家族愛に変わる恋愛は、結婚にはならずに消える。

※コチラはアメブロ過去記事からの転載となっております。

2017年6月30日(金) +:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+

さて続け様ではありますが、
書く気力を少しでも失う前に、
出来るだけ一気に書けたらと思います。

過去を振り返るのは、
受け止めるのは、
正直痛いです。

何度も投げ出して、
何度も逃げ出して、
そんな風に生きて来て、
もう逃げられないと絶望して、
逃げるコトにも疲れ、
逃げられないなら向き合うしかないと思い、
その方法の一つが文字に起こすコトでしたので、
今なら書けるというタイミングを見つけたら書こうと思いながら、
随分と時間が経ってしまいました。

今回のタイミングはやはり麻央さんの死で、
生きているって永遠ではないと改めて思い出したので、
生きて書けるウチに書き記すコトが出来たらなぁと思いつつ始めました。

後悔のないよう。

それだけを想いながら。





あの日から付き合った彼とは、
4年という実に長いモノとなりました。
あたしの狡さから始まった歪な関係。
でもあたしは彼を愛していたし、
彼もまた愛してると言ってくれた。

いつしか結婚を前提になんてプロポーズ紛いのモノも受け、
改めてこの付き合いについても話したし、
何の疑いもせずいずれ結婚するのだろうと思っていた。
周りにもそう思われる程にあたしたちは、
あたしは、
大好きだった。
本当に大好きだったんだ。



あんな始まりの後、
あたしは不安定な精神を引き摺りながら、
時には彼の前で泣き出すコトも多く、
不安にさせたり、
不満にさせたり、
その度に納得の行くまで話し合い、
苦難を知っている関係だからこそ乗り越えられるという、
不確定でありながら自信すら抱いていた。



話せば解る人。
彼の人柄の中でそれが1番光っていた。

喧嘩だってよくしたし衝突もよくあったけど、
最後は話し合えば解るのって凄いと、
夢に見ていたこんな関係を本当に誇りに思っていた。



見栄っ張りなトコロも、
臆病なトコロも、
奴に比べればすべて許容範囲。

時々すれ違うコトもきっと許容範囲。

大好き・・・大丈夫。



男女の付き合いは3年くらいで倦怠期が訪れるという。
多少のすれ違いがあるも順調だと思われていた付き合いだったが、
その3年の少し手前ですれ違いが少し疑問に変わり始めていた。

まずはいつの間にか身体の関係が激減していた。
でも性行為に対して恐怖心もあるあたしだったので、
なくてもいいかなと思う込むコトにした。



どうしても理解し難かったのは、
出先で突然怒り出し無言で帰られるコト。
半同棲のような状況で帰る先は一緒なのにフイっと不機嫌に帰られる。
怒ると黙り込む彼の性格が少しずつ露見する。

話せば解るはずなのにどうして黙るの?

黙る度に説明させたけど、
解決していたつもりだったけど、
怒っているのに怒っていないと言い切られ、
繰り返される度にストレスとなり重くのしかかる。



その不満が爆発したのは3年と1ヶ月が過ぎた頃。
年末年始の帰省の前々日だった。
同じようにまた急に怒り出すので、
さすがにもう付き合いきれないと匙を投げる。
もうこんなの続けられない。
もう無理だ。



「だからお願い、もう別れて」



それまで何度となく繰り返されては話し合い、
話し合っては繰り返し、
さすがのあたしも疲れ切っていた。

元々崩しがちだったあたしの精神のバランスはより一層崩れ、
それまでに何度か自傷行為をしては彼を泣かせていた。
本来優しいはずの彼はそこでようやくゴメンナサイと言う。

「怒ってゴメンナサイ」

「悲しませてゴメンナサイ」

「だからもうこんなコトしないで」

その傷を抱きしめて泣く彼をそうやって反省させる。
もちろんそんなやり方は大いに間違っていて、
だからこそもう限界だった。
悲しむのも悲しませるのももうイヤで消えてしまいたかった。

一度だけ彼の首に手をかけたコトがある。
どうしようもないくらい腹立たしく、
その場が収まりつかず、
我を忘れてやってしまった人としてダメな行動。
彼はそっと目を閉じていいよと言った。
ゴメンナサイと呟いた。
どうしてそんなにされてまで謝るの?
どうしてこんな時にこそ怒らないの?
もうあんな風に悲しませるのも悲しむのも嫌だった。
あの時は怒らなかったのに今目の前にいる彼は怒っていて、
その内情が解らなくてあたしはもうへとへとなんだ。



