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市内RPG

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福井丘県子郡市。市役所発の魔王討伐に、高校生勇者がゆるーーく挑む。不定期連載中。
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#物語

市内RPG ②仲間

二師鉄電車と二師鉄バスに乗って、明仙高校へ行く。夏休みなのに、補習があるなんて。進学校だからしかたないが、つまらない。 大穂駅からヤスが乗ってきた。 「おはよう」 「おぃーす」 ヤスのテンションは朝はこのくらい。いつものことだ。本人曰く、低血圧らしい。ひくいテンションのヤスとはなかなか盛り上がれない。無言で、電車に揺られている。ぼくらは電車の一番前に乗る。混まないし、乗客の先頭にいるということは何かうれしい。 次の足坂駅からはヒラが乗ってくる。いきなりヒラが尋ねてきた。

市内RPG ⑤勇者登録

池木下さんは青いファイルを開いて、登録用紙を取り出した。 「3人がパーティー?」 「そうです」ヒラが言った。 「名前、住所、連絡先、希望職業を書いてね。高校生?なら、保護者と連絡先もね」 「名前、住所、連絡先、、、希望職業?これ何ですか」ぼくが尋ねると、池木下さんは 「勇者、戦士、魔法使い、僧侶、盗賊、武闘家から選んでね。あ、パーティーに一人は勇者が必要だから、相談してね」と言った。 ヤスを見ると「戦士」を選んでいた。「ヤス、戦士なの?」「オレ、剣道部だから。やっぱ戦士でし

市内RPG ⑧会心の攻撃

ぼくとヒラとヤスの3人は、同封されていた武器を持って集まった。 ぼくとヒラは木の棒。ヤスはプラスチック?なかなか硬そう。 この違いは何だろう。職業の違いか? ぼくは勇者。ヒラは魔法使い。ヤスは戦士。 ヒラは木の棒を振り回しながら言った。 「これはヒノキの棒だね。ヒノキボー。ほら、ホームページに書いてある」 そう言って、子郡市のホームページをケータイで見せてくれた。ホームページには、「ヒノキボー、初心者の武器」と書いていた。 「あった、ヤスのはバトルステッキ、これだ」

市内RPG 33 段ジョンB3の祭壇

ぼくら、レベル10。勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。 エオンショッピングセンターの段ボール回収箱から続く地下段ジョンを探索している。 地下2階のドラゴンから逃げてきたところだ。 そして、段ジョンの地下3階に続く階段を下りてきた。 地下2階よりも通路が広く、明るい。地下2階は、オレンジのライトが点々と灯っていたが、3階は、松明が通路に置かれていて、赤々と燃えていた。 おかげで、奥までよく見通せるようになった。 ケータイを見ながら、先に進む。ドラゴンには

市内RPG 38 動き出したゴーレム

ぼくら、レベル11。勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。 子郡市のエオンショッピングセンターの地下段ジョンを探索している。地下1階では巨大ジャンガリアンハムスターと遭遇。2階では、ドラゴンから逃走。3階では、トーテムポール提灯を撃破。4階では、魔法使いの将棋に勝利。 やっとたどり着いた地下5階。目の前のゴーレムが動き出したのだ。 僧侶カナのおかげで、ゴーレムの一撃を何とかかわすことができた。レンガの拳で殴られたら、、、、そう考えると、ぞっとする。 「みんな、

市内RPG 53 ほこらの奥

ぼくら、レベル11の、勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。子郡市役所で勇者登録をして、魔王討伐のために、子郡市内をうろうろしている。 1か月後に開かれる「小原合戦記念武道大会」では、優勝者に賞金10000円と退魔の剣が与えられることを知って、レベルアップのために修行することに決めたのだ。 僧侶カナのおじいさんのお兄さんの「天狗」の修行を乗り越え、試練のほこらに挑んでいる。 「メダルスライムが襲ってこなくなったわ。」僧侶カナが言った。 「ぼくらにかなわないと思っ

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市内RPG 54 天狗との死闘

ぼくら、レベル11の、勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。子郡市役所で勇者登録をして、魔王討伐のために、子郡市内をうろうろしている。 僧侶カナのおじいさんのお兄さんの「天狗」の修行を乗り越え、試練のほこらに挑んだのだ。ほこらの奥から、牛の置き物を帰ってきたところで、天狗にそれを奪われた。 「返して、天狗さん。」カナは叫んだが、天狗の目が青く光って、聞く耳をもたない。 「ほこらに入るときは、ただのじいさんだったのに。」戦士ヤスがマもの星竿を構えながら、言った。

市内RPG 56 シックスバリュへ

ぼくら、レベル16の、勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。子郡市役所で勇者登録をして、魔王討伐のために、子郡市内をうろうろしている。 花盾山で、メダルスライムをたくさん倒した修行の帰り、戦士ヤスがこう言った。 「明日、エオンに武器を買いに行かないか。」 次の日、10:00。二師鉄子郡駅集合。 「エオンにはこの前行ったじゃない。他の所へ行こうよ。」僧侶カナが提案した。 「いいけど。どこ?」魔法使いヒラが尋ねた。 「シックスバリュよ。」 「シックスバリュ?あそこに