング④結果:FSH 16.5 E2 1167 LH 7.5 P4 0.7)
→排卵誘発剤 Ovidel
生理11日目 薬剤なし
生理12日目 採卵(卵子4つ採取)

初の不妊治療ということもあり、通常より小まめにモニタリングをしていただき、FSHは狙い通りに13-20の範囲に留めることができました。生理10日目のモニタリングで排卵寸前サイズの主卵胞があり、E2値もそれを裏付けるレベルだったので、その日のうちに排卵誘発剤 Ovidelを注射。

翌日は、採卵前日のためセルフ注射の日々からも解放され、ステイしていたAirBnBのホストと裏山をゆっくりハイキングしたり、夕方合流した夫と食事に出かけたりしてリラックスして過ごしました。このAirBnBでの滞在で経験した不思議な出来事についても、いずれ書きたいと思います。

そして採取した卵子4つを体外受精し、五日目まで培養したところでの受精卵のグレードは5CB。クリニックによっては移植しないところもあるというくらいのレベルではありましたが、遺伝子検査の結果は嬉しいことに正常。初めてのIVFで、妊娠の確率が比較的高い5日目胚盤胞1号ちゃんを凍結できたのは、まさにビギナーズラックでした。

(次回に続く)


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