「だからゴメンね、もう別れてください」



頑なに拒否る彼に、
じゃぁどうすればいいの!とヒステリーを起こす。
こんなのもう続かないでしょう?と激しく諭すように。

「なんで別れなきゃダメなのか、理由が解らない」

そう言われても理由なら散々説明した。
もう[あたし]が限界なんです。
解放してくださいと。

もう止めたい。

もう辛い。

もう嫌だ。

何度も何度も口をついて出てくる悲鳴。
それでも彼は解らないと言うだけで、
どう見積もっても理解する気も解放する気もないようだった。
話し合いにもならず気が狂いそうになる。
そんな時間が無情に過ぎる。



家を飛び出して相方に電話をかけた。

「あの人は、何にも解ってくれない」

駆けつけた相方達は、
一緒に行くからもう一度話してみろと言ってあたしを帰らせる。
あたしらも一緒に聞くから大丈夫だと。
口出しもしない。
でも一緒に聞くからと。

そしてもう一度対峙。
相方達のジャッジメントでやはりお手上げ状態となり別の提案がなされる。

「話し合いにならないようだし、この子こんなだし、場所変えませんか?」

何を言っているんだとその時は思ったが、
アンタはここで話しても冷静になれないだろうと言われ、
彼もここで話せば逃げ場を作ろうとしてしまうだろうと言われ、
場を変えて話し合い方も変えなさいと言われる。



場所は相方の家に決まった。

一晩かけて話し合い、
譲らない彼にまたも折れた。
いつの間にか眠っていたあたしの枕元には一通の手紙。
1日早く帰省を予定していた彼からの。



「それでも猫娯を愛しています」



中にはそう書かれていた。
悔しい。
そんな時まで優しさで説き伏せるなんて狡い。
そんな言葉を置いて先に帰っちゃうなんて狡い。
怒るコトも許すコトも出来ないじゃない。

結局なし崩しに別れ話はなくなった。



年も明けまた変わらぬ付き合いが続く。
あんなに酷かった年末の言い争いもきっと乗り越えたんだよね。
思い込んで新年を迎える。

その矢先にあたしの辞職と引き抜きがあり、
上司のコトがあって、
あたしの不安定がさらに加速を増してゆく。
年末に終えた波を振り返すのに時間はかからなかった。



その日もまた言い争い、
別れる別れないの話になり、
浮気をしたと間違った宣言をし、
怒られるより興味を持たれ、
疑問符が打ち消せないまま、
またも別れ話はなあなあで終わる。

怒ってよ!

助けてよ!

そんな気持ちも虚しく響く。
何処にも届かないまま消える。



あたし達は彼がゲームセンターで獲ってくれたぬいぐるみを大事にしていて、
我が子のような扱いで可愛がっていた。
その時の言い争いで、
もうこの子も捨てるとゴミ袋に入れてしまったのだが、
浮気を肯定され、
別れる必要はないと言われ、
この子にも謝ろうねと諭される。

「ゴメンナサイ」

今度はあたしが謝ったけど、
本当は何に対して謝っていたのか解らない。
この子に対して謝る意味は解るけれど、
彼に対して謝るの意味とか、
そもそも謝っているのかなんなのか解らなかった。

俺も浮気すると宣言され、
でもまだぬいぐるみを間に置いて家族ごっこをするのかと、
もう疑問を持つコトにも誤解を解くコトにも疲れてしまった。



宣言通り彼は浮気をした。



相手の子のコトは元々少し気になっていたらしく、
でもあたしという存在があったため、
当然浮気をするつもりなどなかったらしいが、
そのトリガーが外れてしまい、
あたしの目も憚らずに堂々と浮気を始める。

