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小説

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生き恥を晒しています。
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あかい、くに

あかい、くに

202101192000

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死にたくて堪らない男がふと目を覚ますと、そこは異空間だった。
どうやらこの空間にいる者は皆先の大火災で死んだらしいのだが、何だか黄泉の国へ行けない蟠りが有って皆々ここに留まっているらしい。
周囲は阿鼻叫喚で、肉か血か分からないピリリと鼻を焼くむせかえるような臭気が漂っている。
しかし男は実に陽気だった。
二十何年間生きてきて今日が最高の日だったのだ。
なにせ、よう

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