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『台風クラブ』オープニングだけで満たされる、けど本編はもっと凄い最高映画

最初に学生の頃に観てからというもの、心の奥底に常にトゲみたいに刺さってる作品の話です。

相米慎二
台風クラブ

今回4Kレストア版上映ということで、情報出た瞬間から観に行こうと決めていた。

前提としてもともとめちゃくちゃ好きな作品なのでめちゃめちゃ濃い色の色眼鏡がかかってることは許してください。。。
あといちばん有名なシーンについてはもう「考えるな、感じろ」がすべてだと思うので特に触れていません。素晴らしいのでぜひ感じてほしい。

下記、とにかく冷めやらぬ興奮のなか書き殴った感想です。
今回は初見でないからこその気づきなどを中心に書いています。

最高の曲をおともにぜひ…
私はこの映画をきっかけにバービーボーイズにどはまりしました。
映画の中みたいに謎ダンスしたくなる

今回、4K版観賞しての所感

もうまずはじめて観た時から、オープニングの異常な完成度を愛しているのだけど全集中して観れるデカい画面と劇場の音響のバービーボーイズすばらしかった〜〜ふぁ〜〜!!!

静寂のなかでのプールのちゃぷちゃぷ音、からのダンスと音楽と光と音の強弱とカメラワーク、一度プールのカットでまた静寂、からの野球少年ふたりの息のあった足取り(「おっさんもがんばれよな〜!」)…

なんて完璧な計算され尽くした何十回でも観たいオープニングなんだ…
わちゃわちゃが終わって"木曜日"のテロップが出るまでの、間が完璧なんだよな…

個人的にオープニングすばらしい賞、本作とララランドにはあげたいな

工藤由貴のお人形さんみたいなかわいらしさはほんとにずっと目が離せなくて、あんな三つ編みしてて可愛いのって凄い

いろいろと言いたいことはありまくるのだけど今回思ったことを何点か

・エリの家庭環境
→この作品、「おかえり、ただいま」のインパクト強すぎてそこだけを観てたけど、鑑賞後に友達と、エリが男の世話になることに抵抗なさすぎなんだよなあという話をしていてハッとした。
冒頭からそもそも、突然現れた三上くんに「三上くんどうしたらいいと思う?」と問うところから、あの謎のお母さんオナニーシーン、家出したエリの母親に三上くんが電話かけて何も言わずに切ったあとの表情、台風の日に家出してもなにもない…など、
お母さんを探しても布団が綺麗だったこととからもしかしてお母さんは男に寄生しないとやっていけないタイプなのでは?エリは無意識にそれを真似ているのでは?
などと
考えすぎですかね…
最近パーソナリティ障害等へ関心が高いので以前観た時よりも(邪推といえばそれまでだけど)行動原理を推測できるようになってる気がする

・"あの"動き
閉塞的な田舎に住んでる子どもたちがここではないどこかに行きたい、飛んでいってしまいたい…ということなのでは?と思った
挿入歌「翔んでみせろ」だし…
それで実際に翔んだのは三上くんですが

・最後、暴走の果てに疲れきって教室で寝る時にケンだけが「おやすみ」ていうとこ
→ミチコをつけまわしといて「あーあ今日は変な1日だったなあ」もクソもないよと思ったが、あのとき1人だけうわずった感じで楽しそうにうれしそうにしあわせそうに「おやすみ」っていうのがすこしずれた感覚の持ち主、こういう子っていたよなあと思わさせられてあの間が妙にリアルだった
ふだんケンはおやすみって言えることあんまりないんじゃないかなと思うと切なかった

・ラスト(犬神家)
→三上くんって偉そうなこと言ってるけど、カッコいいこと言ったってけっきょくあんな風に無様なもんなんだよ。という監督からのメッセージ???かと思った。
あと、三上くんはあれで死んだと思ってたけど足がゆらゆら揺れてたのでもしかしたら死んでない可能性もあるのかな、とも。

・最後のふたりのクローズアップ
→ええなんでそこクローズアップして終わるの?と前から思っていたのだが、明らかにエリとアキラがこれから仲良くなることを示唆…している…よね…?(アキラの身長について、興味や、頼もしさを感じているように見えた)
けっきょくこの映画のテーマだけど、思春期の子どもたちと台風を重ね合わせてすべての感情が爆発的で一過性のもののように演出されている気がして、だからエリにとって三上くんという依代がいなくなったらそれはそれであっけらかんとしてすぐに忘れて別の男をまた依代にできるということなのでは、とかそれが家出をしてひとりで台風のなかをさまよったことによるものなのか…とか
(夜をどう過ごしたかが描かれていないのがまた…)

【今回気づいたこと】

・先生が最初に彼女と家でモメてるシーンのとなりの部屋からのあえぎ声、と赤ちゃんが泣きはじめたら止まるところ
→スゲー!てなった

・大学生(風)の部屋がピストル・モデルガンまみれ
→オタクってこと、やばい思想のやつってこと、もしくは子どもと大人のあいだのグラデーションを描きたかったのかなんなのかと思ったけど、単純に髪の毛を撫でる手つきがキモくて嫌だった

・オカリナのシーン
→まったくおぼえてなかった。

・千羽鶴の描写
→あれがあることによって空気の流れが目で見えるんだと思った。天才か!?

【蛇足】

・工藤由貴にオナニー指導どうやってやったんだろう

・途中のオカリナの2人の動力はなに?あぐらかいてたし(手前にレールがあってスタッフがそれを引いていた?)てことは4人組のパフォーマーなのか?

ふりかえり(?)

当時あんまりにも衝撃的すぎて噛み砕けてなかったとこにすこしは焦点当てて観れたかも

まあ当時レンタルして鑑賞後に良すぎてすぐに買ったので実はいつでも観られるのだが…

またはやいうちに観返そう〜好きすぎ

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