相手の子の話は何度も聞かされた。
そしてあたしの話も何度も聞かれた。
楽しそうに語る彼。
この関係の意味も意義ももう解らなくなっていた。



散歩好きなあたし達だったが、
時には相手の子の家の前を通り嬉しそうに語られるコトもあった。

留守電にも度々相手の子からの伝言が入る。

今日はこんなコトをしたよ。

今日はこんな話をしたよ。

今日は。

今日は。

今日は。

あたしはお母さんか。
虚しさだけが心の中を行き過ぎる。



あたしとはほとんどしなくなったセックスも、
相手の子とは当然のようにしていたし、
本当にあたしはお母さんそのモノだったのだと思う。

傷つくのが疲れたから適当に相槌を打つ。
ハイハイ聞いてますよと楽しそうな笑顔に傷ついているクセに、
あたしにはそんな資格なんかなかった。

あたしもあたしで不毛な関係を切る方法が解らず、
そのコトで彼が別れてもくれない以上もう何処にも逃げ場はなく、
張り付いた笑顔で聞き上手に徹するしか出来なかった。



上手に聞いていればいつか帰ってきてくれる。
自分勝手にそう信じて。



そんな心にも終わりが来る。



やっていける大丈夫と思っていた気持ちと裏腹に、
よそよそしくなる彼の態度。
最後の方はもう憎まれてるのかと思うくらい冷たいモノに変わっていた。



性的に交れなくても、
行ってらっしゃいのキスとハグが日課だったのに、
それがないどころか会話もしてくれず、
常に不機嫌な態度を取られるようになる。



そんな態度に1ヶ月は耐えた頃、
当然そんなモノが続くはずもなく。

「いったいなんなのか、話して」

酷く冷静に問い詰めた。

最初は黙り込んでいた彼もぽつぽつと語り出す。
相手の子に彼氏が出来てフラれましたと言う。
フラれて初めて相手の子に本当に恋愛感情を抱いてると気づきましたと。
コレが恋なんだと気づいてしまったと。
要は相手の子が今になって浮気ではなく本気で好きになったという。
それが後ろめたくてあたしとマトモに話せませんでしたと。
なんとも情けない話だった。

「そんなコトでこの1ヶ月間こんなにヤキモキさせられたワケだ?」

ゴメンナサイと呟く彼。
謝罪の言葉も今回は愛しかったそれではなく、
なんだかもう人外の生き物の言葉のようにすら思える。
最初からそう言えばよかったじゃないと伝えると、
傷つけると思って怖くて言えなかったと返してくる。

「こんな態度を1ヶ月も続ける方が傷つけると思わなかった?」

またゴメンナサイと呟く。

「ゴメンナサイはもういいから、ちゃんと話して?」

少しずつゆっくり話し合う。
ちょっとだけ2番目でもいいよとかゴネたけど、
無理なのは痛感していたから、
今日一晩だけ泣かせてと、
明日には大丈夫になってちゃんと別れるからと伝えた。

また小さなゴメンナサイ。

「ほらもうそれはいいって」

あたしとの関係については[家族愛]といった彼。
それは恋愛とは違うのかと聞いたら、
だって家族と恋愛はしないでしょうと返ってきた。
そりゃそうだな。
その家族愛で結婚するとかじゃなかったんだという問いも、
その時は解らなかったんだとまた謝られた。

「違ったんならしょうがないね」

別れるに至り彼がふと問いかけてくる。
あたし達が我が子のように大事にしていたぬいぐるみ。
別れたらこの子どうしようとオロオロしている。
なんなのこの人。
この期に及んで可愛いコト言わないでよ。
この子はあたしが責任持って大事にするからと伝え、
鈍りそうな決心を必死で奮い立たせる。

そしてただただ一頻り泣いて次の日には気持ちを切り替えた。

奇しくもその日は4年前にあたし達の関係が始まった日だった。



問題はそれだけで終わる程には簡単なものでもなく、
次なる課題は、
半同棲状態だったあたしの荷物だ。
時は初冬。
仕事も忙しくなかなか運び出す時間が取れない。
少しずつ持って帰るからもう少し家には置かせてという我儘だけ通してもらう。

荷物を運び終えるまでの間はズルズルと身体の関係もなくらなかった。
嫌いになった者同士ではなかったので、
同じ屋根の下の生活でそれも当然のコトだったと思う。
あわよくば寄りを戻せたらと思っていなかったかと言われれば否定は出来ない。

でも彼に根を上げられてしまう。

いいかげん家には帰ってくれと言われる。
荷物どうしよう。
残りは一緒に運ぶよ。
そんなやり取りがなされあっという間に終了。
運んでくれてありがとうと言って見送った帰り際、

「このままお別れかな、もう少しだけ一緒に・・・」

ふざけるな帰れと追い返した。
追い出しといて寂しいとか言うなと。
狡いなぁこの人は。
あたしがまだすごく好きなのを知ってるんだ。
別れたくないのを天然で察知してるんだ。

狡いよ。



ゴメンね。



大好きだよ。



ここからあたしは想いを断ち切ろうと思ったのだが、
現実はそう上手く行かず、
未練もタラタラで、
そんな未練も最大限に利用されるのたが、
もしまた好きになってもらえるのなら利用されてしまおうと思いつつ、
何度にも渡り玉砕。

身体の関係は相変わらず続けたし、
4年ぶりに離れて暮らしたので、
会社から帰ってきては寂しいからと電話が鳴り、
確かに電話していいとは言ったけれど、
こう毎日なのではさすがにあたしも疲れてしまい、
ある日の夜に呼び出して、
近場を散歩しながら最後の話し合いをした。

「今でもまだ好きだから、見込みがないならもう止めて」

もう諦めたいのにさすがに辛いよと苦笑する。
ゴメンナサイと謝られる。
謝るのも狡いと言い、
それでもまたゴメンナサイと言われる。

こうやって話し合ってきて、
途中はそれすら聞く耳も持たなくなったのに、
別れてからまたちゃんと話し合いが出来るようになるなんて皮肉だな。



それでも友達でいましょうと言って別れたあたし達は、
いつしかちゃんと友達に戻れたんだと思う。
思っていた。

あたしが初めてパソコンを買う時も、
知識の豊富な彼は相談に乗ってくれた。

鬱病を発症してからも辛い時は話を聞くよと言ってくれた。

けれどそれも上手くいかないコトの方が多く、
友達になんて戻れないのかなと何度も打ち拉がれた。



ある日、
朝まであたしの家で遊んでいて、
後ろから不意に抱きしめられてシタイと言われる。

「あたしはしたくないよ」

ハッキリ断る。
逃げるように帰っていく彼。
悔しいかな男女の温度差に泣けてくる。
無防備過ぎるとその時間チャットをしていた友達にも怒られた。
男はもっと狡いんだよと心は男性な女友達が解りやすく説いてくる。
でも友達に戻れると言った彼の言葉を信じていたんだ。
だからその気がない時は断れた。
もう好きになりたくないから断った。

どうして逃げたの?

何か怒らせたかなと不安にもなったし、
友達に戻れなかったかなと不満にも思ったし、
悔しくて、
とにかく悔しくて、
ただただ意味が解らなくてその時は泣いた。

泣き明かした数時間後どうしても合わなければならない用事が出来て、
相方達に付き添われて彼宅を訪れる。

さっきはどうして逃げたの?という問いに、

「なんか自分が急に恥ずかしくなって」

なんてまたゴメンナサイと謝るんだから、
この人はしょうもないなと思った。
そういう時は逃げる前にゴメンナサイでしょうと諭す。
また謝られるの繰り返し。



恋人にもなれず、
まして夫婦にまで発展も出来なかったあたし達。
彼が表現するようにまるで母子のような関係でした。

それでも大好きでした。

いつかはあなたの嫁になれると思っていました。



歪な関係から始まったけれど、
酷い女だったと思うけれど、
たくさん傷つけたし傷つけられたけど、
それも今では良い想い出で、
違う体温だったとしても本気で愛し愛されていたと思っています。

あの時に利用されてくれてありがとう。
たくさんのゴメンナサイは決して嫌いでなかったよ。
でももう謝らないでよ。
そのゴメンナサイはあたしには痛いです。

小さな棘のように刺さるのです。

大好きだったから、チクリと痛み、血が滲むのです。



あなたにとってあたしは少しは傷になりましたか?



家族ではない、傷に、もしなれていたのなら本望だわ。





思い返しながら書いてみたけれど、
なんだろうな。
辛かったし憎みたかったけど、
やっぱり嫌いになれませんでした。
さすがに今はもう恋愛感情なんかこれっぽっちもない。
でももしかしたら結婚していたかもしれない人だったので、
人間関係ってのはつくづく上手く築けないたなぁと思い知らされつつ、
今こうして今は大好きな彼氏ともう10年以上も付き合い、
一緒に生活出来ているコトが奇跡のように思います。
彼氏もあたしと彼はきっと結婚しちゃうんだなぁと思ったそうで、
しなかったコトに驚いたと言います。
まぁ1番驚いているのはあたしですけどね。

その後も彼とは何度か連絡したりもしたのですが、
彼氏とも付き合うようになりましたし、
彼氏を目の前に連絡取り合うような真似は出来ないかな。

彼氏はあたし達の関係についてもよく話を聞いてくれます。
それを経験しての猫娯さんだからと言ってくれます。
そんな彼氏に充実させられつつも、
いつか壊れちゃいそうな不安定さをまだ持ち合わせています。

鬱が酷くて彼にヘルプの電話をしたコトがあり、
甘えんなと怒鳴れて、
元々どっちが甘えてたんだと怒鳴ったコトもありました。
その時もまたゴメンナサイと言われました。
いつまでもゴメンナサイだとダメだと思うのだが、
謝罪癖は治らないんでしょうね。

あと貸したモノを最後に返してもらう時に、
彼氏の存在が出来たあたしがアナタに1人で会うとか、
そんな間違いはもう起こしませんからね。

そんな感覚の彼です。

今ちゃんと間違わない恋愛が出来ているのか、それだけがちょっぴり不安です。

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